日経平均どこまで上がる?–バイデノミクスと株式市場の蜜月は続く?
今回は「日経平均どこまで上がる?–バイデノミクスと株式市場の蜜月は続く?」についてご紹介します。
関連ワード (経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
本記事は楽天証券が提供する「トウシル」の「TOP 3分でわかる!今日の投資戦略」からの転載です。
これら3点について、楽天証券経済研究所長兼チーフストラテジストの窪田真之氏の見解を紹介する。
1月第2週(1月12~15日)の日経平均は1週間で380円上昇して、2万8519円となった。12月最終週(12月28~30日)から3週連続の上昇だ。上昇ピッチがやや速過ぎるので短期的にスピード調整する可能性はあるが、「世界景気の回復期待を背景にした日経平均上昇」の流れは変わりそうにない。
今の株高を、「不況下の株高・経済実態とどんどん乖離(かいり)」と評する人がいるが、筆者はそうは考えていない。景気回復を織り込む、ごく普通の株高と考えている。
ご覧いただくと分かる通り、日経平均は景気循環を少し先取りして動いている。景気後退期に入るより半年~1年早く、株はピークアウトして下げ始めることが多いと言える。景気回復が続いているうちに株が下げ始める「好況期の株安」が起こる。
一方、景気後退期の終盤には「不況期の株高」が起こることがある。景気対策として中央銀行が大規模な金融緩和を実施すると、景気回復を先取りする「不況下の株高」が起こりやすくなる。
このように、「好況下の株安」「不況下の株高」は、過去しばしば普通に起こってきたことだ。今の株高は、2021年後半の世界景気回復期待を反映したものと考えられる。筆者は、日本および世界の景気は2020年7月から回復期に入り、2021年いっぱい回復が続くと考えている。その前提で考えるならば、今の世界株高は、「景気回復を織り込む普通の株高」だ。
以下、グラフ内にある3つの景気後退期と、2つの景気停滞期を解説する。
日経平均は景気後退期に入る約1年前にピークアウトして下げ始めていた。景気後退が終わるとほぼ同時に日経平均は急反発を始めている。
民主党政権下で円高が進み、景気後退期に入った。2012年12月に安倍元首相によるアベノミクスが始まってから景気は回復に向かい、日経平均は急反発した。
日経平均は景気停滞期に入る前の2013年12月に高値をつけ、下げ始めていた。景気停滞は3カ月と短く、停滞期に入ると、もう次の景気回復を織り込む日経平均の上昇が始まった。
この時、中国・米国はじめ世界中の景気が「景気後退すれすれ」まで悪化したが、景気後退期の定義は満たさなかったので、景気停滞期としている。日経平均は、景気停滞期に入る3カ月くらい前から下げ始めた。底打ち・反発は、景気回復期に入った後となった。
米中貿易戦争の影響で、世界的に製造業の景況が悪化し、2018年10月から日本は景気後退期に入った。日経平均はそれとほぼ同時に下落を始めた。2019年末に一時景気回復期待が高まり、日経平均は上昇したが、2020年に入りコロナショックで再び暴落した。
2020年7月から、世界景気は回復期に入っていると考えている。景気回復を織り込む株高が続いている。
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