姿を変えるウイルスやマルウェア、“variant”に警戒続く :IT基礎英語

今回は「姿を変えるウイルスやマルウェア、“variant”に警戒続く :IT基礎英語」についてご紹介します。

関連ワード (個々、出回、可能性等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、It Media News様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 新型コロナウイルスの’variant’が世界中で感染を広げている。姿形を変えて拡散するウイルスやマルウェアは、感染力が強くなったり発見が難しくなったりして事態を一層悪化させかねない。

 variantは「vary」(変化する)「variety」(バラエティ)「variation」(バリエーション)などと同じ語源をもつ単語の名詞形で、「変化したもの」の意味がある。ただし変化して全く別のものになるわけではない。新型コロナなどウイルスのvariantといえば、同じ種類のウイルスに分類されるけれども遺伝子が変異して性質が変わった「変異株」のことをいう。

 ちなみに日本のメディアは最初「変異種」と訳したりしていたけれど、感染症学会の指導が入って「変異株」の訳語が正しいということになった。

 新型コロナやインフルエンザなどのウイルスは常に変異している。世界で感染者が再び増加傾向にあるのもvariantsが一因らしい。

Preliminary data suggests the P1 variant could be up to twice as transmittable as the original version of the virus. It also suggests that the new variant could evade immunity built up by having had the original version of Covid. The chance of reinfection is put at between 25% and 60%.()

予備的なデータによると、P1変異株は同ウイルスの最初のバージョンに比べて最大で2倍の感染力をもつ可能性がある。さらに、最初のバージョンの新型コロナウイルスによってできた免疫をかわす可能性も示唆されている。再感染の確率は25〜60%とされる。

 コンピュータの世界でも、ウイルスやマルウェアのvariantは厄介な存在だ。この分野のvariantは「亜種」と訳すことが多い。かつてセキュリティ対策の主流だったウイルス対策ソフトウェアは、個々のマルウェアの特徴を記録したウイルス定義ファイル(パターンファイルとも呼ばれる)を使って検出や削除を行っている。そこで攻撃を仕掛ける側は、自分たちが作ったマルウェアや他人のマルウェアに手を加えて定義ファイルと一致させないようにすることで、検出を免れようとする。

 勝手に変異するか人間が手を加えるかという違いはあるものの、次々にvariantが出回る状況は感染症ウイルスもコンピュータマルウェアも変わらない。かつて猛威を振るったマルウェアの「WannaCry」や「Mirai」もランサムウェアの「Ryuk」もvariantが存在するし、最近ではMicrosoftの「Exchange Server」の脆弱性を突くランサムウェアの亜種も出現した。

Microsoft has confirmed the existence of a ransomware variant leveraging these vulnerabilities, which has been dubbed “DearCry.” It is reasonable to suspect that the ransomware authors were paying homage to an unrelated yet infamous ransomware family, “WannaCry,”()

マイクロソフトはこれらの脆弱性を悪用するランサムウェアの亜種「DearCry」の存在を確認した。このランサムウェアの作者は、無関係だが悪名高いランサムウェア「WannaCry」に敬意を表しているようだ。

 感染症を引き起こすウイルスが変異すれば、新しいワクチンの開発を強いられることもある。コンピュータに悪さをするマルウェアが変異すれば、それまでの対策が通用しなくなる。医学界でもIT業界でもvariantとのいたちごっこは続く。

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