スマホが自動車のキーになるAndroid 12の新機能をグーグルが発表

今回は「スマホが自動車のキーになるAndroid 12の新機能をグーグルが発表」についてご紹介します。

関連ワード (Android、BMW、Google、Google I/O 2021、自動車、電気自動車等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、TechCrunch様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


Google(グーグル)は、BMWをはじめとする自動車メーカーと協力して、Androidスマートフォンから車両の施錠 / 解錠やエンジン始動ができるデジタルキーを開発中であることを、米国時間5月18日に行われた開発者向けイベント「Google I/O」で発表した。

このデジタルカーキーは、同社のモバイルOSの最新版であるAndroid 12で採用される数多くの新機能の1つ。Android & Google Playのプロダクト・マネジメント担当バイス・プレジデントであるSameer Samat(サミア・サマット)氏によると、デジタルカーキーは2021年後半に一部のPixel(ピクセル)およびSamsung Galaxy(サムスン・ギャラクシー)のスマートフォンで利用可能になるという。対応する車両は、BMWを含む2022年モデルの新型車と一部の2021年モデルとのことだが、具体的な車名やBMW以外のメーカー名はまだ明らかにされていない(発表で例として提示された画像は、BMWが2021年内に発売する新型電気自動車「i4」だった)。

このデジタルカーキーには、UWB(Ultra Wideband、超広帯域無線)と呼ばれる無線通信技術が使われている。これは、センサーが信号の方向を知ることができる、小さなレーダーのようなものだ。この技術によって携帯電話に内蔵されたアンテナは、UWB送信機を備えた物体の位置を特定し、識別することができる。UWB技術を利用するため、Androidユーザーは携帯電話を取り出さなくても、車両の施錠 / 解錠が可能になる。

画像クレジット:Google

NFC(近距離無線通信)技術を搭載した車種を所有するユーザーは、携帯電話をクルマのドアにかざすことでロックを解除できるようになる。通常はクルマのドアハンドル内に搭載されているNFCリーダーが、ユーザーの携帯電話と通信を行う仕組みだ。Googleによると、ユーザーはクルマの貸し借りをする場合にも、友人や家族とクルマのキーを安全かつ遠隔で共有することが可能になるとのこと。

Googleが今回の発表を行う前に、Apple(アップル)も2020年、iPhoneやApple Watchに同様のデジタルカーキー機能を追加すると発表している。iOS 14で導入されたこの機能は、NFCを介して動作する仕組みで、2021年モデルのBMW 5シリーズで初めて利用可能になった。

関連記事:アップルはiPhoneをクルマの鍵に変える、WWDC20で発表

最近では、独自にアプリを開発する自動車メーカーも増えており、それらを使えばユーザーはスマートフォンからリモートロック / アンロックなど、特定の機能を制御することもできるようになっている。GoogleやAppleの側から見た大きなメリットは、モバイルOSにデジタルキー機能を統合することで、ユーザーがアプリをダウンロードする必要がないということだ。

その意図は、面倒な体験を減らすことにある。そしてさらに、これをシームレスにしようという動きもある。Apple、Google、Samsung、そしてBMW、GM、Honda(ホンダ)、Hyundai(ヒュンダイ)、Volkswagen(フォルクスワーゲン)といった自動車メーカーが加盟するCar Connectivity Consortium(カー・コネクティビティ・コンソーシアム)は、メーカーの枠を超えて容易にスマートフォンを自動車のキーとして使用できるデジタルキーの標準規格を策定するために、数年を費やしてきた。

デジタルカーキーの開発は、スマートフォンが消費者の生活の中心になることを目指すGoogleの活動の一環だ。そしてその目標は、自動車抜きには達成できない。

「最近では、携帯電話を購入する際には、電話機のみならず、テレビ、ノートパソコン、自動車、スマートウォッチやフィットネストラッカーなどのウェアラブルなど、連携が求められる機器のエコシステム全体を購入することになります」と、Googleのエンジニアリング担当バイス・プレジデントを務めるErik Kay(エリック・ケイ)氏は、今回のイベントにおける発表にともなうブログ記事の中で書いている。「北米では現在、1人あたり平均約8台のコネクテッド・デバイスを所有しており、2022年にはこれが13台に増えると予測されています」。

Googleは、ユーザーがワンタップするだけでデバイスをBluetoothを介してペアリングできる「Fast Pair(ファストペア)」機能を、自動車を含む他の製品にも拡大すると言っている。

ケイ氏によると、現在までに消費者は3600万回を超える「Fast Pair」を利用して、Sony(ソニー)、Microsoft(マイクロソフト)、JBL、Philips(フィリップス)、Google、その他多くの人気ブランドを含むBluetooth機器とAndroidスマートフォンを接続しているという。

このFast Pair機能は、今後数カ月のうちに、Beats(ビーツ)のヘッドホンやBMW、Ford(フォード)の自動車など、さらに多くのデバイスに導入される予定だと、サマット氏はGoogle I/Oで語った。

関連記事
・グーグルがAndroid 12の最新情報を公開、近年最大級のデザインアップデート、新ベータ版配信開始
・Chromeに漏洩パスワードを自動的に修正する新機能、グーグルのAIテクノロジー「Duplex」を利用
・事前トレーニングなしでより自然に会話できる新AI言語モデル「LaMDA」をグーグルが発表
・今、Androidは30億台のアクティブデバイスに搭載されている
・グーグルが「折りたたみ式」にフォーカスしたAndroidディベロッパー向けアップデートを追加
・グーグルが次世代カスタムAIチップ「TPUv4」を発表、1ポッドでエクサフロップ以上の処理能力
・グーグルの「Wear OS」とサムスンの「Tizen」が統合、アップルのwatchOSに対抗
・Googleがオンラインショッピング拡大でShopifyと提携
・グーグルがクロスプラットフォームUIツールキット「Flutter」をアップデート
・グーグルの「Workspace」アプリが相互連携を強化し12の新機能を追加、囲い込みがさらに進む
・Android TV OSの月間アクティブデバイスが8000万台に到達、新機能も発表
・グーグルがWear OSの大規模アップデートを発表、Fitbitの「健康」関連機能も導入

画像クレジット:Google/screenshot


【原文】

Google is working with BMW and other automakers to develop a digital key that will let car owners lock, unlock and start a vehicle from their Android smartphone, the company announced Tuesday during its 2021 Google I/O developer event.

