広告代理店での生成AI活用、7割以上の広告主が肯定的–ガイドラインの必要性は認識
今回は「広告代理店での生成AI活用、7割以上の広告主が肯定的–ガイドラインの必要性は認識」についてご紹介します。
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企業のデジタルマーケティングなどを支援するソウルドアウトは6月19日、連結子会社のSO Technologiesが実施した「インターネット広告代理店の生成AI活用に関する調査」の結果を発表した。これによると、委託先の広告代理店が生成AIを活用することには、76.2%の広告主が肯定的な意見だったという。
同調査は2023年5月22~23日、自社商品・サービスのインターネット広告を広告代理店に委託している企業の経営者、事業/マーケティング責任者、現場の担当者を対象にウェブアンケートで実施した。有効回答数は438だった。
同調査では、広告主である回答者に対し、業務における生成AIの利用頻度を聞いたところ、「週1~2回程度」が40.4%、「ほぼ毎日」が27.2%、「月に1~2度」が21.5%と、89.1%が生成AIを定期的に利用していた。生成AIを活用する業務については、「アイデア出しやブレスト」(70.0%)、「文章作成」(54.4%)、「情報収集」(52.3%)、「議事録作成」(50.5%)の順に多かった(図1)。
一方、「現在は利用していない」「利用したことはない」と回答した人々に理由を聞いたところ、「使いこなせる自信がないから」「使い方が分からないから」がそれぞれ35.4%と最も多く、「プライバシーやセキュリティに不安があるから」が22.9%と続いた。
委託先の広告代理店が生成AIを活用することについては、「活用してもよいが、一定のルールやガイドラインが必要」が47.0%、「積極的に活用してもよい」が29.2%と、76.2%が肯定的な意見だった(図2)。一方、「活用しないでほしいが、ルールやガイドラインがあればやむを得ない」という回答は13.9%で、「いずれにしてもルールやガイドラインが必要」と考える広告主が60.9%に上ると分かった。「明確に禁止すべき」との回答は、4.8%だった。
業務委託先の企業が生成AIを活用する場合、回答者の所属会社の対応方針は「ルールやガイドラインはないが、利用には申告が必要」(30.8%)、「許可を取る必要はなく、自由に利用してよい」(28.8%)、「一定のルールやガイドラインに則った上で利用を許可している」(22.8%)の順に多かった。「利用は許可していない」との回答は6.6%だった。
広告代理店が特定の業務に生成AIを活用することへの考えを聞いたところ、「積極的に利用してもよい」「利用して問題ない」を合わせた肯定的な回答が多かった業務は「広告配信する商品・サービスのリサーチ」(66.9%)、「競合・市場リサーチ」(54.5%)だった(図3)。一方、「控えてほしい」「絶対に利用しないでほしい」を合わせた否定的な回答が多かった業務は「予算調整のアドバイス」(21.9%)、「議事録作成」(21.4%)、「メール/チャット文面の作成」(21.0%)だった。
今回の調査により、インターネット広告を広告代理店に委託している広告主の大多数が自社でも生成AIを利用しており、広告代理店での活用にも肯定的だと分かったとソウルドアウトは説明する。一方、6割以上の広告主が、広告代理店の生成AI活用にはルールやガイドラインが必要だと考えており、特定業務での利用に対しても2割前後が否定的な回答をしている。日々発展している生成AIは、広告業界でも活用が進んでいくと考えられるが、広告代理店が活用する場合は広告主への通知や申告、ガイドラインの作成などの対応を検討する必要があると見られる。