クラウドの次に来るのはエッジ–HashiCorp CEOと日本法人トップに聞く
今回は「クラウドの次に来るのはエッジ–HashiCorp CEOと日本法人トップに聞く」についてご紹介します。
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
クラウドインフラ管理などのオープンソースソフトウェア(OSS)群を開発するHashiCorpは米国時間10月5〜6日、同社カンファレンス「HashiConf Global 2022」をロサンゼルスで開催した。
同カンファレンス開催中、最高経営責任者(CEO)のDave McJannet氏とHashiCorp Japanでカントリーマネージャーを務める花尾和成氏は、日本のプレス向けに会見を開き質問に答えた。ここにその一部を編集して掲載する。
–今回のカンファレンスでは「HCP Boundary」に関する発表が初日にあった。サイバーセキュリティの改善は大きな課題。米行政管理予算局(OMB)は1月、米政府のゼロトラストアーキテクチャー(ZTA)戦略に関する覚書を発表している。HashiCorpとしても、ゼロトラストへの取り組みは戦略的に最重要という位置付けか。
花尾氏:そうだ。
McJannet氏:私たちはクラウド運用モデルに注力しているが、そこではゼロトラストモデルがデフォルト。クラウドでは、実行する全てがデータセンターの外にあることを前提にしているからだ。つまり、クラウドは常にゼロトラストモデルとなる。
米政府がこの発表をした時に求められたことは、全てのマシンが全てのマシンとやり取り前に認証し、全ての人が全てのマシンとやり取りする前に認証し、全ての接続を暗号化し、そして、インフラを定期的に作成し破壊することだった。これらは「Terraform」「Consul」「Boundary」「Vault」でできることと一致する。HashiCorp製品を使うことで、これら4つの実行が可能だ。韓国にあるクラウドネイティブの企業は、これら製品を使って既に実行している。要点としては、運用アプローチがあってテクノロジーがあるということになる。
–5年後、10年後のHashiCorpをどのようにイメージしているか。また、オープンソースのクラウド企業として成功するため、どのようなことに挑戦しているのか。
McJannet氏:HashiCorpの役割は、VMwareが前世代に果たした役割と同じだと考えている。VMwareがしたことは、異なる種類のハードウェアに共通の運用モデルを提供したことだ。そして、市場はそのような役割を果たす企業を必要としていた。HashiCorpはクラウドエステートに共通の運用モデルを提供し、市場はその役割を担う企業を必要としている。それがHashiCorpの使命であり、目指している場所だ。
HashiCorpは現在、そのような役割をFortune 500のうち185社に対して担っている。目標は、Global 2000の全企業2000社に対してこの役割を果たすことだ。それらの企業は、そのような役割を果たしてくれる企業を求めている。また、インフラ企業として、オープンソースである必要があると考えている。オープンソースでないインフラ企業が新たに誕生することはあり得ないと思う。そのことは、HashiCorpにとって変わらぬ原則だ。そして、今日、HashiCorpが世の中に示しているのは、オープンソースで非常に大きなビジネスを構築することができるということだ。
–その目標を達成するための最優先事項は何か。
McJannet氏:2つある。まず、クラウドを導入している世界の大企業2000社全てと関わり、HashiCorpを理解してもらうこと。そして、もう一つは、HashiCorpに期待を寄せる企業から信頼を勝ち取ることだ。HashiCorpは、そのことを実現するため、新製品を提供してそのような企業をサポートしている。なぜなら、HashiCorpは、結局のところインフラストラクチャーベンダーであり、HashiCorp製品は、地上で最も重要なアプリケーションのランタイムパスの中にある。その役割を果たすための信頼を得ることが、HashiCorpにとって実は一番の優先事項だ。
–今後についてということでは、プラットフォームを見た場合、メインフレーム、クライアント・サーバー、オンプレミスサーバー、クラウドと変化しているが、次に来るものは何か。
McJannet氏:エッジだ。確かにプラットフォームはメインフレーム、クライアント・サーバーからクラウドへと移行してきており、その次に来るのがエッジだ。実は、クラウドとエッジは非常によく似ている。なぜなら、データセンターの外で起こっているからだ。
顧客の多くがエッジを既に多用していることに驚かされる。エッジには、小売業や店舗で使われるエッジとデバイスに接続するエッジの2種類あるが、共に顧客ベースで目にすることができる。このことは、エッジが次のプラットフォームとして採用されつつあることを物語っているが、エッジは代替するものではなく、追加的なものだ。