アリババ、クラウド部門を分離へ
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中国の大手テクノロジー企業である阿里巴巴集団(アリババグループ)は、組織改革を加速させる中、クラウド事業部門の切り離しと、2部門の新規株式公開(IPO)という計画を明らかにした。
同社は現地時間5月18日、民間融資を通じて外部の投資家を呼び込み、1年以内にクラウド部門を分離すると発表した。この新会社は独立した株式公開会社になるという。
また同社は、スーパーマーケットを展開しているFreshippo(Hemaという名称でも知られている)と、ロジスティクス部門であるCainiaoを、通常の条件と認可を前提にIPOする計画も明らかにした。
アリババは今後12〜18カ月でCainiaoのIPOを目指す一方、FreshippoのIPOも6〜12カ月後を目標にしている。
こうした動きは、3月に発表していた大規模な組織再編の一環であり、同社はこれによってアジリティーを高め、市場の変化により迅速に対応していくことを目指している。
アリババの会長兼最高経営責任者(CEO)Daniel Zhang氏は、不確実な経済状況における「挑戦と機会」の中でこうした取り組みが必要になってくるとしている。
Zhang氏は決算発表後に開催された投資家との電話会議において、クラウドと消費、グローバリゼーションという、主要3分野における同社の戦略を推進し、市場機会を生かすための計画の概要を説明した。
同氏は、クラウド分野において特に、デジタル化、そして人工知能(AI)の登場によって、日常のあらゆる場面でAIアプリケーションをサポートするよう、基盤となるモデルが拡大している結果、コンピューティング能力に対する要求が高まってきたと述べた。
Zhang氏は、クラウド部門のビジネスモデルと、顧客プロフィール、開発が、アリババのエコシステム内における他のコンシューマービジネス分野とは根本的に異なっていると指摘した。その上で同氏は、クラウド部門のスピンオフにより、同部門に求められているビジネス戦略の「さらなる先鋭化」と運用の最適化に向けた完全な独立が実現すると述べた。
アリババの2023会計年度第4四半期決算(3月31日締め)では、クラウド部門の売上高が前年同期比2%の減少となったが、Zhang氏はこれが収益構造の調整、および市場環境と顧客プロフィールの変化という外部要因によるものだったとしている。その例として、ある大口顧客が国際的なビジネス展開のために同社のクラウドサービスからオンプレミスのインフラへと移行したケースが挙げられた。この顧客がアリババにもたらしている売上高は前年同期比で41%減少したという。