「フェムテック」って何? 女性特有の不便・不調を技術で解決
今回は「「フェムテック」って何? 女性特有の不便・不調を技術で解決」についてご紹介します。
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これも女性解放の機運なのだろうか。生理や妊娠、更年期障害など、生物としての女性(フィーメイル)特有の健康課題や不便さを技術(テクノロジー)で解決することを目指す「フェムテック」が注目されている。大っぴらに語ることがはばかられていたテーマだが、有名百貨店がフェムテック催事を開くなどで注目度がアップ。予備軍(子供)を含めたターゲットは単純に人口の半数に及び、マーケットとしてのポテンシャルも大きい。
伊勢丹新宿店で今春開かれたフェムテック催事。性を前向きに楽しみ、健康に役立てるグッズ150品が並んだ。本館1階での画期的な試み。有名タレントの提案コーナーも設け、30〜40代女性を中心に盛況を博し、懸念した苦情はゼロ。売り上げ1位はデリケートゾーン用の洗浄・潤い化粧品、2位は下腹部の内部筋力を鍛えるグッズ、3位は生理や尿漏れに対応する吸水ショーツとなった。
「フェムテックを知っていただく機会を増やすことが必要。百貨店だからこそ安心してお使いいただける品ぞろえと正確な情報発信につとめたい」と担当者。一部商品は常設売り場「ビューティアポセカリー」でも扱い、7月28日から第2弾催事も予定されている。
運動量や心拍数、呼吸数、血中酸素レベルなどさまざまな健康情報が測定できるウェアラブル端末でも、フェムテックが登場。GPS機器で知られる米Garminは2月に日本で発売した女性用スマートウォッチ「Lily」(2万5080円から)に、生理周期の他、妊娠期間の健康管理機能を搭載し、後続モデルでも標準化した。フェミニンな服装にも合うデザインで裾野を広げる。
同社のスマートウォッチはランナーやゴルファーの利用が多く、日本ユーザーの8割が男性だが、フェムテックで新境地を開拓。コロナ禍で健康意識が高まる一方、病院受診は控える傾向のなか、健康セルフケアとして需要が伸びている。
ナプキン、タンポンに続く生理用品「月経カップ」も認知度を上げている。直径4〜5cm、長さ約5cmの漏斗型の医療用シリコーン製品。体内に装着し子宮から降りてくる経血を直接受け止めるので、蒸れやベタつきなどの不快感を取り除け、入浴やプールにも支障がない。最長12時間使用可能。約5000円するが、洗って何年も使え、エコの観点からも共感されている。
北米で普及が進む月経カップを輸入販売する「インテグロ」の神林美帆社長が、事業を始めたきっかけは4年半前。米国のIT企業に勤める現在の夫から、「同僚の奥さんが、こんな生理用品を作っているんだけど」と、カラフルなカップを渡された。
「使ってみると、とても便利」。生理中も練習を休めない水泳選手に紹介したのを端緒に口コミで広がり、ユーザーは現在5万人。「忙しい子育て世代、運動や仕事のパフォーマンスを上げたいなど目的のある女性に向く。使用にはコツがあり、慣れるまで少し練習が必要」と神林さん。「テクノロジーといわれていますが、月経カップの原型は第二次世界大戦前の米国ですでにあった。ただ当時は、ゴム製で快適に使えるものではなかったのです」。世紀を超えた素材の進化で生まれた?第3の生理用品?である。
働く女性をターゲットに産経新聞社が発行し、20万部を東京メトロ主要駅で無料配布している月刊誌「メトロポリターナ」の6月号でも、初のフェムテック特集を行う。性的に際どい商品も紹介される。「(公共空間での配布に)クレームも覚悟していますが、年代や個人により感じ方はさまざま。フェムテックに真剣に取り組む媒体であることを示したい」と編集部。10日、駅構内に配置する。 不快や不便、欲求を当事者がオープンにしてこそ、新たな商品やサービスが生まれる。女性より平均寿命が短い男性の健康に寄り添う、「メイルテック」も必要だと思う。(重松明子)
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