変貌する「X」で走る広告測定ソリューション–ブランド価値を精緻に保護

今回は「変貌する「X」で走る広告測定ソリューション–ブランド価値を精緻に保護」についてご紹介します。

関連ワード (CIO/経営、トップインタビュー等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 自分の考えを発信したり、気になるトピックを検索して情報収集したりできる「X」(旧Twitter)。ウェブメディアの公式アカウントをフォローして記事を読む人も多いだろう。一方Xには、企業が膨大なユーザーにリーチできる「広告媒体」としての側面もある。

 デジタルメディアの測定とデータ分析に関するソリューションを展開する米DoubleVerifyは2023年12月、Xにおけるインフィード広告のブランドセーフティー/スータビリティーを測定するソリューション「DV Brand Safety & Suitability solutions for X」を日本で提供開始した。

 ブランドセーフティーは、広告主のブランドの種類に関係なく安全でない配信面をブロックする取り組み。ブランドスータビリティーは「ブランドセーフティーの進化形」といえる取り組みで、ブランドと配信面の適合性を担保する。

 例えば、家族を意識したブランドの広告をアルコール関連のコンテンツが掲載されたウェブサイトに配信するのは不適切かもしれないが、「ウイスキーのおいしい飲み方」といった比較的健全なコンテンツの場合、ブランドの種類によっては問題がなく親和性も高いかもしれない。企業は広告の配信先を最適化することで「ブランド価値の保護」と「多くのユーザーへのリーチ」を両立できる。

 XはほかのSNSと比べ、“本音ベース”の投稿が多いとされる。ユーザーは投稿内容に共感したり、気付きを得たりできる一方、暴力的な表現や虚偽の情報に出くわすこともある。さらに、2023年8月に実施された広告収益分配プログラムの影響で、話題になっている他者の投稿に意味のない文言を返信するなどして閲覧数を増やす「インプレッション稼ぎ」の投稿も問題となっている。

 プラットフォームとしての健全性への影響が懸念される中、DoubleVerifyとXは広告主のブランドセーフティー/スータビリティーをどのように担保するのか。X(Twitter Japan) 代表取締役の松山歩氏とDoubleVerify 代表取締役 日本法人代表の武田隆氏に聞いた。

 Elon Musk氏は2022年10月にTwitter社の買収を完了し、2023年7月にサービス名をXに変更した。「2023年はXにとって、プロダクトや組織体制の基礎を固める1年だった」とX(Twitter Japan)の松山氏は振り返り、「この基礎のもと、2024年はトランスフォーメーショナル(変革的)な1年としたい」と述べる。

 Xは以前から、ブランドセーフティーの担保に向けて施策を展開している。例えば「センシティビティ設定」において、広告主はインフィード広告の上下に位置する投稿をコントロールできる。不適切と判断する基準には「厳格」「標準」「寛容(近日提供予定)」の3段階があり、広告主はブランド価値の保護と多くのユーザーへのリーチの両立が求められる中、自社の方針に応じて選択する。特定の単語やアカウントを指定し、その単語を含む投稿や当該アカウントに広告が接しないようにすることも可能だ。

 今回の提携に当たり、両社はXの投稿に対して「過激&グラフィック」「アルコール」などのトピックをブランドセーフティー/スータビリティーの観点で3分類した(図1)。「過激&グラフィック」などブランドの種類に関係なく不適切な投稿には広告が接しないようにし、「アルコール」などブランドの種類や投稿の文脈によっては許容される投稿には3段階のリスク階層を設定して、企業が自社の広告を配信するかを決める。

 こうした施策が十分に機能しているかについて、DoubleVerifyはDV Brand Safety & Suitability solutions for Xを用いて測定する。測定結果はダッシュボードで広告主に共有し、より詳細な情報についてはレポートで報告する(図2)。

 例えば、ダッシュボードではブランドセーフティー/スータビリティーの度合いを表示し、レポートでは「ブランドセーフティー/スータビリティーではない」と判断したインプレッションをリスト化する。同ソリューションは、Xで広告を配信するDoubleVerifyの顧客が測定を希望すると適用される。

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