Facebookが取り締まりを拡大、ルール違反のグループとそのメンバーに対する罰則を強化

今回は「Facebookが取り締まりを拡大、ルール違反のグループとそのメンバーに対する罰則を強化」についてご紹介します。

関連ワード (Facebook、QAnon、ワクチン、新型コロナウイルス、米国大統領選挙等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、TechCrunch様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


Facebook(フェイスブック)は米国時間3月17日朝、ルールに違反するFacebookグループとそのメンバーに対する罰則の強化や、グループの有害なコンテンツの可視性を減らすための変更を行うことを発表した。同社は今後、米国外の市場における市民団体や政治団体を推奨から除外し、規則に違反し続ける団体やメンバーのリーチをさらに制限すると述べている。

同社はこれまでにも有害で偏向した、あるいは危険なコンテンツを作成し共有するグループに対する取り締まりを継続的に行ってきたものの、遅々として進まず、さほど効果がないものが多くあった。

先の米国の選挙に先立ち、Facebookは、コミュニティ規定に違反したユーザーやFacebookグループを通じて偽情報を拡散したユーザーに罰則を科すことを目的とする一連の新しいルールを導入した。これらのルールは、グループ自体に大きな責任を割り当て、ルールを破った個人を罰するものとなっている。Facebookはまた、新型コロナウイルス感染症に関する情報を含む健康情報の公式情報源にユーザーを誘導するために行っていた医療団体への推奨も停止した。

2021年1月、Facebookは潜在的に危険なグループに対してさらに重要な措置を講じている。2021年1月6日の米連邦議会での暴動を受け、米国内の市民団体、政治団体、新たに創設された団体を推奨から除外することを発表した。同社は以前にも、米国の選挙を前にしてこれらの団体を一時的に制限していた。

関連記事:Facebookが大統領選直前にアルゴリズムによる一部の政治・社会問題グループ推奨を一時中止

このポリシーが恒久化したときにWSJの記事が伝えているように、Facebookの内部調査により、米国のFacebookグループはユーザーを両極化させ、選挙後に広がる暴力の声を煽っていることが明らかになった。米国で最も活動的な市民向けFacebookグループトップ100のうち約70%に、ヘイト、誤情報、いじめ、嫌がらせの問題があり、これらは推奨されるべきではないと研究者たちが指摘しており、2021年1月の取り締まりにつながったとみられる。

そして3月17日、同じポリシーが米国のFacebookユーザーだけでなく、グローバルユーザーにも適用されることになった。

すなわち、世界中のユーザーがFacebookを閲覧する際にも、ヘルス関連グループに加えて市民団体や政治団体が「おすすめ」に表示されなくなるということだ。しかし、おすすめ機能はユーザーがFacebookグループを見つける多くの方法のうちの1つにすぎないことに注意して欲しい。ユーザーは、検索、ユーザーが投稿したリンク、招待状、友人のプライベートメッセージなどからそれらを見つけることができるのだ。

Facebookはさらに、グループでFacebookルールへの違反が発生した場合、おすすめでの表示頻度を減らすことを表明している。これはFacebookがニュースフィードのコンテンツの表示を減らすためによく使う、ランクダウンのペナルティだ。

また、規則に違反したグループやその個々のメンバーに対する罰則を、さまざまな強制措置を通じて強化する。

画像クレジット:Facebook

例えばFacebookのコミュニティ規定に違反したことのあるグループに参加しようとすると、警告メッセージ(上図参照)によってそのグループの違反が警告されるため、ユーザーは参加を再考することになるかもしれない。

ルールに違反するグループは招待通知を制限され、現在のメンバーはグループのコンテンツをニュースフィードで見ることが少なくなり、コンテンツはさらに下に表示される。これらのグループはFacebookのおすすめでも降格される。

あるグループがFacebookのポリシーに違反したメンバーや、Facebookコミュニティ規定に違反したために閉鎖された他のグループに参加したメンバーを大量に受け入れた場合、そのグループ自体に、すべてのメンバーの新しい投稿を一時的に承認する必要が生じる。そして、管理者やモデレーターが規則に違反するコンテンツを繰り返し承認する場合、Facebookがグループ全体を削除する。

このルールの目的は、禁止された後にグループが再結成し、不正行為が繰り返されることを防ぐためのものだ。

本日発表された最後の変更は、グループメンバーに適用される。

Facebookグループ内で何度も違反行為を繰り返した人は、一時的にグループ内での投稿やコメントを停止され、他の人をグループに招待することも、新しいグループを作ることもできなくなる。Facebookによると、この措置は悪者のリーチを減らすことを目的としている。

新しいポリシーは、最終的な閉鎖につながったグループの悪い行動をより透明に記録する方法をFacebookに与えるものだ。この一種の「ペーパートレイル」は、Facebookが強制措置を講じた際に生じることのある偏見の告発をかわすのにも役立つ。ソーシャルネットワークは保守派に対して偏見を持っていると信じている右派のFacebook批判者たちによってしばしば提起される非難だ。

