CTC新社長が語る「DX事業を推進する伊藤忠グループでの役割」とは
今回は「CTC新社長が語る「DX事業を推進する伊藤忠グループでの役割」とは」についてご紹介します。
関連ワード (CIO/経営、松岡功の「今週の明言」等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉を幾つか取り上げ、その意味や背景などを解説している。
今回は、伊藤忠テクノソリューションズ 代表取締役社長の新宮達史氏と、日本IBM 執行役員 IBMフェロー IBMコンサルティング事業本部 CTOの二上哲也氏の「明言」を紹介する。
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は先頃、直近の決算や中期経営計画などの動向について記者説明会を開いた。冒頭の発言は、今年4月1日に同社社長に就任した新宮氏がその会見でのあいさつで意気込みを語ったものである。
2023年度(2024年3月期)決算および2024-2026年度の中期経営計画の内容についてはそれぞれのリンク先の資料をご覧いただくとして、ここでは新宮氏の発言に注目したい。
「1987年に伊藤忠商事へ入社して以来、一貫して情報通信関連の事業に携わってきた。伊藤忠商事は商社の中でも情報通信関連分野に強く、さまざまな事業を手掛けているが、その中で私もいろんな経験をすることができ、2018年からはカンパニー制に伴って、情報・金融カンパニーのプレジデントを務めてきた。情報通信からデジタルトランスフォーメーション(DX)へと市場が拡大する中で、伊藤忠グループはCTCを中心としたデジタル企業群を築き上げるべく注力してきた」
新宮氏はまず、こう自己紹介をした上で、CTCの課題意識について次のように述べた。
「企業のDXでは、基幹システムの刷新もさることながら、お客さまとの接点となる営業最前線のデジタル化をどのように図っていくかというのが大きな課題だ。そうした動きに対し、CTCはこれまで基幹システムに関する事業を得意としてきたが、これからは営業最前線のデジタル化ニーズにも、もっと力強く応えられるようにしたいところだ。そして、CTCを中心とした伊藤忠グループで、お客さまのDXに関するあらゆるニーズに応えられるように、コンサルティングをはじめ、データ分析、システムインテグレーション(SI)、ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)といった事業をこれまで以上にきめ細かく提供できるようにしていきたい」
その一方、CTCの強みとともに、社長就任の思いについて次のように話した。
「昨年12月、伊藤忠商事はCTCに対してTOB(株式公開買い付け)を行い、CTCを非公開の完全子会社にした。私は伊藤忠商事側の責任者としてこの動きを推進したこともあり、その後のCTCの経営を担う形になった。社長に就任してさっそくお客さまにごあいさつして回っているが、改めてCTCの顧客層の広さと深さを強く感じている。この顧客層の大きさは競合他社と比べても群を抜いていると自負している。業績も順調に推移しており、その勢いを加速していけるように尽力したい。そのためにも、今後はさらに伊藤忠グループと密接に連携してお客さまのDXニーズに応えていきたい」
「DX事業を推進する伊藤忠グループの中心にCTCあり」との印象を改めて強く感じた。ならば、今後は「DXの伊藤忠グループ」として存在感をどのように高めていくか。新宮新社長の経営手腕に注目していきたい。