「Linuxの父」トーバルズ氏が語ったリモートワーク、Rust導入、Linuxへの愛
今回は「「Linuxの父」トーバルズ氏が語ったリモートワーク、Rust導入、Linuxへの愛」についてご紹介します。
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Linuxの生みの親であるLinus Torvalds氏は、Linux Foundation主催の「Open Source Summit」で座談会に登場し、Cardanoの最高オープンソース責任者であるDirk Hohndel氏を聞き手として、Linux開発や関連する幅広い話題について語った。
Torvalds氏はまず冒頭で、自分は人前で話をするのが苦手であり、この種のプレゼンテーションはインタビュー形式で行うことにしていると述べた。これは、「自分はソフトウェアを作る人間であり、講演をするのは本分ではない」からだという。同氏は、「私は聴衆が何を聞きたがっているかを知らない。だからDirkに質問をしてもらえば、質問がまずかったとしても私の責任ではない」と冗談を言った。
最初の話題は、コロナ禍がカーネル開発に与えた影響についてだった。結論から言えば、コロナ禍はカーネル開発にはあまり影響を与えず、むしろ生産性が向上したという。Torvalds氏は、「今言ったことの一部は撤回する。コロナ禍は確かに、多くの開発者に影響を与えた。しかし、ロックダウンが始まってから最初の数カ月間に誰かが開発の観点から行った調査で、生産性が上昇したことも分かっている。これは、私たちが今までもすべて電子メール越しで作業をしていたからだ」と述べた。
技術的な仕事は複雑なのでリモートではできないと言う人がいたら、Linuxを見てみろと言えばいいわけだ。
同氏はさらに、それが可能だった理由の一部は、「過去15年以上にわたって使われてきた、リリースのための非常に標準化された手順があったからだ」と続けた。当初は「新しい世界の秩序にみんなが慣れるまでに数年かかった」が、最近数年間は「私たちの作業プロセスは変わっておらず、リリーススケジュールも変わっていない」という。「その意味では、カーネル開発には影響はほとんどなかったし、作業プロセスの観点からは、刺激的なことは何もなく、ある意味では落ち着いていたと言ってもいい。私は、多くの人がインフラが大きく変わっていることにあまり不安を感じていないのは、それが理由だと思っている」と同氏は話した。
ただしTorvalds氏は、だからと言ってカーネル開発が退屈な訳ではないと強調した。
「実際問題として、今もクールなことはたくさん起こっており、私はそれをとても喜んでいる」と同氏は述べている。「同じプロジェクトを30年もやっていればつまらなくなるだろうと思う人もいるかもしれないが、そんなことはない。私はみんなに積極的に刺激的なことをやるよう勧めているし、新しいアーキテクチャーも導入される。新しい言語を試そうという人もおり、特にRustの導入は広く議論されている」