The digital key is one of many new features coming to Android 12, the latest version of the company’s mobile operating system. The digital car keys will become available on select Pixel and Samsung Galaxy phones later this year, according to Sameer Samat, VP of PM for Android & Google Play. The digital car key will be available in yet unnamed 2022 vehicle models, including ones made by BMW, and some 2021 models.

The digital key uses so-called Ultra Wideband (UWB) technology, a form of radio transmission for which the sensor can tell the direction of the signal, sort of like a tiny radar. This lets the antenna in your phone locate and identify objects equipped with UWB transmitters. By using UWB technology, the Android user will be able to lock and unlock their vehicle without taking their phone out. 

Image Credits: Google

Consumers who own car models that have enabled NFC technology, or near-field communication, will be able unlock their car by tapping their phone against the door. The phone communicates with an NFC reader in the user’s car, which is typically located within the door handle. Google said users will also be able to securely and remotely share their car key with friends and family if they need to borrow the car.

The announcement follows a similar move made by Apple last year that allowed users to add a digital car key to their iPhone or Apple Watch. That feature, which was part of iOS 14, works over NFC and first became available in the 2021 BMW 5 Series.

A growing number of automakers have developed their own apps, which can also control certain functions such as remote locking and unlocking. The big benefit, in Google’s and likely Apple’s view, is that by offering the digital car key in its mobile operating system, users don’t have to download an app.

The intent is for a less clunky experience. And there’s a movement to make it even more seamless. The Car Connectivity Consortium, which Apple, Google and Samsung along with automakers BMW, GM, Honda, Hyundai and Volkswagen are members of, have spent the past several years creating an underlying agreement to make it easier to work in a seamless way and to standardize a digital key solution.

The development of the digital car key is just part of Google’s push to ensure the smartphone is the centerpiece of consumers’ lives. And it’s a goal that can’t be achieved without including vehicles.

“When purchasing a phone these days, we’re buying not only a phone, but also an entire ecosystem of devices that are all expected to work together — such as TVs, laptops, cars and wearables like smartwatches or fitness trackers,” Google’s VP of engineering Erik Kay wrote in a blog post accompanying the announcement during the event. “In North America, the average person now has around eight connected devices, and by 2022, this is predicted to grow to 13 connected devices.”

Google said it is expanding its “fast pair” feature, which lets users pair their devices via Bluetooth with a single tap, to other products, including vehicles. To date, consumers have used “fast pair” more than 36 million times to connect their Android phones with Bluetooth accessories, including Sony, Microsoft, JBL, Philips, Google and many other popular brands, according to Kay.

The feature will be rolled out to more devices in the coming months, including Beats headphones as well as cars from BMW and Ford, Samat said during Google I/O.

(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

COMMENTS


Recommended

TITLE
CATEGORY
DATE
モバイルバッテリーが月額1100円で借り放題 シェアリングサービスのChargeSPOTが実験
企業・業界動向
2021-07-03 16:14
企業の生成AI活用で「大規模」な言語モデルは不要–インフォマティカのCEO
IT関連
2023-10-31 22:31
アマゾン、生成AIのAnthropicと戦略的提携–最大5900億円を投資へ
IT関連
2023-09-27 07:53
法人向けオンライン飲み会フードボックスのノンピがクラフトビール「よなよなエール」とのコラボ新プラン発表
フードテック
2021-07-27 13:25
Google、フルスタックのWebアプリホスティング環境「Firebase App Hosting」パブリックプレビュー開始。AngularとNext.jsをサポート
Angular
2024-05-17 14:32
AI時代の到来で変わるCEOの意思決定–日本IBMが「CEOスタディ2023」日本語版を発表
IT関連
2023-08-11 18:11
LiDAR開発のQuanergy Systemsが1550億円の評価額でSPAC上場へ
ハードウェア
2021-06-24 14:47
「Office」のVBAマクロをデフォルトでブロックする機能が復活
IT関連
2022-07-28 07:10
クラウドサービス利用で考えること–ビジネスと融合したITとスピードの視点
IT関連
2021-05-28 03:31
職業としてのセキュリティ–人材バブルの最大要因とそれを象徴する事件
IT関連
2023-08-05 16:24
IoTシステム構築・デバイス開発・通信回線をまとめたIoTプラットフォーム「さくらのモノプラットフォーム」提供開始
IT関連
2022-03-25 19:59
夷隅小学校、教職員の働き方改革の一環として「LINE WORKS」を導入
IT関連
2023-08-05 06:51
レシピから食事プランを作成、食材を自動的に買い物かごに入れてくれるLollipop AIのオンライン食料品マーケットプレイス
ネットサービス
2021-07-01 12:54
「iPhone」の充電は就寝時が最適か–自分にとって良いタイミングを考えてみた
IT関連
2022-03-06 22:24