「日本企業はいまだ古い技術を使い続けている」–チェック・ポイントCEOが指摘
今回は「「日本企業はいまだ古い技術を使い続けている」–チェック・ポイントCEOが指摘」についてご紹介します。
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1993年に創業したCheck Point Software Technologiesは、30年間にわたってネットワークからエンドポイント、メール、モバイル、クラウドに至るまで、幅広い分野でサイバーセキュリティソリューションを提供してきた企業だ。同社がこのほどタイ・バンコクで開催した年次カンファレンス「CPX APAC 2024」では、AIを活用した新製品も発表している。イベントの期間中、Check Pointの創業者で最高経営責任者(CEO)のGil Shwed氏に、セキュリティ業界と同社の方向性について話を聞く機会を得た。同氏は何を語るのか。
–1993年にCheck Pointを設立して以来、サイバーセキュリティ業界はどのように進化したと見ているか。また、それぞれの時代にCheck Pointはどのように貢献してきたのか。
初期のインターネットは小規模なネットワークで構成されており、危険性もさほど高くなく、保護することも比較的単純だった。それが今では生活のあらゆる場面でインターネットが使われ、ネットに接続されていない世界を想像するのは難しい状況だ。システムは洗練されたが、それに伴いハッカーも洗練された。ネット上にあるものほぼ全てが攻撃対象となっており、防御しなければならないものも複雑になった。
セキュリティ業界は既に若くはないが、非常に活気がある。やるべきことが尽きないためだ。この分野に参入する企業も次々と誕生し、さまざまな課題に対し異なるテクノロジーを提供している。一方、Check Pointのようにプラットフォーム企業としての役割を果たそうとする企業や、特定のセグメントでリーダーになろうとする企業はほとんど存在しない。
Check Pointは、初期の時代にまずインターネットセキュリティとは何かを最初に定義した企業だ。この市場を立ち上げたと言ってもいいかもしれない。こうして多くの企業は、インターネットに接続するには自社を保護する必要があることを学んでいった。その後Check Pointは、ネットワークセキュリティの企業からプラットフォーム企業へと進化していった。これにより、サイバーセキュリティにまつわるあらゆるものを保護できるようになった。
–現在ではAIが進化を遂げ、悪意のある攻撃者もAIを活用するようになった。この状況をどう捉えているのか。
AIは攻撃者にとっても民主化されてしまった。今ではハッカーになるにも、AIによって以前ほどの専門知識は必要なくなり、高度な攻撃もより簡単にできるようになった。多くの人がハッカーになれるというのは、われわれにとっても大きな脅威だ。
一方で、AIは防御側のテクノロジーの高度化にも貢献している。AIを使用してさまざまな攻撃パターンを見つけ、より洗練された防御システムを開発することは、何年も前から行っていることだ。今回発表した「Infinity AI Copilot」では、新たに生成AIも活用し、セキュリティ管理を容易にしている。AIは非常に興味深い分野だ。
–Check Pointは近年買収によるイノベーションにも積極的だ。現在買収を検討するような興味のある分野やテクノロジーについて教えてもらいたい。
2023年には、セキュリティサービスエッジ(SSE)企業のPerimeter 81や、SaaS向けセキュリティ企業のAtmosecといった企業を買収した。この先も幾つかの分野を検討しているが、何が見つかるかは分からない。最高の企業を見つけることは簡単ではない。
–逆に、もしCheck Pointを買収したいと別の企業からアプローチされたらどうするのか。
買収されることは望んでいない。Check Pointはこの30年間、独立した企業として活動してきており、設立当初から現在まで買収されることは望んでいなかった。今後も独立した強力な企業であり続けたいと考えている。