しかし、これらのポリシーの問題は、最終的にはFacebookのルールを破った人たちを容赦なく叩くことにつながることだ。今日のユーザーたちが冗談まじりに「Facebookの牢獄」と呼んでいるものとそれほど変わらない。個人やFacebookページがFacebookのコミュニティ基準に違反すると、一時的にサイト上でのやり取りや特定の機能の使用が禁止される。Facebookは今まさに、Facebookグループとそのメンバーのために、修正を加えてこの公式を再現しようとしているのだ。

他にも問題がある。1つには、これらのルールはFacebookに依存しており、それがどの程度効果的かは不明な点だ。もう1つは、グループを見つける際の重要な手段である検索を無視しているという点だ。Facebookは、質の低いグループの検索結果の表示順を下げることで解決すると主張しているが、その取り組みの結果は明らかに混沌としている。

Facebookは2020年秋の誤情報取り締まりで、プラットフォーム全体でのQAnonコンテンツの禁止について抜本的な声明を出しているが、QAnonに関連するコンテンツ(QAnonという名前ではないが、QAnon風の「愛国者」や陰謀に迎合するグループなど)を検索することは依然として可能だ。

関連記事:Facebookは全プラットフォームで米国の陰謀論グループQAnonを締め出しへ

似たようなケースでは「antivax(反ワクチン)」や「covid hoax(コロナウイルスのデマ)」などの用語を検索すると「一般的な反ワクチン派」ではなく「RNAのみ反対派」と自称するグループの他「ワクチンに反対する親たち」というグループや「ワクチンを嫌う人たち」のグループで「『真』のワクチン情報」を広めるていると提唱するグループなど、問題のあるグループに誘導される(Facebookが発表する前の3月16日、我々はこの件を確認している)。

明らかに、これらは公式の医療情報源ではなく、Facebookのポリシーに基づいて推奨されるものでもないが、Facebookの検索で簡単に見つけることができる。しかし同社は、新型コロナウイルスやワクチンに関する誤った情報に対してより強力な対策を講じている。同社によると、虚偽の申し立てを繰り返し共有していたページ、グループ、アカウントを削除し、それ以外の場合はランクを下げるという。

念のために言っておくと、Facebookはコンテンツへのアクセスをブロックする強力な技術的手段を完全に備えている。

例えば同社は米国の選挙後の「stop the steal(選挙泥棒を止めろ)」などの陰謀を禁止した。そして今でも「stop the steal」というキーワードでグループを検索すると、検索結果が見つからなかったことを示す空白のページが返ってくる。

Facebookは「stop the steal(選挙泥棒を止めろ)」を完全にブロック

では「QAnon」のような禁止されているトピックがなぜ検索結果に出てくるのか。

なぜ「covid hoax」なら出てくるのだろう。(以下参照)

Facebookグループにおける「covid hoax」の検索結果

Facebookが、問題のある検索語のリストを拡大し、他の種類の有害なコンテンツについて空白のページを返そうと思えば、それは可能なのだ。実際、偽の情報を拡散することが分かっているURLのブロックリストを維持したいのであれば、それも可能だ。これにより、ユーザーはそれらのリンクを含む投稿を再共有できなくなる。これらの投稿をデフォルトで非公開にすることもできる他、規則に繰り返し違反したユーザーや、規則の一部に違反したユーザーには、投稿を公開できなくなったユーザーとしてフラグを付けることもできるのである。

言い換えれば、Facebookがプラットフォーム上で拡散される偽情報、悪影響、偏向などの有害なコンテンツに本当に大きな影響を与えたいのであれば、非常に多くのことができるのだ。にもかかわらず、一時的な刑罰や、今日発表されたような「繰り返される」違反のみを目的とした刑罰を淡々と進めている。おそらく以前よりも罰則が強化されてはいるが、十分とは言えないのではないだろうか。

画像クレジット:TechCrunch


【原文】

Facebook this morning announced it will increase the penalties against its rule-breaking Facebook Groups and their members, alongside other changes designed to reduce the visibility of groups’ potentially harmful content. The company says it will now remove civic and political groups from its recommendations in markets outside the U.S., and will further restrict the reach of groups and members who continue to violate its rules.

The changes follow what has been a steady, but slow and sometimes ineffective crackdown on Facebook Groups that produce and share harmful, polarizing or even dangerous content.

Ahead of the U.S. elections, Facebook implemented a series of new rules designed to penalize those who violated its Community Standards or spread misinformation via Facebook Groups. These rules largely assigned more responsibility to Groups themselves, and penalized individuals who broke rules. Facebook also stopped recommending health groups, to push users to official sources for health information, including for information about Covid-19.

This January, Facebook made a more significant move against potentially dangerous groups. It announced it would remove civic and political groups, as well as newly created groups, from its recommendations in the U.S. following the insurrection at the U.S. Capitol on Jan. 6, 2021. (Previously, it had temporarily limited these groups ahead of the U.S. elections.)

