有機太陽電池をプリント、周囲の光をエネルギーに変えるDracula Technologiesの技術

今回は「有機太陽電池をプリント、周囲の光をエネルギーに変えるDracula Technologiesの技術」についてご紹介します。

関連ワード （Dracula Technologies、IoT、フランス、太陽光発電、有機太陽電池 / OPV等） についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、TechCrunch様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。

コウモリの形をした光発電モジュール（画像クレジット：Dracula Technologies）

IoTデバイスの増加し多くの人の仕事がより便利になっているが、それにはコストがかかる。国連は、2021年に世界で発生する電子廃棄物の量が5220万トンに達すると予想しているが、そのかなりの部分が使用済みバッテリーだ。

フランスのスタートアップ企業で、現在、Computexにバーチャル出展しているDracula Technologiesは、インクジェットプリントによる有機太陽電池（OPV）の技術を提供したいと考えている。LAYER（Light As Your Energetic Response）」と名づけられた同社のOPVモジュールは、自然光や人工光を利用して室内で動作し、低消費電力の室内機器に使用することができる。OPVモジュールは、シリコンではなくプリントされているため、形状をカスタマイズすることが可能で、多くのバッテリーと違いレアアースや重金属を使用していない。また、多くのバッテリーとは違い、レアアースや重金属を使用せず、炭素ベースの材料で作られている。

環境への配慮に加えて、LAYERは経済性にも優れており、バッテリーと比べて総所有コストを4分の1に抑えることができるという。

Dracula Technologiesは現在、日本の半導体メーカーであるルネサスエレクトロニクスと英国のAND Technology Research（ANDtr）との提携を含め、メーカーと協力して、BLEでモバイルアプリにメッセージを送れる自己発電型のバッテリーレスIoTデバイスを開発している。

Dracula Technologiesは2011年に創業されたが、その前はフランスの原子力・代替エネルギー庁（CEA）との協同プロジェクトに関わっていた。CEOのBrice Cruchon（ブライス・クルション）氏がその技術の商用性を見抜き、6年の研究開発を経て、ディープテクノロジーのスタートアップを育成するHello Tomorrowの事業からLAYERを開発した。

これまでDracula Technologiesは総額440万ユーロ（約5億9000万円）の資金を調達しており、その中には2016年のエンジェル投資家たちによるパイロット育成事業からの200万ドル（約2億2000万円）と、2020年MGI DigitalとISRA Cardsから調達した240万ドル（約2億6000万円）が含まれる。これらの資金によりDracula Technologiesは、まだ工業化以前の段階で同社の光発電モジュールを増産することができた。2024年には工業化に移行して、年産数百万モジュールの生産規模を目指している。

デジタル印刷と印刷仕上げ工程のMGI Digitalと、免許証やギフトカード、ポイントカードなどの高品質電子カードを作っているISRA Cardsが、Dracula Technologiesの工業化を支えるパートナーだ。同社はSolar Impulse Foundationの#1000 Solutionsに、同社が育成する大規模な実装の可能なグリーンエネルギーソリューションとして選ばれている。

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【原文】

A bat-shaped organic photovoltaic module from Dracula Technologies. Image Credits: Dracula Technologies.

Internet of Things devices are proliferating, making daily tasks more convenient for many people — but that comes at a cost. The United Nations expects the amount of e-waste created globally to reach 52.2 million metric tons this year, and a sizable portion of that are dead batteries.

Dracula Technologies, a French startup that is currently exhibiting virtually at Computex, wants to help with its inkjet-printed organic photovoltaic (OPV, or organic solar cells) technology. Called LAYER (or Light As Your Energetic Response), Dracula Technologies’ OPV modules run indoors on natural or artificial ambient light, and can be used to power low-consumption indoor devices. Because they are printed and not made of silicon, the OPV modules’ shape is more customizable and, unlike many batteries, it does not use rare earths or heavy metals. Instead, the modules are created from carbon-based material.

In addition to being better for the environment, LAYER is also more economical — the company claims it can reduce the total cost of ownership by four times compared to batteries.

Dracula Technologies is currently working with manufacturers, including a partnership with Japanese semiconductor company Renesas Electronics and AND Technology Research (ANDtr) to create a self-powering, batteryless IoT device that can send messages through BLE to a mobile app.

Dracula Technologies was founded in 2011, after a project in collaboration with the CEA (Commissariat à l’énergie atomique et aux énergies alternatives, or the French Alternative Energies and Atomic Energy Commission), a public research organization. Chief executive officer Brice Cruchon saw the tech’s commercial potential and after six years of research and development, LAYER was launched through the Hello Tomorrow program for deep tech startups

So far, Dracula Technologies has raised a total of 4.4 million euros (about $5.4 million USD), including a 2 million euros round in 2016 from angel investors for a pilot line, and 2.4 million euros raised last year from MGI Digital and ISRA Cards, which Dracula Technologies is using to increase the production of its photovoltaic modules during its pre-industrialization stage. The company plans to move to its industrial phase in 2024, with the goal of producing millions of modules per year.

MGI Digital, a digital printing and finishing tech company, and ISRA Cards, which makes high-value electronic cards (like licenses or gift and loyalty cards), are Dracula Technologies’ industrial partners. It is also part of the Solar Impulse Foundation’s #1000 Solutions, a guide to green energy solutions that can be implemented on a large scale.

（文：Catherine Shu、翻訳：Hiroshi Iwatani）

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