AI時代のBIと分析–自然言語が解き放つ可能性
今回は「AI時代のBIと分析–自然言語が解き放つ可能性」についてご紹介します。
関連ワード (データマネジメント等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
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人工知能(AI)はビジネスインテリジェンス(BI)を衰退させるのか。それとも再生へと導くのか。
フロントエンドのBIツールやデータ分析ツールは、長年にわたり市場の中心を占めていたが、その状況がAIによって変わりつつある。これを受けて、主要BIベンダーが「AI」企業への転身を図っている。エンドユーザーは、BIの未来やAI時代のデータ分析について何を知っておく必要があるのだろうか。
既存のBIベンダーはそうした現状を認識しており、レポート作成や美しいグラフよりもはるかに高度な新ツールを発表している。例えば、BIベンダーのQlikは「AI Reality Tour」というグローバルイベントを開催している。この業界で講演や執筆活動を行うDez Blanchfield氏が先ごろ、同イベントに関する記事を執筆した。Qlikが生成AIを通して自然言語処理分野に進出したことで、ユーザーはデータの処理に日常的な言語を使用できるようになる、と同氏は指摘する。さらなる機能が「データ視覚化に追加され、複雑なデータを理解しやすい形式で提示できる」という。
AI、特に大規模言語モデル(LLM)の台頭により、BI/データ分析ツールの機能と規模が大幅に拡大している、というのが業界観測筋の見方だ。Deloitte Consulting マネージングディレクターのChida Sadayappan氏は「LLMによって構造化データと非構造化データの統合が可能になり、データ分析の変革が起きつつある」と語る。「データ解釈の強化、意思決定の改善、プロセスの自動化によって、データからより深い洞察を引き出し、より大きな価値を生み出すことができる」
BIツールや分析ツールがなくなることはないが、その技術基盤が変化しており、クラウド上のAIスタックへと移行しつつある。「現在のデータスタックの全てのレイヤーを見直して、最初から作り直すことになるだろう」とLTIMindtreeのエグゼクティブバイスプレジデントであるJitendra Putcha氏は語る。「例えば、抽出・変換・ロード(ETL)の方法論から、AI主導のデータ処理へ移行する。また、ユーザー分析は『SQL』や『Python』を使ったクエリーから、自然言語処理による会話型分析へと移行するだろう」
これによってコーダーの役割は変化することになる。「(彼らは)デザイナーとして、ノーコードの会話型モードを採用し、統合開発環境の代わりに『Copilot』や『Studio』でアプリケーションを構築するようになる」とAxis Communications ビジネス開発マネージャーのQuang Trinh氏は述べた。「静的なレポートから動的なデータ製品に移行して、ワークフローに直接埋め込まれたリアルタイムの実用的な洞察を提供することで、あらゆるレベルでの意思決定を促進する」
LLMに固有の自然言語処理能力は「自然言語をデータベースクエリに変換し、データを視覚化できるため、データ分析を容易にしている」とTrinh氏は語る。