日立ら4社、デジタルな仕組みを用いた環境債の発行で協業
今回は「日立ら4社、デジタルな仕組みを用いた環境債の発行で協業」についてご紹介します。
関連ワード (経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
日本取引所グループ、日立製作所(日立)、野村證券、BOOSTRYは、公募ホールセール向けのグリーン・デジタル・トラック・ボンドの発行に向けて協業を開始した。この取り組みには、BOOSTRYが提供するブロックチェーン基盤を活用した社債型セキュリティ・トークン(デジタル債)のスキーム(仕組み)が活用されている。
グリーン・デジタル・トラック・ボンドとは、グリーン投資にかかるデータの透明性やデータ収集にかかる作業の煩雑性に対し、ブロックチェーンなどのデジタル技術を活用して透明性の向上とデータ収集の効率化を目指す債券。従来のグリーンボンドにおいて作業の繁雑性は、発行会社・投資家の双方が課題と認識しているという。
日本取引所グループはグリーン・デジタル・トラック・ボンドで調達した資金を、100%子会社のJPX総研への貸し付けを通じて、バイオマス/太陽光発電の設備に充てる予定だ。
このデジタル債は、日本取引所グループが発行会社となる公募STO(セキュリティトークンオファリング)。STOは、発行会社が従来の株式や社債に代わり、ブロックチェーンなどの電子的手段を用いて発行するトークンに株式や社債を表示する「セキュリティトークン」により資金を調達するスキーム。
同スキームは2020年5月1日の金融商品取引法改正と関連する政省令の改正施行により、「電子記録移転有価証券表示権利等」として規定され、法令に準拠した取扱いが可能となった。同デジタル債は、国内初のホールセール向けの発行になる。
同デジタル債では、従来の証券保管振替機構による管理に代わり、BOOSTRYが主導するコンソーシアム型ブロックチェーンネットワーク「ibet for Fin」を用いて発行・管理し、発行から期中管理、償還までの業務プロセスを電子的方法により完結させる。ibet for Finにまつわるシステムで社債原簿を管理するとともに、従来型の社債では困難だった発行会社による社債権者の継続的な把握などを可能にする。
日本取引所グループは、同デジタル債によって調達した資金使途の透明性を高めるため、日立のデジタル技術を活用して、資金充当した発電設備の発電量を自動的に計測し、CO2削減量に換算する仕組みを構築する。
デジタル技術を活用することで、投資家がいつでも外部からモニタリングできる仕組みを構築し、年次のレポーティングだけではない高い透明性を目指す。BOOSTRYとデータを連携し、ibet for Fin上に発電量とCO2の削減量を記録することで、データの透明性・適時性を高めることも可能だという。