富士通、サプライチェーンのリスクを可視化–有事における迅速な意思決定を支援

今回は「富士通、サプライチェーンのリスクを可視化–有事における迅速な意思決定を支援」についてご紹介します。

関連ワード (セキュリティ等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 富士通は1月22日、サプライチェーン情報の把握とリスクを可視化する「Fujitsu Supply Chain Risk Visualization Service」(以下、SCRV)を「Fujitsu Uvance」の一環として提供すると発表した。Fujitsu Uvanceは、同社が2021年10月から持続可能な世界を目指す事業ブランドである。

 富士通 クロスインダストリーソリューション事業本部 Sustainable Manufacturing Sustainable Transformation事業部 事業部長の山崎剛司氏は同サービスについて「われわれはサステナブル(持続可能性)とマニュファクチャー(製造・生産)に重きを置いて、社会課題を解決していく」と事業価値を強調した。

 富士通が開発・提供するSCRVは、東京海上レジリエンスによるリスク情報と、東京海上日動による物流途絶時の保険を組み合わせたサービス。防災・減災バリューチェーン実現を目的として2023年11月に設立した東京海上レジリエンスはSCRVの販売パートナーも務める。富士通 クロスインダストリーソリューション事業本部 Sustainable Manufacturing Sustainable Transformation事業部 シニアマネージャーの新美弘氏は「東京海上グループと協業して、自然災害などの有事に備えたサプライチェーン構築とリスク対策の立案、有事の迅速な影響把握と意思決定の支援をする」とSCRVの概要を説明した。

 平時はSCRVの契約企業の拠点、および仕入れ先拠点のリスク可視化と評価を行い、両社によるリスク対策の立案やコミュニケーションの効率化を行う。自社や仕入れ先の拠点立地情報をSCRVに入力すると、各拠点の評価とリスク評価をデータとして示し、減災対策や事業継続計画の検討、支障が生じる仕入れ先を事前に把握できる。事前の代替調達先を検討して在庫確保の対策など調達戦略の改善も行えるとしている。

 有事の際は、東京海上レジリエンスが提供するリスク情報と各拠点情報を組み合わせて、被災の可能性がある拠点に対して警告を発する。例えば、仕入れ先拠点が被災する可能性を見据えた貨物の先出しのみならず、後述する輸送時の追加保証を東京海上日動が担う。新美氏は「費用的な保障まで一気通貫」で提供するサービスであると主張した。

 前述した輸送時の追加保証は、SCRVの災害情報に基づいて迂回(うかい)輸送時の費用を補償するサービスだ。「従来の被災による物損補償ではなく、サプライチェーン途絶を予防するために追加費用の保証」(新美氏)を行うという。浸水・外水氾濫の警戒レベル4~5を対象に、貨物の先出しによる追加費用や迂回輸送時発生した費用と平時の費用の差額を補償する。補償金額は一件につき500万円を限度に免責金額10万円が支払われる仕組み。保険契約は富士通と東京海上日動が保険契約を行い、SCRV契約企業が被保険者となる。

 SaaSとして提供するSCRVだが、顧客の要望に応じて富士通のシステムインテグレーター(SIer)が対応する予定だとしている。100IDで年間1000万円弱の価格で提供するSCRVだが、新美氏は「2025年までに導入企業90社、周辺サービス含めて数百億円規模」の売り上げを見込んでいるという。

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