3Dプリントでわずか60日で完成するRelativity Spaceの新しい大型ロケットTerran R、もちろん再利用可能

今回は「3Dプリントでわずか60日で完成するRelativity Spaceの新しい大型ロケットTerran R、もちろん再利用可能」についてご紹介します。

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本記事は、TechCrunch様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


3Dプリント製ロケットのスタートアップであるRelativity SpaceがシリーズEラウンドで6億5000万ドル(約712億円)を調達し、調達総額は12億ドル(約1315億円)を超えた。この件に詳しい情報筋がTechCrunchに語ったところによると、Relativityのポストマネー評価額は現在42億ドル(約4602億円)だという。

今回のラウンドを主導したのはFidelity Management & Research Companyで、他にBlackRock、Centricus、Coatue、Soroban Capitalが運用するファンドやアカウントを持つ新規投資家や、既存投資家のBaillie Gifford、K5 Global、Tiger Global、Tribe Capital、XN、Brad Buss(ブラッド・バス)氏、Mark Cuban(マーク・キューバン)氏、Jared Leto(ジャレッド・レト)氏、Spencer Rascoff(スペンサー・ラスコフ)氏らが参加した。

シリーズEからの資金は、同社の完全に再利用可能な2段式重量物打ち上げロケット「Terran R」の生産を加速するために使われる。Terran Rは、2021年末に初の軌道飛行を行うRelativityのデビューロケット「Terran 1」に加わることになる。

関連記事:Relativity Spaceが完全再利用可能な新しい大型ロケットの建造計画を発表

同社はTerran Rについて固く口を閉ざしてきたが、今回の資金調達の発表と合わせてさらに詳しい情報を明らかにした。予想通り、Terran 1とTerran Rはかなり大きな違いがある。Terran 1は消耗品であり、Terran Rは再利用可能だ。前者は小型ペイロード用、後者は大型ペイロード用に設計されている。Terran Rのペイロードフェアリングでさえ再利用可能であり、Relativityは回収とリサイクルを容易にするシステムを案出した。

この大型ロケットは、高度216フィート(約66メートル)、最大ペイロード2万ポンド(約9トン)で低地球軌道(LEO)に投入される(ちなみにSpaceXのFalcon 9ロケットの高度は約230フィート[約70メートル]、LEOへの最大ペイロードは2万2800ポンド[約10トン]である)。

左がRelativityのTerran 1、右がTerran R(画像クレジット:Relativity)

Terran Rは、1段目に7個の新しい「Aeon R」エンジンを搭載し、それぞれが30万2000ポンド(約134トン)の推進力を持つ。Terran Rのエンジンとロケットを製造するのと同じ3Dプリンターが、Terran 1の動力源となる9個の「Aeon 1」エンジンも製造しており、Relativityは新ロケットを製造するために生産ラインを大幅に再構成する必要がない。

CEOのTim Ellis(ティム・エリス)氏によると、Terran Rを1基製造するのにかかる日数は60日ほどだという。このようなペイロード容量を持つロケットとしては信じられない速さだ。

Terran 1の打ち上げはまだ行われていないが、RelativityがTerran Rの開発を遅らせる様子はない。エリス氏は、同社は2024年にはケープカナベラルの発射台からのTerran Rの打ち上げにも着手する予定であり、今回の新ロケットの最初のアンカー顧客として「有名な優良企業」と契約済みだと述べている。

Relativityは、2021年末に同社初の軌道飛行を行うロケットの約85%のプリントを終えたところだ。このミッションを遂行するTerran 1にペイロードは搭載されない。Terran 1の2回目の打ち上げは2022年6月に予定されており、NASAとの契約「Venture Class Launch Services Demonstration 2(VCLS Demo 2)」の一環としてCubeSat(キューブサット)をLEOに投入する。

RelativityのCEOであるティム・エリス氏はTechCrunchとのインタビューで、3Dプリントを製造におけるパラダイムシフトであると形容した。「私たちのアプローチ、あるいは一般的な3Dプリントは実際のところ、ガスの内燃機関から電気へ、あるいはオンプレミスサービスからクラウドへの移行に近いものだということが、人々にはあまり認識されていないように思います」とエリス氏。「3Dプリントはクールなテクノロジーですが、それ以上に、実用上ソフトウェアであり、データ駆動型の製造および自動化技術でもあるのです」。

