クアルトリクス首脳が説く「DX時代のエクスペリエンス管理」の重要性
今回は「クアルトリクス首脳が説く「DX時代のエクスペリエンス管理」の重要性」についてご紹介します。
関連ワード (CIO/経営、松岡功の「今週の明言」等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
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本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉を幾つか取り上げ、その意味や背景などを解説している。
今回は、Qualtrics プレジデント 兼 COOのBrian Stucki氏と、日本ヒューレット・パッカード 執行役員 クラウドサービス事業統括本部長の吉岡智司氏の発言を紹介する。
米Qualtricsの日本法人クアルトリクスは8月2日、プライベートイベント「X4 on Tour Tokyo」を東京国際フォーラムで開催した。冒頭の発言は、来日したQualtrics プレジデント 兼 最高執行責任者(COO)のBrian Stucki(ブライアン・ストゥーキ)氏が同イベントの基調講演で、同社が提唱し推進する「エクスペリエンスマネジメント(XM)」のニーズが高まってきたことを述べたものである。
同社はXMの目的について、「顧客、従業員、ユーザー、パートナー、サプライヤー、投資家など、あらゆる関係者に対して、企業や組織が提供するエクスペリエンスを向上させること」としている。そのソリューションとしては、企業においてビジネス上で重要な「顧客」「製品」「従業員」「ブランド」といった4つのエクスペリエンスを管理し、改善するソフトウェアをSaaS型サービスで提供。顧客数は今や、グローバルでおよそ2万社に達するという。
今回のイベント名にある「X4」は、上記の4つのエクスペリエンスを意味する。Stucki氏の前に挨拶に立ったクアルトリクス カントリーマネージャーの熊代悟氏は、「X4イベントはコロナ禍で3年間リアルに開けなかったが、今年は米国で3月に開いて以来、世界30都市以上で行い、日本が最後の開催地となった。しかも日本では2018年から事業を始めて以来リアルに開く機会がなかったので、初開催となる。来場された皆さんのエクスペリエンスをこのイベントでも大いに盛り上げていきたい」と、これまでの経緯を興奮気味に説明した(写真1)。
Stucki氏は基調講演の中で、XMが貢献する領域として同社が掲げる、製品とブランドを対象とした「XM For Strategy & Research」、従業員向けの「XM For People Team」、顧客向けの「XM For Customer Frontline」について事例を交えて紹介。さらに、同社がこのほど発表した生成AI搭載プラットフォーム「XM/os2」についても言及した。XM/os2については、クアルトリクスが同イベントの前日に日本でも発表会見を行った。その内容については関連記事をご覧いただきたい。
Stucki氏の講演で筆者が最も印象深かったのは、上記の話もさることながら、最初に話した「世の中が大きく変わってきた。パンデミック(感染症の世界的大流行)によって私たちの生活や働き方が大きく変わった。インフレは記録的な水準だ。人々のお金の使い方に大きな影響を与えている。また、生成AIのような新しいテクノロジーが台頭し、新たなチャンスが広がっている。そうした状況から、個人の生き方、企業の経営の仕方が大きく変わってきている。だからこそXMが求められるようになってきた」とのスピーチだ。冒頭の発言は、このスピーチの最初と最後をくっつけたものだ。
Qualtricsのソリューションは、大学向けに開発・販売した市場調査を行うためのアンケート収集・分析ソフトウェアが発端だ。その後、DX時代を見据えてエクスペリエンスに着目し、XMというコンセプトを打ち出して改善アクションまで含めたソリューションを体系化して磨き続けている。この分野は類似製品も数多くあるが、XMコンセプトが多くのユーザーに共感を広げているというのが、周りの取材を通じての筆者の印象だ。
できれば、次のX4イベントでは創業に関わった首脳・幹部に当時のエピソードを聞いてみたいものである。おそらくドタバタがあっただろうと推察するので。