AI未経験者の2割が「AIを活用できる人材になりたい」–AI inside調査
今回は「AI未経験者の2割が「AIを活用できる人材になりたい」–AI inside調査」についてご紹介します。
関連ワード (経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
AI insideは8月2日、人工知能(AI)/デジタル人材への関心・意向の把握を目的に実施した調査の結果を公表した。この調査は、正社員として働いている全国の20~59歳の男女を対象に、4月14~18日の5日間で行われ、有効回答数は1500件だった。
調査によると、AIスキル・経験の未習得者(非経験者)のうち、「AIやデジタルツールを活用できる人材になり活躍する意向がある/やや意向がある」と回答したのは計23.6%で、「意向がない/あまり意向がない」と回答したのは計42.2%という結果だった。
経済産業省が2019年に発表した「IT人材需給に関する調査報告書」によると、2030年までにIT人材に対する需要が供給を大幅に上回り、約79万人の需要ギャップが生まれると推計されている。
AI insideは、AI人材として活躍したいという意向を持つ約2割の「潜在AI人材」を育成することで、IT人材需要とのギャップを低減できるとしている。また、潜在AI人材がAIリテラシーを身につけることで、現場のビジネスや業務課題を理解した社員が社内でAI活用を推進すると考えている。
さらに、AI人材に求められるスキルや経験に関する設問では、AIなどの基礎知識だけでなく、業務における課題解決への貢献が求められていることが明らかになった。
AI人材に必要だと思うスキルで最も多く寄せられた回答は、「業務プロセス改善経験」で33.5%だった。以下、「ビジネスにおける問題発見スキル・経験」が33.1%、「統計知識に基づくデータ解析スキル・経験」が32.9%と続いた。一方、「『Python』などを用いたコーディングスキル・経験」や「ディープラーニングなどの機械学習スキル・経験」はそれぞれ20.4%と26.6%で、AI/デジタル人材にはAIエンジニアリングのスキルや経験が必ずしも必要ではないという結果だった(図1)。
次に、AI人材に求めるスキルの習得や学習経験についての設問では、「業務プロセス改善経験」「ビジネスにおける問題発見解決スキル・経験」「統計知識に基づくデータ解析スキル・経験」の経験者はいずれも10%以下だった。一方で「学習を検討している」と回答したのは、それぞれ20%以上という結果だ。
また、「AI・機械学習の基礎知識」の学習を検討していると回答したのは23.5%で、AIや機械学習の基礎知識の必要性を感じている人が全体の2割程度存在していることが分かった(図2)。
AI insideは今回の調査を通して、AI人材が不足していると感じる企業であっても、これらのスキルの学習・経験できる環境を整え、潜在AI人材の育成を行うことで、従業員のITリテラシーの底上げや一定数のAI人材化が見込めるのではないかと推察している。同社Vice Presidentの髙橋蔵人氏は調査の結果を受け、次のようにコメントした。
「近年のノーコードツールの広がりにより、デジタル人材には既存事業の高付加価値化や新規事業立案などのビジネス推進力が求められている。一歩先を行くビジネス変革を起こすため、新たな経営戦略としてリスキリングによる社内人材の職種構成の転換を図り、高度人材の育成に取り組むことが重要だ」