グーグルがUIフレームワーク「Flutter 2」を発表–ウェブやデスクトップのアプリ開発にも対応
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
Googleがモバイルアプリケーションフレームワーク「Flutter 2」を発表した。これは、モバイル、ウェブ、デスクトップ向けアプリのユーザーインターフェース(UI)フレームワークの大幅なアップデートになる。
開発者はFlutterを使い、1つのコードベースで「iOS」「Android」「Windows 10」「macOS」「Linux」に加え、「Google Chrome」「Safari」「Microsoft Edge」を含むウェブブラウザー向けにネイティブアプリを開発できる。また、自動車、テレビ、家電製品など、スクリーンを搭載したIoTデバイスに組み込むことも可能だ。
Googleは、2018年にAndroidとiOSのモバイルアプリ向けにFlutterをリリース後、2019年には対象プラットフォームをネイティブのデスクトップアプリにまで拡大した。しかし、デスクトップ版はこれまでアルファリリースのままだった。
同社のTim Sneath氏は米ZDNetに対して、「Flutter 2では、デスクトップ版を初期リリースとして、当社の『Stable』チャネルに移し、誰もが利用できるようにした」と述べた。
しかしながら、デスクトップ版が完全に安定しているわけではない。Sneath氏によると、同社は「ベータ品質」だとみなしており、「まだかなりの開発が必要だ」と考えている。正式な安定版のリリースは数カ月後になる見通しだという。
「国際化やアクセシビリティーに関する重要な作業など、まだ完成度が低い部分に取り組んでいる。最先端技術を使用するためには、多少のことに寛容な顧客は既に利用しており、ベータ版の提供によってその数は増えるだろう。現時点で具体的なスケジュールは明らかにできないが、完成した安定板を数年ではなく、数カ月後に提供できる見通しだ」と、Sneath氏は述べている。
「Google Play」ストアは、Flutterを用いて開発されたAndroidアプリが15万本以上公開されているが、Flutter 2はそうしたアプリに無料アップグレードを約束している。つまり、開発者はコードを書き直すことなく、デスクトップとウェブ向けアプリを開発できる。Flutterを使って開発されたGoogleアプリには、「Google Pay」「Stadia」「Google Nest Hub」などがある。
またFlutter 2では、デスクトップアプリ、シングルページアプリ、ウェブ上のモバイルアプリのように動作するプログレッシブウェブアプリ(PWA)など、ウェブ向けの制作品質を重視した。モバイルウェブアプリでは、ここ数カ月間にオートフィル、アドレスバーURLとルーティングの制御、PWAマニフェストを追加した。
デスクトップブラウザーでは、インタラクティブなスクロールバーとキーボードショートカットを追加し、デスクトップモードにおけるデフォルトのコンテンツ密度を高めた。またWindows、macOS、「Chrome OS」ではアクセシビリティー向上のために、スクリーンリーダーに対応した。
Googleは、Flutterを使ったデスクトップアプリの開発で「Ubuntu」の開発元であるCanonicalとも協力している。Canonicalは今後、デスクトップおよびモバイル向けアプリの開発では、Flutterをデフォルトとして使用するという。
またMicrosoftもFlutterを同社のAndroid搭載スマートフォン「Surface Duo」に対応させるための作業で貢献しており、リリースを予定している。
Googleは、Flutterを用いた「Windows 10」アプリ開発については何も発表しなかった。しかし、Sneath氏は2020年に、Flutterの対象プラットフォームをWindows 10に拡大するため、Microsoftとの緊密な協業を歓迎すると述べている。