freee、契約書のリスク検知と修正案をAIが示唆–スモールビジネスの契約に特化
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freeeは11月8日、「freeeサイン|契約チェック」(以下、freeeサイン)を発表した。
freeeサインは、秘密保持契約書や業務委託契約書など契約書の「PDF」ファイルや「Microsoft Word」のファイルをアップロードすると、AIが契約上のリスクを検知し、修正案などを示唆するサービス。11月10日から提供を開始する。
同社 契約本部 PdMグループマネージャーの森脇啓太氏は「スモールビジネスにおける契約プロセスの課題は、専門的な法律知識を持つ人材が社内にいない点。内容に不安が残るまま契約の締結に進んでしまう、もしくはリスクが内在している状況でも取り引きを進めなければならない」と指摘しながら、freeeサインの有意性を強調した。
freeeが10月17~20日の4日間、インターネット経由で法人から個人事業主600人を対象に調査したところ、担当者自身が契約書を確認する割合は378ポイントと非常に多い結果となった。
そのほか、社内の法務担当者が確認する法人・個人事業主は157ポイント、外部の弁護士などに依頼する割合は74ポイントといずれも低く、72ポイントは確認作業を曖昧にしているという。確認作業に要する時間も1~2日が122ポイント、対して社内に法務担当者が不在と回答した割合は180ポイントと最も多かった。
弁護士へ契約書の確認を依頼する場合の費用は1万円以上~5万円未満(96ポイント)、5万円以上~10万円未満(90ポイント)。契約書の確認作業にかかる課題としては「時間」(295ポイント)、「弁護士・専門家への支払い費用」(230ポイント)、「契約書のどこをチェックすればよいかわからない」(173ポイント)が上位に並んだ。
森脇氏は「契約書チェックにかかる時間、コスト、知識の3つに不安を抱えられている方が多い」と調査結果を解説しながら、freeeサインが3つの課題を解決するソリューションであると主張した。
freeeサインは、新規作成もしくは取引先から受領した契約書対応を支援するクラウドサービス。業務委託契約書、秘密保持契約書の2種類を含む12パターンのひな型をダウンロードして契約書を作成する。
新規作成・受領した契約書はクラウドにアップロードして、弁護士監修のAIが重要度に応じて三段階に分類。契約項目が自社に有利か否かを判断しながら修正案を提示する仕組みだ。
AIモデルは深層学習モデルの「Transformer」を基に、独自のファインチューニング(微調整)を加えている。なお、対応するファイル形式はPDFおよびWord形式。料金は確認件数や利用ユーザー数によって異なるが、初年度は月額2000円を割り引いた月額3000円で利用できる。
freee自身も、光学文字認識(OCR)の証憑(しょうひょう)読み取りや勘定科目の自動推定など、AIの有効活用を目指してきた。 同社 AIプロダクトマネージャー 木佐森慶一氏はfreeeサインについて、「スモールビジネスの契約に特化したモデルを作成し、ハルシネーション(AIの幻覚)リスクを避けるため、マッチングロジックで修正案を提案する。(社外への漏えいを避けたい契約書なども)freeeサインなら安心安全」だと主張している。
さらに今後は約半年を目標に契約書確認機能の強化や新たなAIの開発、自社内の業務工程改善や人材育成にも取り組む。