テンセント、大規模言語モデル「Hunyuan」を公開–中国国内向け
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中国における生成型の人工知能(AI)競争に騰訊(テンセント)が新たに参入した。同社は基盤となる大規模言語モデル(LLM)を発表し、中国の企業が自社アプリケーションの構築やテストにこのLLMを利用できるとした。
「Hunyuan」と名付けられたこのLLMには、「Tencent Cloud」プラットフォーム上のAPIを介してアクセスできる。同社によると、中国の企業は自社の要件に合わせて同モデルを調整し、中国語の言語処理や、高度な推論といった能力を活用できるという。
この基盤モデルは画像生成や文字認識、広告文案作成といったさまざまな機能に対応している。同社はHunyuanを金融やEコマース、運輸、ゲームなど主要な業界で有益な存在になると見込んでいる。
同LLMは現時点で、事前学習データに1000億を超えるパラメーターと2兆を超えるトークンを保持している。
テンセントは、フィンテックや広告、ゲーム、オフィス生産性、検索といった分野における50の自社製品にHunyuanを統合したと述べた。
例えば「Tencent Meeting」は、ユーザーからの自然言語による命令やプロンプトによって会議の議事録を生成するといった一般的なタスクを実行できるAIアシスタントを提供するようになった。また、同社の広告ツールは、小売業者が宣伝用に使えるショッピングガイドを生成することも可能だ。
同社の上級副社長であり、Cloud and Smart Industries Group(CSIG)の最高経営責任者(CEO)でもあるDowson Tong氏は、「Hunyuanの公開と国内企業への提供にあたって当社は、LLMを搭載したコンシューマー向けAIチャットボットの素晴らしい性能に対して、業務効率の向上とコストの削減、プライバシーデータと自社データの保護を目指すビジネスコミュニティーの実用的なニーズのバランスを取るアプローチを選択した」と述べた。
同社は今回の発表で、百度(バイドゥ)や京東商城(JD.com)、Alibaba Cloudといった企業が相次ぎ参入し、激戦を繰り広げている中国の生成型AI市場に参入したことになる。
JD.comの「ChatRhino」も1000億というパラメーター数を誇っている。なお、従前のモデルである「Vega」のパラメーター数は2022年初めに100億となっていた。同社によるとVegaはGLUE(General Language Understanding Evaluation:一般言語理解評価)ベンチマークにおいて、MicrosoftやMetaのモデルを抑えてトップの座を獲得したという。
Alibaba Cloudの「Tongyi Qianwen」(通義千問)は中国国内の顧客向けにベータテストを実施しているとともに、開発者向けにAPI経由で提供されている。