オフィスを廃して完全リモート–実践企業が語るベストプラクティス
今回は「オフィスを廃して完全リモート–実践企業が語るベストプラクティス」についてご紹介します。
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
GitLabの製品担当バイスプレジデントのDavid DeSanto氏は、リモートファーストモデルの運用を熟知している。
DevOpsプラットフォームであるGitLabは、2011年から完全なリモート企業として運営されている。現在、同社には、世界各地で働く総勢1800人の従業員がいる。獲得した顧客は約10万にのぼるが、従業員にオフィス勤務を要求したことは一度もない。
GitLabは5月、リモートワークフォースの維持、拡大に関するベストプラクティスガイド「2022 Remote Playbook」を公開した。
DeSanto氏は、全力で取り組めば、ほとんどの企業が完全なリモートに移行できると考えている。この取り組みでは、非同期な働き方、コミュニケーション、文化、管理という重要な柱に投資し、何よりもインクルージョンに注力する必要があるという。「自分がしていることに目的意識を持たなければならない」。同氏は米ZDNetにこう語った。
「インクルージョンはとても単純な言葉に聞こえるが、実際には、『Zoom』を会話の唯一の手段とするのではなく、透明で協調的かつ非同期的な働き方をするという決断を意味する」
Owl Labsのデータによると、現在、世界中の企業の16%が完全にリモートで運営されているという。これは、平均すると10社に1社以上が、オフィスや本社、その他の形態の職場といった物理的な拠点なしで運営されていることを意味する。
企業が物理的な場所からの開放を望む理由はいくつもあるが、最も明白な動機はコストだ。オフィス所有に伴う家賃、維持費、光熱費、人件費を支払う必要がなくなるため、大幅な経費削減が可能になる。
しかし、パンデミックの教訓が示しているように、効果的なリモートワークを実現するには、オフィスを閉鎖して全員にノートPCを持ち帰らせるだけでは不十分だ。経営者は完全リモートモデルの成功に向けて、熟考を重ねるとともに、長期的な利益獲得を目指す他のあらゆる戦略的投資について計画を練る必要がある。
その第一歩は、仮想ワークスペースを再設計して、共同作業をやりやすくすることだ、とDeSanto氏は述べた。同氏は、「非同期コミュニケーション」に移行して、異なるタイムゾーンで働く従業員が重要な会議、決定、最新情報の説明から除外されないようにすることの重要性を強調する。
「完全にリモートにするつもりなら、『給湯室の掲示板に貼っておけば、オフィスに来たときに見てくれるだろう』という考えではうまくいかない」とDeSanto氏。「会議に参加できるかどうかに関係なく、誰もが自分はチームの一員だと感じられるようにする必要がある」
非同期コミュニケーションで複雑なことをする必要はない。たとえば、Zoom会議を録画して従業員が後で閲覧できるようにするのもいいし、会社の重要な最新情報を電子メールで送信してもいい。重要なのは、従業員が会社で起きていることを常に把握できるようにすることだ。
「早い段階で学んだことだが、可能な場合は非同期コミュニケーションをとり、全員で集まる会議を減らす方法を見つける必要がある」とDeSanto氏は語る。
「そうすることで、従業員が会社とのつながりを深めて、自分がその一員であるという思いを強められるからだ」