5GとAIの組み合わせで広がるイノベーションの裾野
今回は「5GとAIの組み合わせで広がるイノベーションの裾野」についてご紹介します。
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5Gを人工知能(AI)や拡張現実(AR)を組み合わせれば、技術とビジネスの両面で、イノベーションのための強力な相乗効果を生み出すことができる。業界の専門家は、未来のオフィス、工場、家庭のシステムやアーキテクチャーを設計する上では、5Gによって得られるAIの力、あるいはAIによって強化される5Gの力を無視することはできないと口々に指摘している。
5GがAIに与える影響について、Qualcommの技術担当シニアディレクターであるTaesang Yoo氏は、最近投稿したブログ記事で「AIが潜在能力を十分に発揮できるように規模をスケーリングするのは容易なことではない。それを効率的に行うには、AIの処理をクラウドとエッジデバイスの間でインテリジェントに分散させることが必要不可欠だ」と述べている。「そのため、私たちは、AIの未来はハイブリッドなものになると考えている。より高度な体験を提供し、リソースを効率的に利用するために、そうすることが適切な場所やタイミングでは、AIの計算は分割されて実行されることになる」
また、AIが5Gに影響を与える部分もある。Moor Insights & Strategyのバイスプレジデント兼プリンシパルアナリストWill Townsend氏は、AI技術は「5Gのユースケースを飛躍的に進化させ、超低遅延、高速スループットの通信を実現し、5Gが持っている大量のデバイスを扱う能力を高める」役割を果たすと述べている。「AIは、セキュリティ体制を強化し、ビジネスの成果を改善し、ネットワークの耐障害性を向上させる可能性を秘めている。またエッジコンピューティングは、移動している物体によって生成されたデータに対して、リアルタイムな意思決定に利用するためのアナリティクスを、データが生成された場所で提供することができる」
つまり、5GとAIは共生関係にあると言えるだろう。いずれにせよこれは、新たに興味深いユースケースが生まれることを意味している。Infosys ConsultingのグローバルマネージングパートナーであるOlu Adegoke氏は、AIが普及する一方で、接続のコストは低下し続けており、「5Gが持つ分散アーキテクチャー、マルチアクセスエッジコンピューティング、プライベートネットワークの機能は、超信頼性・低遅延のユースケースを可能にしている」と述べている。
AIと5Gの組み合わせがもたらすのは、単なる技術的な進歩を超えたものだ。Amdocsのグループプレジデントを務めるAnthony Goonetilleke氏は、5GとAIの融合は単なる速度の問題にとどまらず、「私たちはモバイルブロードバンドが次世代の応用例の需要に応えるところを初めて目にすることになるだろう」と述べている。「エクステンデッドリアリティ(XR)やAR、生成AIといった技術がこの接続基盤を活用できれば、変革をもたらす体験につながるはずだ。例えば、AIが5Gの接続性を利用できるようになることで、コネクテッドカーがまったく違ったものになるように、これらの技術の融合は、新たな次元の可能性を生み出す」