カルビーと大創産業が語る、「企業コミュニティー」の作り方–顧客との関係深める

今回は「カルビーと大創産業が語る、「企業コミュニティー」の作り方–顧客との関係深める」についてご紹介します。

関連ワード (マーケティング等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 企業向けコミュニティープラットフォーム「coorum(コーラム)」を提供するAsobicaは勉強会を開催し、カルビーと大創産業が同基盤を活用した企業コミュニティー醸成の取り組みを解説した。

 coorumは、ノーコードでの企業コミュニティー開設・運営を支援するサービス。収集された顧客データの分析も可能だ。企業コミュニティーは、ロイヤルティーの高い顧客とのコミュニケーションを促し、イベントの開催などを通して顧客の声やデータを商品開発や販促施策に生かすことが期待される。同基盤は、メーカー/小売企業、飲食店チェーンなどで幅広く導入されている(図1)。

 カルビーでは2016年から、coorumを活用して同社のスナック菓子「堅あげポテト」のファンコミュニティー「堅あげポテト応援部」を運営している。同社は、ポイントをためられるアプリ「カルビー ルビープログラム」において堅あげポテト製品のバーコードとシリアルナンバーを読み込んだユーザーに同コミュニティーを案内することで、堅あげポテトの実購買者のみで構成されるコミュニティーを実現している。

 マーケティング本部 堅あげポテトチームの穂積由氏は「ブランドの成長に伴い、奥行きを広げていきたいという思いがあった。新商品を発売すると、新しいお客さまを取り込むことはできるが、購買を継続してもらいたかった」と振り返った。

 同社が2024年6~9月に実施した調査によると、堅あげポテト応援部の“部員”は約2.7万人に上り、6月を100%とした時の9月のアクティブ率は33%だった。「1.5~2万人規模のコミュニティーにおけるアクティブ率は15%ほどで、20%を超えると優良なコミュニティーとされる」と同コミュニティーの盛り上がりをアピールした。

 堅あげポテト応援部において部員は、商品の写真投稿やほかのメンバーとの交流ができるほか、新商品開発への参加や新商品の先行試食が可能。新商品開発では、味の提案から決定、試食、パッケージデザインの作成まで一気通貫で関与できるのが特徴だ(図2)。

 カルビーは2018年から、期間限定商品を毎年部員と共創し、これまで合計6品を発売。販売実績は好調だといい、2021年9月に発売された「炙り帆立味」は、13週目の販売個数が味変わり品の平均よりも高かったという。ファンを巻き込んだ商品開発により、ロイヤルティーのさらなる向上が期待されるほか、商品力の強化や売り上げへの寄与につながっている。

 新商品の試食会とアンケートへの回答では、もらった商品を家族や友人とシェアして食べたり、SNSに投稿したりして、発売前から新商品を盛り上げることを図る(図3)。アンケートでは、毎回率直な感想が寄せられ、時には商品をより良くするための指摘もあるという。発売前に新商品を試食してもらうことで、特別感を持ってもらうとともに、収集された意見を今後の商品開発に生かすことが可能となる。

 カルビーは今後、部員との共創による商品開発の頻度を増やすほか、カルビー ルビープログラムで得られた実購買データを活用し、商品開発の精度向上を目指している。

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