NEC X、ドローン活用した捜索・救助支援のスタートアップを新たに設立
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NECの子会社で、米国・シリコンバレーを拠点に新事業の創出を推進するNEC Xは1月19日、ドローンを使った捜索・救助支援ソリューションを提供するスタートアップ「Flyhound Corporation」の設立を発表した。
Flyhoundのソリューションは、NECの欧州研究所が開発した技術を使用したもので、ドローンによって行方不明者や災害被災者の携帯端末からのセルラー信号を三角測量して位置を特定し、捜索エリアのデジタル地図上でリアルタイムに表示することで捜索にかかる時間を短縮するもの。アクティブな携帯電話ネットワークの信号を必要としないため、携帯電話ネットワークインフラが利用できない遠隔地や災害地域での使用に最適という。
また、赤外線カメラを搭載した既存の捜索救助用ドローンとは異なり、樹木や葉、建物などで視界が遮られた場合でも位置を特定することができるため、地震や洪水によるがれきが散在するような環境下でも被災者や行方不明者の居場所を予測することが可能。これによって、行方不明者の位置を30分以内に半径50メートルの精度で特定することができ、早期救助の実現を狙う。
NEC Xの新事業創出プログラムでは、ビジネスとテクノロジーに精通した客員起業家(EIR)に技術や研究者を紹介し、EIRは各々のビジネスアイデアを提案する仕組みとなっている。Flyhoundは、NECの欧州研究所が開発した技術と事業仮説がNEC Xに持ち込まれ、EIRを探索するところから始まったという。
その後、EIRが決まり、NEC Xのプログラムが始まると同時に、Flyhoundのチームは公的機関を含むさまざまな組織にアプローチして顧客インタビューを実施。ニーズを明確にした後、プロダクト開発に取り組み、複数の公的機関とともに実証実験を行った結果、有効性が評価され、事業化に至ったとしている。
NEC Xは、親会社であるNECの先端技術を核としたオープンイノベーションによる事業化をミッションとし、シリコンバレーのエコシステムを活用することで、迅速な顧客価値の創造を目指している。NEC Xの社長で最高経営責任者(CEO)の井原成人氏は、同社の事業開発の特徴を「アウトバウンド型オープンイノベーション」と説明し、シリコンバレーで活動するプリシード/シード期のスタートアップや起業家を発掘し、共に事業を創り上げていくという。
プログラム期間は3~6カ月で、NEC Xによる技術導入支援や事業アクセラレーションを行いながら、事業価値の拡大を目指す。「目がないものは早めにプロジェクトを中止することもある」(井原氏)という。ビジネスの可能性が見えてくると、スピンアウト型やスピンイン型、合弁会社型などの形で事業化していくという。
前述のFlyhoundは、NEC Xが2018年の設立以来、同プログラムを通じて立ち上げた9件目の新事業となる。井原氏は「より多くの事業をより短期間で創出」できるようにすることで、2025年度までに累計20件以上の事業化を目指していると話す。