コロナ禍による「従業員体験」の可視化需要に対応–マイクロソフトのツール群

今回は「コロナ禍による「従業員体験」の可視化需要に対応–マイクロソフトのツール群」についてご紹介します。

関連ワード (ソフトウェア等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 日本マイクロソフトは8月30日、従業員の企業体験の向上を支援する製品「Microsoft Viva」シリーズの説明会を開催した。コロナ禍以降、企業ではリモートワークなどの働き方の変化に応じて従業員の状態の可視化に異なるアプローチが求められており、同社モダンワークビジネス本部長の山崎善寛氏は、「この2年は従業員が企業に対する価値、自分が働く意味を大きく見直す期間だった。(多様化する働き方に対して)企業と従業員の関係性も重要度を増す。企業のパフォーマンスへダイレクトに影響する従業員エンゲージメントを高めるソリューション」と製品の意図を説明した。

 Microsoft Vivaシリーズには、コンテンツとして、日々の生産性や充実した生活とのバランスを取る「Vivaインサイト」、組織の構想に沿って成果を達する「Vivaゴール」、自己学習を支援する「Vivaラーニング」、組織の知見を業務に役立てる「Vivaトピック」、新たな社内用SNS「Vivaコネクション」、企業文化とコミュニケーションの向上を目指す「Vivaエンゲージ」、営業担当に特化した「Visaセールス」がある。

 近年のMicrosoftは同シリーズに注力しており、VivaゴールとVivaセールスは8月1日に一般提供が開始された。Vivaエンゲージは24日より一般提供されている。なお、Vivaエンゲージで個人的な表現を組織全体に向けて発信する「ストーリーライン&ストーリー」機能が9月からパブリックプレビューで提供される予定だ。国内では、渋谷区がVivaインサイトを導入して職員の働き方を可視化している。また経営統合により3社が集約されて働き方に関する課題が顕在化したという横浜トヨペットも、定量的なデータの可視化を開始した。

 Vivaゴールは、「OKR」(目標と成果指標)に代表されるビジネス管理手法で、従業員の目標達成を支援するソリューションになる。Microsoftが2021年10月買収を発表したAlly.ioの技術を利用し、ビジネス目標を日常業務の流れに取り入れるための自動データ連携、OKRや業務の進展状況を可視化するダッシュボード、「Microsoft Teams」や「Azure DevOps」などのMicrosoft製品とも統合することで、従業員の孤立を防ぐ。

 Microsoftが1月7日~2月16日に31の市場の3万1102人のフルタイムまたは自営業者を対象に実施した調査によれば、「雇用主が仕事における目的意識と意義を提供することが重要だ」と考える従業員は77%に上った。「労働時間ではなく成果に応じて報酬を得られるのが適切」と考えるのは69%だった。別の調査でも「目標管理システムを採用する企業の場合、自身の業務と企業目標の関連性を理解する従業員が96%に上る」(同社モダンワークビジネス プロダクトマーケティングマネージャーの加藤友哉氏)とのことだ。

 Vivaゴールについて加藤氏は、「最初にチームや企業が実現したい最終結果または成果を設定し、次に主要な成果を測定可能な形で定義して、目標達成度の測定を行う。そしてプロジェクトなどを関連付けて、成果を達成するための行動をトラックする」と説明し、市場ニーズに応えて目標・成果指標ソリューションをVivaシリーズに追加したという。

 Vivaエンゲージは社内用SNSの機能を提供する。加藤氏によれば、昨今は職場の人間関係や連帯感の希薄化が一部で課題になっている。同社の調査でも経営陣の43%が人間関係の構築が最大の課題に挙げた。Vivaエンゲージは、組織全体に知識を提供して、エンゲージメントの強化を目的としているとする。既存のビジネス向けSNSソリューションもあるように、ユーザーが関心のあるコミュニティーに参加して情報の収集・発信に役立てるが、同社は既に「Yammer」も提供している。この点について加藤氏は、「部分的に機能が重複する」としつつ、VivaエンゲージがTeamsからYammerにアクセスする「コミュニティー」をリブランディングしたものとし、Yammerブランドは継続するとのことだ。

 Vivaセールスは、「Microsoft 365」とTeamsからデータを自動的に取得して、任意のCRM(顧客関係管理)システムに登録するアプリケーション。既定で「Salesforce」「Microsoft Dynamics 365」と接続するが、今後は「Dataverse API」を用いてほかのCRMシステムにも対応する予定である。

 同社モダンワークビジネス プロダクトマーケティングマネージャーのサンタガタ麻美子氏は、営業職に特化したソリューションをVivaシリーズに追加する理由を、「営業部門身もハイブリッドワークやデジタルスタリングに大きくシフトし、営業担当者が使用するデジタルツールも非常に増えて、業務が煩雑になっている」と説明する。「LinkedIn」が2020年に実施した調査では、74%の営業担当者がインテリジェントなツールに期待する一方で、CRMは販売促進する機能実装が不十分だと分かったためだとした。

 Vivaセールスは、Microsoft 365上に構築されているため、営業担当者はCRM連携を意識せず使い慣れたツールの延長として利用でき、CRMへのデータ入力場面が削減され、顧客対応に集中できるようになるという。

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