「チェック・ポイントはファイアウォールだけではない」–佐賀新社長が方針表明
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チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズは7月13日、経営戦略発表会を開催した。5月1日付で社長に就任した佐賀文宣氏は、同社の包括的なセキュリティソリューションの訴求と中堅・中小企業顧客の開拓に注力していくとの方針を表明した。
佐賀氏は、直近では「Zoom」のZVC JAPANの社長を務め、それ以前は日本IBM、シスコシステムズ、ヴイエムウェアで長らくパートナービジネスの要職を歴任した。「イスラエル本社は日本市場でのビジネス拡大に向けて投資を強化しており、私のパートナービジネスの経験を必要としていると理解し、参画を決めた。入社前はファイアウォールの老舗というイメージを抱いていたが、実際に入社すると、ファイアウォールにとどまらない多様なセキュリティソリューションが強みだと分かり、イメージが変わった」と述べた。
同氏は、就任から約2カ月で顧客やパートナーを50件近く訪問し、「お客さまもチェック・ポイントがファイアウォールのベンダーというイメージを抱いており、われわれの最新の状況を発信することが足りていないと感じた。お客さまが現在直面する脅威に対してわれわれを強く必要とされていることが分かり、包括的なセキュリティソリューションをしっかりご提供していきたい」と話す。
チェック・ポイントは、4月に「3C」(Comprehensive=包括的、Consolidated=統合的、Collaborative=協働的)のコンセプトを掲げ、これに基づく拡張型脅威検知・対応(XDR)やクラウドセキュリティ、ネットワークセキュリティの新製品群を発表している。
佐賀氏は、「高度化する脅威に対してポイントソリューションでは備えることができなくなっており、さまざまなソリューションが統合化されている必要がある」と述べる。そこで、まず「3C」ソリューションを推進していくためのパートナーや顧客をサポートする体制の拡大に乗り出しており、「サポートコミュニティーも強化する」(佐賀氏)とした。
営業面では、以前から強みとする大企業顧客に対するノウハウを中堅・中小企業顧客の開拓につなげるべく、従業員数500~2000人の企業への営業提案に注力していくとした。さらに、官公庁や重要インフラ企業に対する営業体制も強化する。「前職でも経験したが官公庁にご採用いただくには数年単位の取り組みになる。しっかりと臨んでいきたい」と佐賀氏は述べた。
製品面では、中堅・中小企業顧客に向けた「Infinity Spark」を投入する。「3C」コンセプトに基づいた統合脅威管理(UTM)アプライアンスやメールおよびコラボレーション向けセキュリティ、エンドポイントセキュリティとクラウド型管理ポータルをパッケージ化したソリューション製品になる。
サイバー・セキュリティ・エバンジェリスト Office of the CTO セキュリティエンジニアの高橋弘之氏は、大企業向け製品群と同じ機能でありながら、セキュリティ人材が少ない中堅・中小企業が容易に導入・運用できるようにチューニングしているとし、「社員の30%が製品の研究開発に従事し品質管理に取り組んでいる。UTMは競合製品に比べて脆弱性が少なく、パッチも迅速に提供している」と強調した。
また、パートナーのマネージドセキュリティサービス提供事業者(MSSP)を通じて、Infinity Sparkのマネージドセキュリティサービスも提供するほか、UTM製品「Quantum Spark Pro」シリーズでは、中小企業向けのラインアップを中堅企業向けに広げていくことにしている。