Epic GamesがアーティストコミュニティのArtStationを買収、直ちに手数料を12%に引き下げ

今回は「Epic GamesがアーティストコミュニティのArtStationを買収、直ちに手数料を12%に引き下げ」についてご紹介します。

関連ワード (Apple、ArtStation、Epic Games、買収等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、TechCrunch様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


Fortnite(フォートナイト)のメーカーであるEpic Games(エピックゲームズ)は、Apple(アップル)のApp Storeのビジネスモデルに対して史上最大の訴訟を起こしたその同じ日に、アーティストポートフォリオコミュニティのArtStation(アートステーション)を買収し、直ちに販売手数料を値下げしたことを発表した。今後ArtStationの一般クリエイターは、Epic自身のPC向けGames Storeと同じ12%の手数料で利用できる。これまでは30%だった。この値下げは、幅広いコミュニティに対して「適切な」手数料率の見本を示す狙いがある。つまり今後の裁判で、Apple App StoreがEpicなどの大規模デベロッパーに課している30%の手数料との比較基準になる可能性がある。

現在ArtStationは、ゲーミング、メディア、エンターテインメントなどのクリエイターが自分たちの作品を披露し、新しい仕事を見つけるための場を提供している。同社はEpic Gamesと長年の関係があり、AirStationのクリエイターの多くがEpicのUnreal Engineの仕事をしている。しかし、ArtStationは、Unreal Engineを使わないさまざまな分野の2Dおよび3Dクリエイターの居場所でもある。

買収によってそれが変わることはない、とチームは発表文の中で述べている。むしろ、この契約によってクリエイターが作品を収益化する機会は広がる。中でも大きいのが、手数料引き下げだ。一般クリエイターの手数料は30%から12%に下がる。Pro(プロ)メンバー(月額9.95ドル、約1086円のサブスクリプション料金を払っている)の場合、手数料はさらに低く、20%から8%に引け下げられる。そしてセルフプロモーションによる販売では、手数料はわずか5%だ。ストリーミングビデオサービスのArtStation Learning(アートステーション・ラーニング)も2021年いっぱい無料だと同社はいう。

しかし手数料の引き下げこそが、EpicのArtStationに対する最も重要な変更だ。なぜならそれは、Epicが自身のクリエイターコミュニティをどう扱っているかを示す具体例になるからだ。同社はこの買収と手数料変更と自身のEpic Games Storeの低い手数料率を、Appleとの裁判で引き合いに出すに違いない。すでにEpicの動きはMicrosoft(マイクロソフト)のゲーム販売における取り分減少へと波及しており、最近同社は同様に手数料を30%から12%へと引き下げることを発表した。

Epic Gamesは裁判で、AppleがiOSアプリのエコシステムを独占していることによる市場支配力を濫用し、デベロッパーにAppleの決済システムを使用することを強制し、販売およびシステムを通じて行われるアプリ内購入で手数料を支払わせていると主張するつもりだろう。Epic Gamesは、他の大手アプリメーカー同様、自らの決済システムを使用して手数料を回避したいと思っている。あるいは、最低でもユーザーが直接支払いできるウェブサイトへと誘導できるようにしたい。しかし、Appleはこれを許していないことがApp Storeガイドラインに記されている。

2020年Epic Gamesは、モバイル端末で直接支払って大幅な割引を受けられる方法を新たに導入したことで、FortniteがApp Storeから追放される事態を招いた。それは計算された行動だった。その結果AppleとGoogleは両社ともに、それぞれのApp Storeのポリシーに違反したとして同ゲームを排除した。そしてEpicが訴訟した。

Epicの戦いは厳密にはAppleとGoogleを相手にしているが、エネルギーの大部分は前者に集中している。なぜならAndroidはアプリのサイドローディング(ストア外でのインストール)を許しているのに対して、Appleは違うからだ。

一方Appleの主張は、Epic GamesはAppleの規約とガイドラインに同意しながら、意図的に違反して特別な特典を得ようとしたというものだ。Appleは、ガイドラインは全デベロッパーに公平に適用されるものであり、Epicが例外になることはないと言っている。

しかし大手テック企業に対する一連の米国反トラスト捜査の結果、実際にはAppleが過去に特別契約を結んでいたことが発見されている。下院司法委員会が捜査結果の一環として公開したメールは、AppleがAmazon Prime Videoアプリの手数料をスタート時から15%とすることに同意していたことを暴露した。通常サブスクリプション・ビデオ・アプリの手数料は1年目が30%で、2年目以降は15%になる(AppleはAmazonが新たなプログラムの要件を満たしただけだと言っている。さらに別の古いメールは、Appleが手数料を30%以上に上げる交渉を何度か行っていことも明らかにしており、Appleが手数料率に柔軟性があると考えていたことを示している。