3Dプリントのコアはテクノロジースタックであり、同社は従来の製造方法では「不可能だった幾何学的構造」をアルゴリズム的に生成することができる、とエリス氏は説明する。また、設計は市場の需要に合わせて簡単に調整可能だ。

Relativityの設立前にBlue Originで金属3Dプリント部門の立ち上げを担当したエリス氏は、Terran 1と、カウンターパートである重量物運搬仕様を設計、構築することが、Day1(創業初日)からの戦略だったと語っている。

3Dプリントの実際のメカニズムは、地球上の重力の38%しかない火星のように重力がはるかに小さい環境でも技術的に実現できる。しかしより重要なのは、それが惑星外の不確実な環境で「必然的に必須の」アプローチだということだ。

「Relativity設立へのインスピレーションは、SpaceXがロケットを着陸させ、宇宙ステーションにドッキングするところを目にしたことでした。創業して13年の同社は、その輝かしい成功に留まることなく、人類を多惑星化しようと考え、火星に行くことを目指す唯一の企業でした」とエリス氏は語る。「そして私は、3Dプリント技術が他の惑星に産業基盤を現実的に構築する上で避けられないものだと考えたのです。火星に行こうと実際に試みたり、それが自分たちのコアミッションだと主張する人さえいないときでした。それは5年後の今でも、実際にはまだ当社とSpaceXだけです。そしてそのミッションの後に進むべき数十から数百の企業にインスピレーションを与えたいと、私は心から願っています」。

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画像クレジット:Relativity Space


【原文】

3D-printed rocket startup Relativity Space has raised a $650 million Series E, bringing its total raised to more than $1.2 billion. Relativity’s post-money valuation now stands at $4.2 billion, a source familiar with the matter told TechCrunch.

The round was led by Fidelity Management & Research Company, with participation from new investors with funds and accounts managed by BlackRock, Centricus, Coatue and Soroban Capital, and participation from existing investors Baillie Gifford, K5 Global, Tiger Global, Tribe Capital, XN, Brad Buss, Mark Cuban, Jared Leto and Spencer Rascoff.

The funds from the Series E will go toward accelerating the production of Terran R, the company’s heavy-lift, fully reusable two-stage rocket. Terran R joins Terran 1, Relativity’s debut rocket, which will conduct its first orbital flight at the end of 2021.

The company has been pretty tight-lipped about Terran R, but are now releasing further details alongside the funding announcement. As expected, Terran 1 and Terran R differ in pretty significant ways: the former is expendable, the latter reusable; the former is designed for small payloads, the latter for large. Even Terran R’s payload fairing is reusable, and Relativity has devised a system that makes it easier to recover and recycle as it stays attached to the second stage.

The larger rocket will clock in at 216 feet tall with a maximum payload capacity of 20,000 pounds to low Earth orbit. (For comparison, SpaceX’s Falcon 9 rocket stands at around 230 feet with a maximum payload to LEO of 22,800 pounds.)

Relativity’s Terran 1 on the left, and Terran R on the right. Image Credits: Relativity

Terran R will use seven of its new Aeon R engines on the first stage, each capable of 302,000 pounds of thrust. The same 3D printers that will produce Terran R’s engines and rockets also currently making the nine Aeon 1 engines that power the Terran 1, which means Relativity doesn’t have to drastically reconfigure its production line to build the new launch vehicle.

A single Terran R should take around 60 days to build, Ellis estimated. That’s an incredible pace for a rocket with this kind of payload capacity.

Even though Terran 1 has not seen a launch yet, Relativity shows no signs of slowing down Terran R’s development: Ellis said the company will also launch Terran R from its launch site at Cape Canaveral as early as 2024 and that it signed its first anchor customer, “a well-known blue-chip company,” for the new rocket.