As The WSJ reported when this policy became permanent, Facebook’s internal research had found that Facebook groups in the U.S. were polarizing users and inflaming the calls for violence that spread after the elections. The researchers said roughly 70% of the top 100 most active civic Facebook Groups in the U.S. had issues with hate, misinformation, bullying and harassment that should make them non-recommendable, leading to the January 2021 crackdown.

Today, that same policy is being rolled out to Facebook’s global user base, not just Facebook U.S. users.

That means in addition to health groups, users worldwide won’t be “recommended” civic or political groups when browsing Facebook. It’s important, however, to note that recommendations are only one of many ways users find Facebook Groups. Users can also find them in search, through links people post, through invites and friends’ private messages.

In addition, Facebook says groups that have gotten in trouble for violating Facebook’s rules will now be shown lower in recommendations — a sort of downranking penalty Facebook often uses to reduce the visibility of News Feed content.

The company will also increase the penalties against rule-violating groups and their individual members through a variety of other enforcement actions.

Image Credits: Facebook

For example, users who attempt to join groups that have a history of breaking Facebook’s Community Standards will be alerted to the the group’s violations through a warning message (shown above), which may cause the user to reconsider joining.

The rule-violating groups will have their invite notifications limited, and current members will begin to see less of the groups’ content in their News Feed, as the content will be shown further down. These groups will also be demoted in Facebook’s recommendations.

When a group hosts a substantial number of members who have violated Facebook policies or participated in other groups that were shut down for Facebook Community Standards violations, the group itself will have to temporarily approve all members’ new posts. And if the admin or moderator repeatedly approves rule-breaking content, Facebook will then take the entire group down.

This rule aims to address problems around groups that re-form after being banned, only to restart their bad behavior unchecked.

The final change being announced today applies to group members.

When someone has repeated violations in Facebook Groups, they’ll be temporarily stopped from posting or commenting in any group, won’t be allowed to invite others to join groups, and won’t be able to create new groups. This measure aims to slow down the reach of bad actors, Facebook says.

The new policies give Facebook a way to more transparently document a group’s bad behavior that led to its final shutdown. This “paper trail,” of sorts, also helps Facebook duck accusations of bias when it comes to its enforcement actions —  a charge often raised by Facebook critics on the right, who believe social networks are biased against conservatives.

But the problem with these policies is that they’re still ultimately hand slaps for those who break Facebook’s rules — not all that different from what users today jokingly refer to as “Facebook jail“. When individuals or Facebook Pages violate Facebook’s Community Standards, they’re temporarily prevented from interacting on the site or using specific features. Facebook is now trying to replicate that formula, with modifications, for Facebook Groups and their members.

There are other issues, as well. For one, these rules rely on Facebook to actually enforce them, and it’s unclear how well it will be able to do so. For another, they ignore one of the key means of group discovery: search. Facebook claims it downranks low-quality results here, but results of its efforts are decidedly mixed.

For example, though Facebook made sweeping statements about banning QAnon content across its platform in a misinformation crackdown last fall, it’s still possible to search for and find QAnon-adjacent content — like groups that aren’t titled QAnon but cater to QAnon-styled “patriots” and conspiracies).

Similarly, searches for terms like “antivax” or “covid hoax,” can also direct users to problematic groups — like the one for people who “aren’t anti-vax in general,” but are “just anti-RNA,” the group’s title explains; or the “parents against vaccines” group; or the “vaccine haters” group that proposes it’s spreading the “REAL vaccine information.” (We surfaced these on Tuesday, ahead of Facebook’s announcement.)

 

Cleary, these are not official health resources, and would not otherwise be recommended per Facebook policies — but are easy to surface through Facebook search. The company, however, takes stronger measures against Covid-19 and Covid vaccine misinformation — it says it will remove Pages, groups, and accounts that repeatedly shared debunked claims, and otherwise downranks them.

Facebook, to be clear, is fully capable of using stronger technical means of blocking access to content.

It banned “stop the steal” and other conspiracies following the U.S. elections, for example. And even today, a search for “stop the steal” groups simply returns a blank page saying no results were found.

Image Credits: Facebook fully blocks “stop the steal”

So why should a search for a banned topic like “QAnon” return anything at all?

Why should “covid hoax?” (see below)

Image Credits: Facebook group search results for “covid hoax”

 

If Facebook wanted to broaden its list of problematic search terms, and return blank pages for other types of harmful content, it could. In fact, if it wanted to maintain a block list of URLs that are known to spread false information, it could do that, too. It could prevent users from re-sharing any post that included those links. It could make those posts default to non-public. It could flag users who violate its rules repeatedly, or some subset of those rules, as users who no longer get to set their posts to public…ever.

In other words, Facebook could do many, many things if it truly wanted to have a significant impact on the spread misinformation, toxicity, polarizing and otherwise harmful content on its platform. Instead, it continues inching forward with temporary punishments and those that are often only aimed at “repeated” violations, such as the ones announced today. These are, arguably, more penalties than it had before — but also maybe not enough.

(文:Sarah Perez、翻訳:Dragonfly)

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COMMENTS


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