ゲッティの「iStock AI生成ツール」を試す–面白みは「DALL・E」に軍配
今回は「ゲッティの「iStock AI生成ツール」を試す–面白みは「DALL・E」に軍配」についてご紹介します。
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
ZDNETでも先日報じたとおり、大手画像素材提供サービス企業であるGetty Imagesは、他の生成AIのような著作権侵害のリスクを冒すことなく「安全」に使用できる画像生成人工知能(AI)サービスを発表した。これは、使用許可を得た自社のコンテンツライブラリーの素材だけを使ってトレーニングされているためだという。
同社は9月にも、別のAI画像生成機能を発表しているが、当時はまだ、その機能のデモをリクエストできるに過ぎなかった。今回はiStockのサイトで正式にサービスの提供が始まっている。
大手AIチップメーカーであるNVIDIAとの共同開発で実現したこのサービスは、ラスベガスで毎年開催されているCESでお披露目された。これは生成AIがらみの著作権侵害をめぐる法廷闘争が話題になったばかりのタイミングであり、この2週間前には、New York TimesがMicrosoftとOpenAIが著作権を侵害したと主張して両社を訴えている。また最近では、画像生成AIである「Midjourney」に特定のプロンプトを入力することで、映画から取り込んだ保護された画像を再現できると主張する記事も発表された。
Getty Imagesは、ユーザーに法的補償を提供していることを売りの1つにしており、サインアップ後に表示されるコンテンツライセンス契約には、「追加ライセンスを購入しない場合は、iStockが負担する責任の最大限度額(本契約または同じコンテンツに対する他の契約を問わず、iStockが責任を有する合計額を意味します)は、コンテンツの各アイテムごとに1万米ドルに限定されます」と明記されている。なお、追加ライセンスでは、この金額はコンテンツのアイテムごとに25万米ドルに増額される。
手始めに「iStock AI生成ツール」の生成100回分のライセンスを14.99ドル(日本では2215円)で購入して試してみたところ、このツールはOpenAIの「DALL・E」やStability AIの「Clipdrop」の代わりになり得ることが分かった。
筆者がistockphoto.comでアカウントを作成し、クレジットカード情報を入力すると、その場で14.99ドルを請求され、その後空白のプロンプト入力欄が表示された。筆者がプロンプトを入力すると、一度に4つの画像が表示された。この4枚の画像を生成する1回のやりとりが、生成100回分の1回分としてカウントされる。
筆者は、DALL・EとClipDropでも同じプロンプトを試して比較してみた。その結果分かったのは、iStockで得られる画像は、美的にも物語的にも面白みに欠けており、全体的にありきたりで、退屈と言ってもいいものばかりだったということだ。ただし得られた画像は、入力したプロンプトの内容とおおむね一致するものだった。
例えば筆者は以前、何らかの実験中のリンゴという架空のシナリオについての絵を作るために、DALL・Eに「An apple inside of a bottle lying on its side, with apples on either side of the bottle」(横倒しの瓶の中のリンゴと、その瓶の両側のリンゴ)というプロンプトを入力してみたことがある。その結果、テーブルの上に科学に関係がありそうな興味深い器具が並んでいる、魅力的なシーンが生成された。しかしiStockのバージョンは、プロンプトの内容には沿っているが、興味深さという点でははるかに劣るものだった(下図参照)。