AWS、公共向けビジネスに参入するスタートアップ企業支援策を開始

今回は「AWS、公共向けビジネスに参入するスタートアップ企業支援策を開始」についてご紹介します。

関連ワード (経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 アマゾン ウェブ サービス (AWS) ジャパンは2月17日、公共向けビジネスに参入を希望するスタートアップ企業を支援する「AWS Startup RAMP」プログラムを発表した。3月18日にオンライン説明会を開き、5月中旬に開始するとしている。

 AWS Startup RAMPは、AWSとコード・フォー・ジャパン、イノベーション道場、アーバン・イノベーション・ジャパンと連携して実施するもの。行政サービス、スマートシティー、シビックテック(市民サービス領域でのIT活用)、ヘルスケア、サステナビリティー、宇宙の6分野でビジネスを希望するスタートアップ企業を支援する。

 スタートアップ企業の条件は、創業10年以内、年商1000万ドル(約11億5500万円)以下で日本国内に本拠があり、公共分野の課題に対する革新的なソリューションや技術を提案できることとなっている。参加を希望する企業は、AWS指定の申し込みフォームに入力して申請を行う。AWSのプロジェクト事務局が審査から10日以内に審査と結果を通知するという。

 参加が承認された企業には、最大10万ドル(約1155万円)相当のAWSのサービス利用クレジット、技術支援やワークショップを通じたトレーニング、エンジニアやビジネスパーソンとのコミュニティー活動、投資家との交流機会、公共ビジネスでの商慣習などの勉強会、マーケティングや広報活動のサポートが提供される。

 プログラムを発表した執行役員 パブリックセクター統括本部長の宇佐見潮氏は、コロナ禍などを背景に、環境変化に迅速かつ柔軟に対応できる公共サービスのデジタルトランスフォーメーション(DX)が求められていると説明。公共DXでは、変化に迅速に対応できるシステム開発と継続的改善、多様なユーザーに対応したユーザーインターフェースと体験(UI/UX)、ビッグデータ活用など新しい観点が必要とされ、社会貢献意識の高さや失敗を恐れないこと、革新への挑戦意識といった点でスタートアップ企業が適していると述べた。

 だが、スタートアップ企業が公共向けビジネスに参入する上では、公共特有の各種要件への対応が難しいことや、調達要件や慣例が分かりにくいこと、また公共分野でビジネスを行う企業同士などのコミュニティーがなかったり、技術やビジネスのノウハウを共有・活用する機会が乏しかったりすることが課題だという。AWSは、今回のプログラムでこれらの課題に直面するスタートアップ企業を支援していく。

 プログラム発表の場には、ローンチカスタマーとして承認を受けたグラファーの石井大地氏(創業者 最高経営責任者)が登壇。同社は、AWSを利用して行政手続きのオンライン申請サービス「Grafferスマート申請」や相談支援、窓口予約などのサービスを手がけ、2月時点で国内100自治体(合計人口規模は3000万人以上)にサービスを提供しているという。

 石井氏は、公共DXとして提供するサービスやそこでのビジネスは、さまざまな組織が共同で利用する形態であることが多く、スタートアップ企業としてもクラウドシステムを利用したサービスビジネスとして展開しやすいとする。ただし、AWSの宇佐見氏が指摘する各種課題への対応の負担が重く、大きな投資が必要になると解説した。

 同氏は、「周囲を見ると、こうした課題などでつまずくスタートアップ企業がとても多い。今回のプログラムで支援をいただけるだけでなく、公共DXを推進するため提言や、概念実証を含めた行政機関と新しい取り組みのチャンスの拡大、公共領域でクラウドを活用していく知見やベストプラクティスの共有など期待は大きい」とコメントしている。

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