NTT-BSら、愛知県津島市の青果店で食品ロス削減と収益性向上を検証へ
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NTTビジネスソリューションズ(NTT-BS)とMongTengは、愛知県津島市の商業施設「ヨシヅヤ津島本店」に開店するMongTengの青果店「Una casita ヨシヅヤ津島店」で青果小売事業のDXを支援するソリューションの実証実験を実施する。NTT-BSが3月3日に発表した。同実証実験は、農産物流通バリューチェーンにおける食品ロスの削減と収益性の向上を目的としている。実施期間は、3月17日~9月30日を予定している。
農産物は天候などで収穫量が大きく変化する分、需要に基づく計画的な生産が困難である一方、青果などの農産物は新鮮な状態で販売する必要があり、売れ残れば廃棄ロスとなってしまう。現在の農産物流通バリューチェーンでは、生産から小売りにわたるステークホルダー同士の需給調整が不十分で大量の食品ロスや物流の無駄が発生し、バリューチェーン全体の収益性が低下しているという。
この問題の解決には、全プロセスにわたってDXを進めることが必要となる。特に小売りでは収穫入荷状況を加味しながら販売データを基に顧客の需要を予測することで、最適な価格で無駄なく売り切ることが求められる。
NTT-BSでは、農産物流通DXへの取り組みの一環として、こうした青果小売事業の課題を解決する「フードリテールDXソリューション(仮称)」の具体化を進めてきた。そして、仲卸・小売りの一体経営などで収益性の高い青果小売事業を展開するMongTengと共に、同ソリューションの導入による食品ロス削減と収益性改善の効果を検証する。
青果小売事業では、各店舗の熟練社員の勘と経験に基づいて行われている売価設定、発注、人員配置といった業務プロセスをデジタル化し、店舗運営を最適化かつ平準化することで、事業収益を高めることが求められる。事業の拡大には店舗運営を担うマネジメント人材の確保が不可欠であることから、少数のスタッフによる効率的な店舗運営も必要となる。
同ソリューションでは、各店舗にネットワーク端末を導入し、販売データをリアルタイムに取得してクラウドに蓄積する。また収集したデータを分析・可視化し、売価設定、発注、人員配置などを最適化する店舗運営DX機能などを活用し、リモートでの店舗運営を可能にするという。実証実験では、同ソリューションの各機能をUna casita ヨシヅヤ津島店に導入し、廃棄ロスの削減、販売売上粗利の拡大、店舗運営の省力化への効果を定量的に検証するとともに、商用化に向けて機能を改善する。
両社の役割は、NTT-BSが同ソリューションの機能開発/検証、ソリューションに必要なネットワーク環境や機器の有償提供、MongTengが同ソリューションを活用した店舗運営や費用削減効果などの確認を担う。
Una casita ヨシヅヤ津島店での実証実験開始後は、MongTengの既存15店舗と新規店舗への導入実証を進め、小売事業経営における同ソリューションの効果検証を進める。NTT-BSは、実証実験で得られた知見を踏まえ、2023年度下期に同ソリューションの商用化を目指している。同社は、小売側の需要情報と生産側の供給情報をクラウド上で連携させることで、農産物流通バリューチェーン全体のDXに取り組むとしている。