Windows向け緊急パッチ、「Microsoft 365」などにサインインできない問題に対処
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Microsoftは米国時間6月20日、Armプロセッサーを搭載する「Windows」デバイスにおいて、「Microsoft 365」および「Azure Active Directory」(Azure AD)にサインインできなくなるという問題に対処する帯域外(OOB)更新プログラムをリリースした。
今回リリースしたOOB更新プログラム(「Windows 11」向けのKB5016138と「Windows 10」向けのKB5016139)で対処したのは、Armプロセッサー搭載デバイスを使用している一部のユーザーが6月の月例セキュリティパッチ適用後に遭遇した、VPN接続や「Microsoft Teams」「Microsoft Outlook」などのアプリケーションにサインインできなくなるという問題だ。
この問題はArmプロセッサーを搭載しているWindowsデバイスにのみ影響するため、その他のプロセッサーを搭載しているデスクトップPCやノートPCはこの更新プログラムの対象とはならない。また、この更新プログラムは累積アップデートとなっているため、6月14日の月例セキュリティパッチをインストールしていないユーザーは、月例セキュリティパッチの代わりに今回のOOB更新プログラムを適用するよう推奨されている。なお、OOB更新プログラムとは、月例セキュリティパッチとは異なるタイミングでリリースされるセキュリティパッチのことだ。
以前のアップデートが既にインストールされている場合、今回のパッケージは新たなアップデートのみをダウンロードし、インストールするようになっている。このOOB更新プログラムは「Windows Update」から自動的にダウンロード、インストールされる。
今回のOOB更新プログラムによって、Microsoft 365をはじめとするサービスにおけるサインインの問題が修正されるとはいえ、その適用によって一部のユーザーに不具合が生じている。Microsoftによると、この更新プログラムを適用した場合、Wi-Fiホットスポット機能を使用できなくなる可能性があるという。
同社は、「ホットスポット機能を使用しようとした場合、クライアントデバイスの接続後にホストデバイスがインターネットへの接続を失ってしまう可能性がある」としている。
Microsoftは、この問題を緩和し、該当デバイスでのインターネットへのアクセスを回復させるために、Wi-Fiホットスポット機能を無効化するよう推奨している。
また同社は、この更新プログラムをインストールすると一部の「.NET Framework 3.5」アプリ、特に「Windows Communication Foundation」(WCF)や「Windows Workflow」(WWF)といったコンポーネントを使用しているアプリに問題が生じたり、オープンできなくなる可能性があるという問題も挙げている。
この問題は、コントロール パネルで.NET Framework 3.5とWCFを再度有効にすることで解決できるという。
なお、今回のOOB更新プログラムがリリースされる以前にMicrosoftが推奨していた対処は、Arm搭載Windowsデバイスでは影響の出ているアプリケーションやサービスのウェブ版(「OneDrive」やMicrosoft Teams、「Outlook.com」など)を使用するというものだった。