ZVC幹部が説く、コミュニケーションプラットフォームとして進化するZoom

今回は「ZVC幹部が説く、コミュニケーションプラットフォームとして進化するZoom」についてご紹介します。

関連ワード (CIO/経営、トップインタビュー等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 「最も知られているけれど、実は最も知られていない会社」――そう話すのは、ビデオ会議サービス「Zoom Meetings」を提供するZVC Japan 代表取締役会長 兼 社長の下垣典弘氏だ。世界的なコロナ禍でオンラインコミュニケーションが身近になり、個人や企業、学校など多くの場面でZoom製品が利用されるようになった。Zoom Meetingsというサービスが浸透する一方で、ZVC Japanという会社があることはまだ十分に知られていないという。下垣氏は、「だからこそできるだけ多くの人に対面で会いたい」と口にする。

 今、ZVCでは一つのコミュニケーションプラットフォーム上でさまざまなソリューションを展開し、オンライン/オフラインにかかわらず、多岐にわたる場面でのコミュニケーションを支援している。今回、カスタマーとパートナー向けのイベントで来日した米ZVC 最高営業責任者/最高事業成長責任者のGraeme Geddes(グレアム・ゲッデス)氏と下垣氏に、同社が提供するコミュニケーションプラットフォームや今後の展開を尋ねた。

 今回のイベントは、顧客事例のセッションや同社の最新のイノベーションを説明する場として設けられた。Geddes氏は「Zoomのプラットフォームは非常に大きく成長しており、ビデオ会議ツールだけではないことを話す機会にもなった」と手応えを述べる。

 同社が焦点を当てているのは「従業員体験(EX)」「顧客体験(CX)」「AI」の領域だと同氏は説く。

 EXでは、生産性の向上やハイブリッド環境での働き方、従業員エンゲージメントに関するソリューションを提供している。Geddes氏は「ハイブリッドの環境で仕事をするに当たり、どのように互いが関与するか、つまり帰属意識やコミュニティー意識をどのように保つのかが重要だ」と説明する。これに対して同社は、従業員コミュニケーション向上ツールの「Workvivo」を買収。Zoomのさまざまなアプリケーションに統合することで、従業員エンゲージメントの向上につながると期待しているという。

 CXの観点では、Zoom製品を利用する顧客に対して、マーケティングや売り上げ、カスタマーサービスを支えるソリューションを展開している。同氏によると、最近では顧客が、自分たちの顧客とのインターフェースを変えてきているという。そのため特に「Zoom Contact Center」が注目を集めていると説明した。

 例えばMLB(メジャーリーグベースボール)では、主審がリプレー検証中にZoom Contact Center経由で「Zoomリプレー オペレーション センター」とつながり、判定時にファンがその判定にライブアクセスできるようにしているという。判定後、ファンはチームに関する判定について専門に議論するエキスパートルールアナリストからリアルタイムに意見を聞くことができる。これにより、ファン体験の向上につなげられるとしている。

 ほかにもCXの観点でGeddes氏は「Zoom Revenue Accelerator」を挙げた。国内外問わず顧客は「効率や収益を上げたい」「自社の顧客に対してより良いサービスを提供するとともにコストを下げたい」と考えているという。このような課題を踏まえて、事業の成長を支援する製品として同機能を提供する。

 Zoom Revenue Acceleratorは、Zoom Meetingsや「Zoom Phone」を通じた営業担当者向けの製品で、会話内容の記録や文字起こしのテキストなどからAIが分析し、会話の良い点や改善点を洗い出すことができる。また、顧客に実際に営業する前に、事前練習をして話すスピードや重要なポイントを網羅していたのかを判定する「セールスコーチ」の機能も搭載している。

 AIの観点では、9月5日に一般提供を開始した「Zoom AI Companion」を挙げた。これは、Zoomのコミュニケーションプラットフォーム全体に適用できる機能で、例えば会議のサマリーを書き起こすだけでなく、会議中でもAIに対して聞き逃したことを質問できたり、たまった未読チャットの要約やメールのドラフト作成も可能だという。Zoomの有償ユーザーは無償で利用できる。

 また同機能は、ZVCの大規模言語モデル(LLM)だけでなく、Open AIやAnthropic、Metaといった複数のモデルも搭載。「タスクに対して適切なモデルを適用することで、レイテンシー(遅延時間)も下がり、コストも最適化される。これにより、結果として従業員全員がAIを利用できる」(Geddes氏)という。

 同機能は11月に日本語や韓国語などを含む多言語対応を開始。日本市場では告知している最中だが、Zoom製品を利用している企業が全面的に導入する予定もあるという。下垣氏は、「Zoomはリモートというイメージが定着しているが、相手のいないZoom Meetingsの使い方もある」と述べる。オンラインではなく、実際に顔を合わせた会議でZoom Meetingsを立ち上げることで、会議の音声が録音される。そこにZoom AI Companionを利用すると、AIが議事録の作成や多言語への翻訳を行う。

 同氏はこのような使い方が当たり前になっていくだろうという。「われわれは、一つのプラットフォームで世界を変えて人と人を無限につなぐ、というビジョンを出している。人と人は離れていても一緒にいてもいい。そのコミュニケーションをサポートすることがわれわれの目的だ」と力強く述べた。

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