欧州発のセキュリティ企業として30年の実績と信頼に応えたい–ESETのマルコCEO

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 スロバキアのセキュリティ企業のESETは、再編が進むサイバーセキュリティ業界で約30年にわたり着実な成長を続けている。CEO(最高経営責任者)のRichard Marko(リチャード・マルコ)氏に、同社のビジネス戦略や日本市場への取り組みを聞いた。

 1992年創業の同社は、スロバキアを本拠として23カ国・地域にオフィス、12カ国・地域に研究開発センターを構え、200カ国以上の国・地域の市場でビジネスを展開している。セキュリティ製品のインストールベースは1億を超え、Marko氏は、「われわれは欧州発のセキュリティ企業としては最大規模になる。欧州発だが、現在では世界中に拠点とユーザーがおり、世界各地で出現するさまざまな脅威に対していち早く検知・分析を行い、最新のインテリジェンスとベストな対策をお客さまに提供することができている」と述べる。

 同社のセキュリティソリューションの源流は、ウイルス対策ソフトになる。当時のウイルス対策ソフトは、悪意のあるプログラムと特定された定義ファイルベースの検知・防御技術が中心である中、ESETは脅威が疑われる段階の兆候から検知・分析して、必要に応じて防御などの対応がとれる振る舞い(ヒューリスティック)解析技術も搭載し、特にセキュリティ製品への“感度”が高いユーザーから評価を得ていた存在だった。

 かつてウイルス対策ソフトベンダーは、著名なところだけでも数十社が存在した。しかし、創業時から現在もビジネスを継続しているところは少ない。多くは、ビジネスから撤退ないし規模を縮小したり、買収や合併によって総合系ITベンダーの一部門となったり(ブランドが残るケースを含む)、あるいは個人向けビジネスと法人向けビジネスに会社を分割したりするなど、姿形を大きく変えた。

 その一方で、ネットワークセキュリティベンダーなどが事業領域を拡大したり、エンドポイント型脅威検知・対応(EDR)のような新しいソリューション技術の新興ベンダーが台頭したりするなど、サイバーセキュリティ市場は広大なIT業界の中でも再編が活発だと言える。

 こうした市場動向における同社の姿勢としてMarko氏は、「われわれは長らく個人向けも法人向けも両方のビジネスを続けている。これからも両方のビジネスを続けていく。やはり、世界中に多くのユーザーがいることで、世界のさまざまな場所で出現する脅威をいち早く捉えることができ、インテリジェンスや対策を個人・法人のユーザーへ迅速に提供できる。他方で、先進的なソリューションを求める法人ユーザーがいることでセキュリティ技術を開発でき、その成果を個人ユーザーにもいち早く提供できるからだ」と話す。

 セキュリティ技術もヒューリスティックをはじめとして、暗号化やAI型解析、EDRや拡張型脅威対策(XDR)、クラウド保護へと拡張させ、現在では「ESET PROTECT」と呼ぶプラットフォームソリューションに進化させているとする。同社のような老舗ベンダーには、オンプレミス環境のセキュリティ対策に強いイメージがあるものの、Marko氏は、「米国では導入の8割以上がクラウド型」と明かし、クラウドアクセスやクラウドアプリケーションなどの最新のセキュリティニーズに対応して実績を高めつつあるとした。

 ESETの日本市場でのビジネスは、2003年にキヤノンマーケティングジャパン(CMJ)が総販売元として協業で展開するユニークなモデルでスタートし、2018年にCMJと共同で日本法人のイーセット・ジャパンを設立。販売・サポート・製品開発・脅威分析などの体制を確立している。

 この取材でMarko氏は、コロナ禍後として久々の来日となった。物理的な移動が大きく制限されたコロナ禍でも「コロナ禍が本格化(2020年)する直前にCMJとイーセット・ジャパンを設立していたことがとても大きいと言える。リモート中心の間も停滞させることなく日本市場でビジネスをしっかりと続けることができている。加えて今回の来日により、フェースツーフェースの素晴らしさも再度実感しているところだ」と話した。

 ESETは、日本市場でCMJとXDRやマーネジド型のMDRのビジネスを推進していく戦略を表明しており、Marko氏は、日本市場で確立している体制を強みに、「これまでの実績と信用に応えつつ、欧州発のグローバルセキュリティ企業としてこれからも引き続き世界トップレベルのセキュリティソリューションを提供していく所存だ」と述べている。

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