市民開発者の役割が拡大–そのメリット、企業アプリケーションのあり方とは
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適切なスキルを有する開発者を見つけるのは至難の業だ。そのことは誰もが知っているはずだ。そして企業で働く開発者らは、かつてないほどの忙しさに見舞われている。今日の企業で働く開発者たちは、重要なアプリケーションの開発や保守に従事するだけでなく、業務部門のコンサルティングでより大きな役割を担う必要に迫られている。
AccentureのグローバルIT担当マネージングディレクターであるKaren Odegaard氏によると、これこそが市民開発者による開発作業に移行していく必要がある理由だという。同氏は最近のポッドキャストで、「今日のIT部門は、応じきれないほど多くの需要を抱えている」と述べた上で、「われわれは、市民開発者が(アプリの構築能力を)手にした場合、中央集権的なITソリューションの調達に比べて10倍迅速にソリューションを実現できるようになるという事例を目にしている。つまり、こうしたアプリを開発する人々とIT部門の双方に大きなメリットがある」と述べている。
Odegaard氏は、IT部門の手を借りないことで重要なメリットが生み出されるとし、「問題に最も近いところにいる人々が自ら問題を解決するため、IT部門による翻訳作業が不必要になる。また、IT部門が取り扱わないような問題に対するソリューションが生み出される可能性も高くなる。さらに、IT部門としてのわれわれの可視性が高まる。これによりわれわれは、企業の各所で働く人々の抱える問題をより適切なかたちで解決するための知識を入手できるようになる」と述べている。
同氏は「(IT部門にとって)これはアプリケーションの一般的な開発方法に変革を引き起こすものだ」と続け、「このため、コンプライアンスや、テクノロジーのガバナンスに対する考え方を、現在最も注力しているアプリケーションレベルではなく、プラットフォームレベルにまでシフトする必要がある」と述べている。
さらに、業務担当者の開発したアプリがシステムやネットワーク上で乱立し、無秩序化するのを防ぐために、これらアプリを企業全体で再利用/再目的化する方法が最終的に必要になるとし、「ユーザーの生み出したイノベーションを取り入れて一元管理する能力が今や必要となっている」と述べた上で、「IT組織にとってこれがどれだけ大変なことか分かると思うが、その方法と、規模を拡大していく方法を真剣に考えなければならない」と続けた。