すべてがデジタルに向かう今、CTOの重要性高まる–果たすべき役割
今回は「すべてがデジタルに向かう今、CTOの重要性高まる–果たすべき役割」についてご紹介します。
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業界コンサルタントのKeith Townsend氏によれば、12月初旬に発生したAmazon Web Services(AWS)の大規模障害からは、最高技術責任者(CTO)の新たな役割に関する重要な教訓を学ぶことができるという。Townsend氏は、「システムの設計が複雑になりすぎてしまうのを防ぐために外部から得られる緩和策はあるだろうか。可用性を高めるためにシステムの設計が複雑になるほど、新しい機能を実装するのに時間がかかるようになる。必要なのは、技術スタッフや事業部門とこうした複雑な議論を交わせる人材だ。その両方と十分な会話を交わすためには、その人物が評判と権威を備えている必要がある。それがCTOとエンジニアの違いだ」と述べている。
CTOは、以前から最高情報責任者(CIO)とも範囲が重なる幅広い役割を担ってきたが、今やデジタル企業の成長と実現可能性を高めるための主要な存在として、その重要性が増している。IBM Institute for Business Valueが企業のCTOやCIO 5000人を対象に最近実施した調査のレポートには、「CTOは企業においてもっとも戦略的に重要な役職の1つになった」と書かれている。IBMフェローのRashik Parmar氏をはじめとする同レポートの著者らは、このことに驚く人もいるかもしれないと述べた後、「しかしこの位置づけは、長い時間をかけてできてきたものだ。CTOは、ビジネスチャンスに対するポストデジタル時代の新たなアプローチによって生まれつつあるオンライン企業のモデルをリードする役割を負っている」と付け加えている。
レポートでは、3つの特徴的なCTOの任務を明示している。外部志向的な性格を持ち、戦略策定時に組織の外部からの洞察や着想を取り込む「テクノロジースチュワード」、内部志向で、事業部門の影響を受け、内側から将来を見越した戦略を作成する「オペレーショナルエキスパート」、CTOとCIO両方の役割に対応しているように見受けられる「ハイブリッドヒーロー」だ。テクノロジースチュワードは自らの役割について、経営幹部および取締役会に対する助言(88%)、ソフトウェア開発ライフサイクル(72%)、サイバーセキュリティ(69%)、データプライバシー(66%)、エコシステム戦略(60%)だと考えている。オペレーショナルエキスパートは、経営幹部および取締役会に対する助言(78%)、イノベーション戦略(61%)、事業の継続性(59%)、サイバーセキュリティ(56%)と認識しており、ハイブリッドヒーローはソフトウェア開発ライフサイクル(65%)、サイバーセキュリティ(60%)、イノベーション戦略(58%)、職務環境整備(55%)、経営幹部および取締役会に対する助言(51%)だと考えている。
また、回答者のうち、CTOの79%は、組織のデータ戦略に関する責任者を務めていると回答しており、70%は組織内でデータガバナンスの責任者やデータスチュワードの役割も期待されていると述べている。