“ベストオブブリード”のアプリケーションを選択する企業が増加–Okta調査

今回は「“ベストオブブリード”のアプリケーションを選択する企業が増加–Okta調査」についてご紹介します。

関連ワード (ソフトウェア等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 Okta Japanは3月8日、1万8000社以上の自社顧客データを匿名化した形で業務アプリケーションの利用動向を調査する「Businesses at Work 2024」を発表した。

 同調査は7000以上のアプリケーションを連携する「Okta Integration Network」(OIN)のデータに基づいている。Oktaでコンテンツマーケティング担当ディレクターを務めるLauren Everitt(ローレン・エベリット)氏は今後の傾向として「(各分野で最適な製品を選択する)ベストオブブリードのアプリケーションを採用する企業は(今後も)増えていく。既存の(同一メーカーの製品を統一してシステムを構築する)スイートにとらわれず、業務に最適なアプリケーションを選択する」と調査データから得た知見を述べた。

 同調査は2022年11月1日から2023年10月31日までのデータを分析している。OIN経由で導入する1社当たりの平均導入アプリケーション数は93。米国の105に対して日本は35と著しく低い。従業員2000人以上の平均導入アプリケーション数は前年比10%増の231だが、従業員2000人未満の中堅中小企業になると72まで低下した。それでも前年比から4%の増加率を確認できる。

 アプリケーションの成長率を顧客数で見ると「1Password」、ユニークユーザー数では「Amazon Business」が最上位。引き続き「Figma」「Miro」「HubSpot」「Snowflake」「GitHub」「KnowBe4」「Sentry」「Zscaler」などがランクインし、新たにビジネス管理ツール「monday.com」も加わった。

 全企業の顧客数別に最も人気のある(幅広く使われている)アプリケーションは「Microsoft 365」と変わらないが、2位は過去2年ランクインしていた「Amazon Web Services」(AWS)から「Google Workspace」に入れ替わっている。順位をIT系スタートアップ企業に限定すると、Google Workspace、AWS、Microsoft 365が上位に並び、「Slack」も後に続く。このデータを全米上位500社のフォーチュン500別で見ると、Microsoft 365、「Salesforce」、AWSが上位に並んだ。

 また、国内企業に人気のアプリケーションを成長率別で見ると、行列を混合したマトリクスデータのため具体的な順位は示していないが、圧倒的なのはSalesforce。続いて「Box」、「Zoom」、Google Workspace、Slackの名前が並んだ。特にBox、Zoom、Slackは高い成長率を示し、今年初めてランクインしたという。

 顧客数の増加率別で見ると、データコンプライアンスの「Vanta」(338%)、営業支援の「Zoominfo」(134%)が目立つ。Everitt氏は「(企業に)組織の複雑化や進化し続ける規制環境でのかじ取りを求められているから」とVantaが急成長した理由を分析した。

 Oktaが業種別の導入状況を分析したところ、IT業界におけるVantaの顧客数は前年比410%増、Zoominfoのユニークユーザー数も638%も増加している。IT系スタートアップ企業で急成長したアプリケーションは「Twilio SendGrid」(前年比59%増)、Snowflake(同57%)、Figma(同49%)が上位に並んだ。

 Microsoft 365を利用する企業に限定した分析結果を見ると、4つ以上のアプリケーションを導入している割合が4年前の28%から37%に増加した。Microsoft 365利用企業のGoogle Workspace導入率は4年前の33%から45%へ増え、同条件でSlackを導入する企業は31%から38%、フォーチュン500企業に限定するとGoogle Workspace導入率は42%、IT系スタートアップ企業は64%と高い数値を見せている。

 同調査ではセキュリティ関連のデータも精査した。Oktaの多要素認証ソリューションである「Okta FastPass」を使用した業種別パスワードレス認証件数は、IT系企業、卸売業、製造業が上位3位に並ぶ。国別の利用件数は米国が圧倒的に多く、日本やオーストラリアが続いているものの、生体認証の使用率で見ると上位5カ国中、日本は最下位の15%だった。また、フィッシング耐性を持つセキュリティキーや生体情報の利用率も増加傾向にある。

 Everitt氏は「前年比で見ると顧客数は25%増、ユニークユーザー数は158%増」と説明しながら、セキュリティの質問やメールを用いた認証は減少傾向にありつつも、音声通話やSMSを用いた認証は昨年の2倍を示したと傾向を語った。なお、組織によるデバイス管理が適切であることを前提に、特定デバイスのデータアクセス権を制御するデバイス信頼ポリシーを採用する企業も増加している。

 ビジネス工程を自動化する「Okta Workflows」の採用率を業種別に見ると、前年比36%増のIT系企業がトップ。専門知識を要するプロフェッショナルサービス企業は前年比65%増の2位だった。Everitt氏は「例えば従業員へのアプリケーション配布や不審行動の対応、IT運用の簡素化に自動化が求められている。定型的なプロセスを自動化すれば、チームメンバーの負担は軽減される」と述べ、自動化ソリューションの需要増を強調した。

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