第2回:こうして私たちはだまされる? メール詐欺の主な手口

今回は「第2回:こうして私たちはだまされる? メール詐欺の主な手口」についてご紹介します。

関連ワード (メール詐欺を解剖する、特集・解説等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 身元を偽ってユーザーをだますメール詐欺・攻撃は、手口がシンプルながら攻撃者にとって効果的な手段として長年にわたって悪用され続けてきた。では、なぜ私たちは注意していてもだまされてしまうのだろうか。今回は攻撃者が身元を偽る主な手段を解説する。

 サイバー攻撃は増加の一途をたどっており、前回の記事で取り上げたさまざまな脅威の中でも、大きな被害をもたらしているのが「EAC」(Email Account Compromise:電子メールアカウント侵害)や「BEC」(Business Email Compromise:ビジネスメール詐欺)といったメール詐欺・攻撃だ。実は、これらの攻撃が世の中で大きく騒がれているランサムウェア以上に多額の被害をもたらしている。

 だがメール詐欺・攻撃は、ゼロデイ脆弱性(一般に知られていないソフトウェアなどのセキュリティ上の問題)の悪用といった技術的に高度な手段を弄しているわけではない。むしろ、手口自体は非常に単純だと言えるだろう。

 例えば、数万ドル規模の金銭を詐取したと言われる攻撃者グループ「TA2519」が展開したBECでは、受け取った人物の興味を引きそうな話題を盛り込んだメールを送りつけてマルウェアを仕込み、そのマルウェアを用いてIDとパスワードといった、ユーザーの認証情報を盗み取った。その後は、盗んだ認証情報を用いて本人になりすまし、頻繁にやりとりしている同僚や上司、取引先に偽のメールを送り、金銭を支払うよう仕向けていったという。

 既に大半の認証システムやメールシステムでは、セキュリティ対策として数回続けて認証に失敗すると不正アクセスと見なし、アカウントをロックする仕組みを備えている。このため、攻撃者が総当たり攻撃でアカウントの侵害を試みても、成功率は26%と、そこまで高くはない。これに対し、フィッシングなどでアカウント情報の詐取を試みた場合、成功率は65%に高まるという。

 では、なぜメール詐欺・攻撃の成功率は高いのだろうか。ユーザーをだまし、本物のメッセージらしく見せかける幾つかのなりすまし手法が使われていることが大きな理由と考えられる。主な偽装手法を説明しよう。

COMMENTS


Recommended

TITLE
CATEGORY
DATE
日立製作所、ミッションクリティカル向けクラウドストレージサービスを提供
IT関連
2023-06-09 01:48
【コラム】暗号資産の処理量に応じた課金モデルは再考の時期にきている
IT関連
2022-02-01 14:30
カプコン、ゲーム開発での特権アクセス管理機能を強化
IT関連
2023-01-25 11:28
「Bill Oneビジネスカード」、本人認証サービス「3Dセキュア」に対応
IT関連
2023-11-11 00:44
新春メッセージで先人の「経営の心得」を強調したNEC社長の覚悟とは
IT関連
2023-01-14 06:33
中小企業のマーケティングとセールスを自動化するActiveCampaignは評価額3200億円で260億円調達
ネットサービス
2021-04-23 00:09
AIは開発者とビジネスユーザーのコラボレーションを加速する
IT関連
2024-02-15 13:46
エーピーコミュニケーションズ、開発者のノンコア業務効率化を支援する新サービス
IT関連
2024-03-08 01:50
人気コンパクトカー「Fiat 500」に「Hey Google」バッジ付き限定コラボモデル
アプリ・Web
2021-04-02 21:35
AI活用やサービス事業者との関係強化を推進–メールセキュリティのVade Secure
IT関連
2021-04-28 00:43
第2回:改めて考える顧客体験とその管理
IT関連
2021-02-10 07:31
人気のポケモンカード、ポケセン店頭販売止めネット抽選に 28日発売の4商品
くらテク
2021-05-13 11:54
米国務省、サイバー空間・デジタル政策局を発足
IT関連
2022-04-06 12:40
FIREを実現する4つの道筋、マネーのライフプランの作り方(その2)
IT関連
2021-07-07 11:38