火星で初飛行に成功、NASAの小型ヘリコプターを支えるオープンソースソフトウェア
今回は「火星で初飛行に成功、NASAの小型ヘリコプターを支えるオープンソースソフトウェア」についてご紹介します。
関連ワード (ソフトウェア等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
人類史上で初めて、地球以外の惑星において飛行機、正確に言えば「Ingenuity」と名付けられた小型ヘリコプターが飛行した。そしてこのヘリコプターのエンジニアリングにはオープンソースソフトウェアが活用されている。
このちょっとした奇跡は米国時間4月19日東部標準時午前3時31分に起きた。米航空宇宙局(NASA)の小型ヘリコプターであるIngenuityは火星という、地球以外の惑星で飛行した初の動力飛行機となった。このエンジニアリング上の偉業を支えているのは、Linuxやオープンソースソフトウェア、NASAのジェット推進研究所(JPL)のオープンソースフレームワークである「F′」(Fプライムと発音する)をベースにNASAが開発したプログラムだ。
現時点で地球と火星の間は、光ですら16分かかるほど離れている。それほど遠い場所での飛行を成功させるまでの道のりは決して平坦ではなかった。火星の重力は地球の3分の1程度しかないとはいうものの、その大気密度は地球の100分の1ほどしかないのだ。
実際のところ、Ingenuityの目的はテクノロジーのデモンストレーション以外の何ものでもない。Ingenuityは、過去の生命の痕跡を探したり、以降のミッションで地球に持ち帰る岩石や土壌のサンプルを採集したりするという「Perseverance」のミッション支援を目的として設計されたわけではない。Ingenuityのミッションは、商用オフザシェルフ(COTS)のハードウェアとオープンソースソフトウェアを用いて火星の空を飛行できることを実証するというものだ。
GitHubの最高経営責任者(CEO)Nat Friedman氏と同氏のチーム、そしてJPLのIngenuityチームは時間をかけてIngenuityのコードを分析し、「GitHubの1万2000人近い開発者たちがオープンソースを通じてIngenuityのソフトウェアに貢献した」ことを見出した。ただその一方で、「これら開発者のほとんどは、ブラックホールの画像が初めて撮影された時の関係者と同様に、火星での初飛行を成し遂げたこのヘリコプターの実現に貢献したことに気付いていない」と明らかにした。
しかし開発者らは今回、その事実を知ることになるはずだ。Friedman氏は「われわれは今日、表立っていなかった人たちに光を当てたいと考えている。われわれはJPLと協力し、Ingenuityで用いられたオープンソースプロジェクトやライブラリーの特定のバージョンに貢献したすべての開発者のGitHubプロフィールに『Mars 2020 Helicopter Mission』という新しいバッジを表示するようにした」と記した。
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