東海国立大学機構と富士通、太陽高エネルギー粒子増加をもたらす太陽フレアーの条件を見出す

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 東海国立大学機構と富士通は、太陽高エネルギー粒子の増加要因となる太陽フレアー(フレアー)の発生条件を見出す成果を得た。この成果は月・火星・惑星間空間での人類活動の安全確保を目指した、宇宙放射線の発生予測に関する共同研究において得られたもの。太陽高エネルギー粒子の増加は宇宙天気に影響を及ぼすとされている。

 分析の結果、太陽高エネルギー粒子の発生において、フレアーの規模と継続時間が重要であると判明した。またフレアー発生数が少ない黒点領域で発生する第一フレアーが太陽高エネルギー粒子の増加をもたらしやすいことを見出した。

 この成果は、太陽高エネルギー粒子事象の予測において、前日のフレアー活動が比較的弱かった黒点領域で発生する第一フレアーの予測が重要であることを示唆しており、今後の宇宙天気予報の研究開発に新たな指針を与えるものになるという。

 同研究には、富士通のAIプラットフォームである「Fujitsu Kozuchi」に搭載された説明可能なAIの「Wide Learning」を適用している。

 惑星間空間とは、太陽系の惑星間にある空間のこと。太陽高エネルギー粒子とは、太陽フレアーやコロナ質量放出に伴って加速された高エネルギー粒子が発生する現象をいう。太陽フレアーは太陽で発生する爆発的な増光現象のこと。

 今回の分析には、米国海洋大気庁(NOAA)の宇宙天気予測センターや米国航空宇宙局(NASA)のSolar Dynamics Observatory衛星からのデータを活用している。さらに富士通製スーパーコンピュータ「不老」によって計算された黒点周辺の3次元磁場モデルなども活用した。それらの膨大な組み合わせの中から、太陽高エネルギー粒子事象の発生につながる条件を分析し抽出した。

 なお、今回構築した分析モデルでは、従来の太陽高エネルギー粒子の増加予測手法と同等の精度で予測を実現できる。くわえて黒点周辺の3次元磁場モデルに基づいた独自のパラメータを用いることで、さらに精度が向上することも確認できているという。

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