今回のEpic Gamesによる買収以前に、ArtStationはパンデミックさなかの不確実な期間を乗り切るために、Epicから「MegaGrants」と呼ばれる巨額の資金提供を受けている。これがその後両社の繋がりを強くするきっかけになった可能性がある。

「過去7年間、私たちはクリエイターが自分の作品を世に紹介してチャンスを掴み、大好きなことをなりわいにできるための努力を続けてきました」とArtStationのCEOで共同ファウンダーであるLeonard Teo(レオナルド・テオ)氏が声明で語った。「Epicの一員となることで、私たちはこのミッションを推し進め、自分たちだけではできなかった形でコミュニティに還元し、かつArtStationの名前と精神を維持することができます」

画像クレジット:ArtStation


【原文】

One the same day as Fortnite maker Epic Games goes to trial with one of the biggest legal challenges to the App Store’s business model to date, it has simultaneously announced the acquisition of the artist portfolio community ArtStation — and immediately lowered the commissions on sales. Now standard creators on ArtStation will see the same 12% commission rate found in Epic’s own Games Store for PCs, instead of the 30% it was before. This reduced rate is meant to serve as an example to the wider community as to what a “reasonable” commission should look like. This could become a point of comparison with the Apple App Store’s 30% commission for larger developers like Epic as the court case proceeds.

ArtStation today offers a place for creators across gaming, media and entertainment to showcase their work and find new jobs. The company has had a long relationship with Epic Games, as many ArtStation creators work with Epic’s Unreal Engine. However, ArtStation has also been a home to 2D and 3D creators across verticals, including those who don’t work with Unreal Engine.

The acquisition won’t change that, the team says in its announcement. Instead, the deal will expand the opportunities for creators to monetize their work. Most notably, that involves the commission drop. For standard creators, the fees will drop from 30% to 12%. For Pro members (who pay $9.95/mo for a subscription), the commission goes even lower — from 20% to 8%. And for self-promoted sales, the fees will be just 5%. ArtEngine’s streaming video service, ArtStation Learning, will also be free for the rest of 2021, the company notes.

The slashed commission, however, is perhaps the most important change Epic is making to ArtStation because it gives Epic a specific example as to how it treats its own creator communities. It will likely reference the acquisition and the commission changes during its trial with Apple, along with its own Epic Games Store and its similarly low rate. Already, Epic’s move had prompted Microsoft to lower its cut on game sales, too, having recently announced a similar 30% to 12% drop.

In the trial, Epic Games will try to argue that Apple has a monopoly on the iOS app ecosystem and it abuses its market power to force developers to use Apple’s payment systems and pay it commissions on the sales and in-app purchases that flow through those systems. Epic Games, like several other larger app makers, would rather use its own payment systems to avoid the commission — or at the very least, be able to point users to a website where they can pay directly. But Apple doesn’t allow this, per its App Store guidelines.

Last year, Epic Games triggered Fortnite’s App Store expulsion by introducing a new direct way to pay on mobile devices, which offered a steep discount. It was a calculated move. Both Apple and Google immediately banned the game for violating their respective app store policies, as a result. And then Epic sued.

While Epic’s fight is technically with both Apple and Google, it has focused more of its energy on the former because Android devices allow sideloading of apps (a means of installing apps directly), and Apple does not.

Meanwhile, Apple’s argument is that Epic Games agreed to Apple’s terms and guidelines and then purposefully violated them in an effort to get a special deal. But Apple says the guidelines apply to all developers equally, and Epic doesn’t get an exception here.

However, throughout the course of the U.S. antitrust investigations into big tech, it was discovered that Apple did, in fact, make special deals in the past. Emails shared by the House Judiciary Committee as a part of an investigation revealed that Apple had agreed to a 15% commission for Amazon’s Prime Video app at the start, when typically subscription video apps are 30% in year one, then 15% in year two and beyond. (Apple says Amazon simply qualified for a new program.) Plus, other older emails revealed Apple had several discussions about raising commissions even higher than 30%, indicating that Apple believed its commission rate had some flex.

Ahead of today’s acquisition by Epic Games, ArtStation received a “Megagrant” from Epic during the height of the pandemic to help it through an uncertain period. This could may have pushed the two companies to further discuss deeper ties going forward.

“Over the last seven years, we’ve worked hard to enable creators to showcase their work, connect with opportunities and make a living doing what they love,” said Leonard Teo, CEO and co-founder of ArtStation, in a statement. “As part of Epic, we will be able to advance this mission and give back to the community in ways that we weren’t able to on our own, while retaining the ArtStation name and spirit.”

(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook )

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COMMENTS


26507:
2021-05-05 02:22

と思ったけどEpic gamesって非上場なのかよ。株買えないじゃん。

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