レッドハット、コンテナー技術者の育成強化–パートナー支援で2000人創出へ
今回は「レッドハット、コンテナー技術者の育成強化–パートナー支援で2000人創出へ」についてご紹介します。
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レッドハットは7月21日、Kubernetesをベースとしたコンテナー運用基盤「Red Hat OpenShift」のパートナーエコシステム強化プロジェクトを発表した。コンテナーベースのシステム開発/運用のノウハウと経験を共有することで、パートナー企業各社がコンテナー関連のコンサルティングサービスを提供できるよう支援する「OpenShift Partner Empowerment Project」を始動するという。同プログラムは同日付で国内19社のパートナー企業の賛同を得ているといい、2022年度に向けて「2000人のコンテナーエンジニア創出を目指す」としている。
同社 副社長執行役員 パートナー・アライアンス営業統括本部長 兼 事業戦略室長の金古毅氏は、まず同社の基本戦略である“オープンハイブリッドクラウド”について「オンプレミス、仮想環境、プライベートクラウド、パブリッククラウド、そしてエッジにおいてもアプリケーションの可搬性と一貫性を安全かつ安定した状態を目指している」と説明。さらに「アプリケーションデリバリーのスピードを向上し、そして運用自動化の促進を通じたスケーラビリティーを担保することでお客さまのDX(デジタル変革)推進をサポートする」ための中核的な要素がOpenShift(Kubernetes)になるといい、「Red HatはOpenShiftを“Center of Universe”(宇宙の中心)と位置付けている」と説明した。
その上で同氏は、OpenShiftを取り巻くパートナーエコシステムの拡充策について、2019年12月に示した「三段階に分けて拡大していく」という方針に沿って進めており、今回の発表が最後の「第三弾」に当たるものだとした。なお、第一弾(2019年12月発表)は「Red Hat OpenShift Managed Practice Program」(日本のパートナーがOpenShiftのマネージドサービスを展開することを支援するプログラム)、第二弾(2020年12月発表)が「Red Hat Kubernetes Operator Project」(ISVなどのアプリケーション開発パートナーを対象に、Kubernetes Operatorによるアプリケーション運用の自律化促進を目指す)となる。
今回発表の第三弾は、SI(システムインテグレーター)パートナー内部における人材育成に焦点を当てた「OpenShift Partner Empowerment Project」で、具体策として「OpenShift Enablement Challenge」「OpenShift Value Proposition Workshop」「Red Hat Container Adoption Journey」の3つの取り組みが含まれる。
金古氏は「コンテナーはDX推進に必要なメインストリームの技術」だと位置付ける一方で「Red Hatでも、ビジネスの課題とコンテナーテクノロジーを結びつけて新しいものを生み出す現場力へとつなげていく、そのノウハウの習得には多くの苦労と学びを経験してきた。コンテナーの価値がビジネスの課題とどのようにひも付いて、どう課題を解決できるのかというところに落とし込めないという苦しい経験も多々あった」と振り返り、OpenShift Partner Empowerment Projectの狙いを、こうした経験を通じて同社が獲得した「ノウハウをパートナーの皆さんとも積極的に共有して技術の引き続ぎをしていくことでIT人材不足/スキル不足が懸念されている日本のDX推進に貢献できるのではないか」と語った。
OpenShift Enablement Challengeは教育支援策で、OpenShiftの運用者/管理者/開発者の育成のため、OpenShiftテクノロジーを理解する上で必要なトレーニングと「OpenShift Learning Path」を提供し、賛同パートナー各社を通じて2022年3月末までにOpenShiftエンジニア2000人を育成することを目標として掲げている。
OpenShift Value Proposition Workshopは提案ノウハウ習得支援で、従来Red Hatが顧客向けに有償で提供していたワークショップ(Red Hat Container Day)をパートナーが実施できるようにノウハウを提供する。このワークショップは、ビジネスの課題解決やDX推進に当たっての阻害要因を整理して、お客さまにとって効果的なOpenShift導入のロードマップの策定を支援するものとなる。
Container Adoption JourneyもRed Hatが顧客向けに有償で提供しているコンサルティングサービスで、前述のワークショップ(Red Hat Container Day)を受講した顧客企業を対象に、コンテナーを使ったサービスを継続的に改善し続ける運用体制やプロセスを構築していくためのものだという。Red Hatのコーチ陣が伴走して開発支援を行うことが特徴となるサービスだが、今回はこのサービスをパートナー企業経由で提供できるようにするほか、パートナー企業独自のコンテナー関連サービスを開発するための支援プログラムとして利用することもできるという。
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