三井不動産、商業施設運営の大規模基幹システムをクラウド化
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三井不動産は、全国に展開する「三井アウトレットパーク」「三井ショッピングパークららぽーと」などの商業施設の運営管理を担う基幹システムおよび災害復旧(DR)環境をOracleの「Exadata Cloud Service」を含む「Oracle Cloud Infrastructure」(OCI)に移行し、稼働を開始した。日本オラクルが発表した。
OCIへの移行による業務への影響は一切なく、スムーズなクラウド移行を実現しているという。コスト面もオンプレミスで構築した場合と比較し、5年間の総所有コスト(TCO)で約30%の削減効果を見込んでいる。
三井不動産の商業施設の運営管理システム基盤は、全国に展開する商業施設の出店者契約や工事、施設管理などを担っており、商業施設本部や出店者を含む3300人の業務ユーザーがいる。
同社は、このシステム基盤の更改に当たりユーザーのシステム利用を維持・向上するために既存環境と同等の性能を維持すること、DR環境の移行のために国内2拠点での運用が可能であること、できるだけ自社で資産を保有することなく基幹システムを運用する体制を整えられること――などを要件に検討を進め、今回の移行を実施した。
移行後は、バッチ処理に要する時間が以前の335分から162分に半減。また、Exadata Cloud Serviceによりデータベースのリストアーが迅速になったことで、DR環境との切り替えに要する時間が240分から175分に1時間ほど短縮している。
またクラウド移行により、5年ごとのハードウェア保守契約に期限切れに伴う更改の負担もなくなった。「Oracle Management Cloud」の「Oracle Log Analytics Cloud Service」「Oracle Infrastructure Monitoring Cloud Service」を利用し、OCIコンソールからシステムの稼働状況を把握できるようになった。トラブル発生時には、それが疑われる部分を特定するためにベンダーに問い合わせなくとも自社で確認できるようになった。
同社は、運営管理システム基盤の更改を検討し始めた段階では、これまで利用していた他社クラウドサービスへの「Oracle Database」の移行を検討していた。しかし、他社クラウドサービスでは、移行対象の基幹システムで利用していた「Oracle Real Applications Clusters」(RAC)と同等以上の性能、可用性を担保するために大規模な改修が必要で、時間もコストもかかることが見込まれ、大きな課題だったという。
その後に検討を進めていく中で、OCIが大阪リージョンを開設し、東京との国内2拠点での運用要件を満たしたことから、OCIの移行も検討。オンプレミス環境と同様のOracle RAC構成ができることから、OCIに絞って移行検討が進めてきたという。