量子コンピューターの時代は意外と早く訪れるかもしれない
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Rigetti Computingは量子コンピューターの製造に向けた取り組みを2013年に開始した。同社は米国時間9月16日、その取り組みにおける最初の成果を2023年に出せるだろうと発表した。
というのも、カリフォルニア州バークレーに拠点を置く同社は、「Ankaa」と呼ぶ同社の第4世代マシンと、それを拡張した「Lyra」という製品を同年に発表する計画だからだ。Rigettiの創業者であり、最高経営責任者(CEO)でもあるChad Rigetti氏は、同社のマシンが従来のコンピューターの手に負えない問題を実際に解決するための根本的に異なるデバイスとして成熟し、「量子優位性」の先駆けとなることを期待している。
量子コンピューターは、原子や光子といった微小な物質における奇妙な物理現象を活用し、スマートフォンやノートPC、データセンターを実現している従来型のコンピュータープロセッサーでは現実的とはならない計算処理を実行する。量子コンピューターの提唱者らは、これによって電気自動車(EV)用のより強力なバッテリーや新薬、より効率的な配送、より実用的な人工知能(AI)の実現といったブレークスルーにつながると期待している。
量子コンピューター技術は今のところ、非常にコストのかかる研究プロジェクトとなっている。しかしRigettiは、量子優位性を最初に達成しようと争っている大集団の中に名を連ねている。ちなみに、この集団にはIBMやGoogle、百度(バイドゥ)、IntelのようなIT関連の大手企業のほか、QuantinuumやIonQ、PsiQuantum、Pasqal、Silicon Quantum Computingといった専門企業が含まれている。
Rigetti氏は同社初の投資家イベントに先立つ独占インタビューの場で「これは新たな宇宙競争だ」と述べた。
今回のイベントで同社は、製造やハードウェア、同社のコンピューターが実行するアプリケーション、顧客にリーチするためのクラウドサービスを含む、同社技術の全貌について詳細を明らかにしている。そしてRigetti氏は、「われわれは完全なロケットを製造しようとしている」と述べた。
Rigettiは一般的な知名度こそ低いものの、この世界ではよく知られた存在だ。同社は2月に2億6200万ドル(約375億7000万円)を調達し、量子コンピューティングを手掛ける数少ない株式公開企業の1社となった。同社は量子コンピューティング事業が長期的な視点に基づいていることを明言していたが、投資家らは懐疑的になってきていた。同社の株価は上場以来、およそ75%下落し、同社の年間売上高である1200万〜1300万ドル(約17億2000万〜18億6000万円)のうちの大部を占める米国政府との400万ドル(約5億7000万円)の契約が延期になったという最近の発表も痛手となっている。