IT運用の自動化を支援する「Kyndryl Bridge」–キンドリルが事業戦略

今回は「IT運用の自動化を支援する「Kyndryl Bridge」–キンドリルが事業戦略」についてご紹介します。

関連ワード (運用管理等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 キンドリルジャパンは11月30日、報道機関向けに事業戦略説明会を開催し、企業のミッションクリティカルなシステムの運用を支援する統合プラットフォームとして「Kyndryl Bridge」を紹介した。

 代表取締役社長の上坂貴志氏はまず、2021年9月の事業開始からの1年間について、「社会成長の生命線を担う」という同社の目指す姿を示し、インフラサービスやシステム運用サービスを顧客とともに成長させてきたと振り返った。

 直近の事業概況は、売り上げで2%の堅調な成長を続けており、「クラウド」「メインフレーム」「デジタルワークプレース」「アプリケーション&データAI」「セキュリティ&レジリエンシー」「ネットワーク&エッジ」の6つの技術領域でサービスを拡充している。また、アウトソーシングによる運用のサービス提供から共創型ビジネスへのシフトが加速しているという。

 一方で上坂氏は、堅牢で安心・安定・安全なシステムを支える日本のIT運用の現場として「1万件のバッチジョブを10人のオペレーターが毎晩監視」「セキュリティパッチの適用情報を『Excel』で管理」「毎月1500台のサーバーにログインして、10労働日かけて月次報告書を作成」「障害発生後に同類事例を検索し、対応を確認」といったことが日々行われていると紹介し、「ここに改善の余地があり、宝の山が眠っていると考えている」と語った。

 その上で、企業が顧客体験(CX)やデジタル変革(DX)を推進し、システムがより複雑化しても安心・安定・安全な運用を支え、コストの効率化とデジタルなIT運用を実現するものとして、Kyndryl Bridgeが紹介された。

 Kyndryl Bridgeは、キンドリルが保有する長年の運用知見を人工知能(AI)や自動化アセットとして実装し、ハイブリッド/マルチクラウドでより複雑化し変化するIT資源に対して、ITの可視化、障害回復時間の短縮、障害の未然防止/自動復旧を支援する統合プラットフォーム。ユーザー企業のIT環境やクラウドなどの利用サービスから出てくるさまざまなデータを取り込み、データレイクに溜めておき、そのデータに機械学習をかけることで、複雑なIT資産のインサイト(洞察)をリアルタイムに把握し、各企業に応じたミッションクリティカルなIT運用を実現する。グローバルでは9月に発表され、既にサービスとして稼働を開始している。

 執行役員 最高技術責任者(CTO) 兼 最高情報セキュリティ責任者(CISO)の澤橋松王氏はプラットフォームの特徴として「インフラからアプリまでエンドツーエンドのオブザーバビリティー(可観測性)とプロアクティブな洞察のリアルタイム提供」「数十年にわたるエンタープライズシステム経験とグローバル規模の膨大なIT運用データを蓄積したデータレイク」「月2000万回を超える自動実行と5000を超える自動化アセットを備えたマーケットプレース」「新たなツール購入や統合開発が不要で既存ツールとの柔軟なインターフェースの提供」の4つを挙げる。

 澤橋氏は、Kyndryl Bridgeで「ITシステムの運用モデルがガラッと変わる」といい、既にパイロット運用で成果が表れていると話す。

 例えば、Bord Gais Energyでは、IT資産全体の安定性が向上し、全てのイベント、アラート、セキュリティインシデントの40%が自動的に解決した。Brasil Foodsでは、IT組織全体で部門コストを統合、分配、検証するためのリードタイムを85%短縮。エネルギー・公益事業の大手企業では、障害が顕在化する前に予測可能な運用を実装することで、30%のインシデントを削減したという。

 上坂氏は今後の事業展開について、「これからもお客さまの堅牢で安心・安定・安全なシステム運用とインフラ変革を支援する」と強調し、「ミッションクリティシステムの運用実績に基づく自動化の推進」と「6つの技術領域を軸としたインフラのモダナイゼーション」「サービス選択の幅を広げ、お客さまにベストオブブリードなソリューションの提供」「新技術を理解するための環境の提供と、共創体験や教育機会を通じた構想策定」「従来型の保守運用サービスを超え、課題解決をインフラからリード」などを掲げた。

 また、オープンでベストオブブリードのアライアンスエコシステムを構築するとし、この1年で20社以上の国内外のアライアンスパートナーとの協業やジョイントソリューションを発表した点も強調した。

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