Relativity has printed around 85% of the rocket that will perform the company’s first orbital flight at the end of this year. The Terran 1 that will perform that mission will not be carrying any payload. Terran 1’s second launch is scheduled to take place in June ’22, and will carry CubeSats to LEO as part of NASA’s Venture Class Launch Services Demonstration 2 (VCLS Demo 2) contract.

Relativity CEO Tim Ellis in an interview with TechCrunch likened 3D printing to a paradigm shift in manufacturing. “I think really the thing people haven’t gotten about our approach, or 3D printing in general, is it’s actually more like transitioning from gas internal combustion engines to electric, or on-premise service to cloud,” Ellis said. “3D printing is a cool technology, but more than that, it’s actually software and data-driven manufacturing and automation technology.”

Because the core of 3D printing is a technology stack, the company can produce algorithmically generated structures with “geometries that couldn’t be possible” with traditional manufacturing, Ellis said. And the design can be easily adjusted to fit market demand.

Ellis, who started the metal 3D printing division at Blue Origin before founding Relativity, said that the strategy from day one was to design and build Terran 1 and a heavy-lift counterpart.

The actual mechanisms involved in 3D printing can technically occur in environments even when gravity is much lower — like the gravity on Mars, which is only about 38% of the gravity on Earth. But more importantly, Ellis said it’s an approach that’s “inevitably required” in an uncertain off-planet environment.

“When we founded Relativity, the inspiration was watching SpaceX land rockets and dock with the space station. They were 13 years old and they were, despite all of that pretty inspiring success, the only company that wanted to make humanity a multi-planetary and go to Mars,” Ellis said. “And I thought that 3D printing tech was inevitable to actually build an industrial base on another planet. No one else had actually even tried to go to Mars or said that was their core mission. And that’s still true today, actually, even five years later, it’s still just us and SpaceX. And I really do hope to inspire dozens to hundreds of companies to go after that mission.”

(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Dragonfly)

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ロケット(英: rocket )は、自らの質量の一部を後方に射出し、その反作用で進む力(推力)を得る装置(ロケットエンジン)、もしくはその推力を利用して移動する装置である。

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COMMENTS


44618:
2021-06-27 21:15

インクジェット方式の3Dプリンターパーツを荷重試験してみた。 10キロくらいで壊れると予想してたけど、40キロ過ぎてもヒビひとつ入らず変形もしない… 先に重り側のバケツが変形し、結束バンドが伸びるという事態に? インクジェット方式、普通の3Dプリン…

44621:
2021-06-27 21:04

なんか作りかけの3Dモデルがあったので これを仕上げて3Dプリントしたいな ツチノコではない

44627:
2021-06-27 20:42

3Dプリントされた義足は調整やカスタマイズが簡単で、義足づくりのコストを下げることにもつながる。

44625:
2021-06-27 13:05

3Dプリントできたので仕上げにヤスリを掛けている

44617:
2021-06-27 12:55

ヤダの裸体を3Dプリントしてルアー作って売ろうぜ!? 売上の5割はヤダにやるよ?

44622:
2021-06-27 08:59

Twitterも3D対応してくれんかな。 Igesやstep,X_t,3DPDFの拡張子が貼れれば、各々ので3DプリントかNCデータの生成ができるのに

44624:
2021-06-27 07:12

3Dプリント技術は爆弾とかも作れるそうだ。つまり兵器関係のデータさえ盗み出せば3Dプリント装置で攻撃機とか偵察機とかも作れるってこと。うめぇ

44619:
2021-06-27 06:39

勢いでポリゴンも晒してみる 普段はサブディビジョンのままで終わらせてるローポリモデルばかり作ってますが、今回は3Dプリントを試したい&Mesh Fusionのスジボリ機能も試したいの結果こうなった 腕とか定期的にリトポしたくなりま…

44628:
2021-06-27 05:49

FANBOXに私が3Dプリントで使用したSTLファイルを公開しました 全体公開なので誰でもご覧いただけます なんか作ったらさらに追加予定

44620:
2021-06-27 04:15

なんか作りかけの3Dモデルがあったので これを仕上げて3Dプリントしたいな ツチノコではない

44629:
2021-06-27 04:11

10年くらい前に流行った顔文字がプリントされたビーズクッションMOD作りました。 編集用に何も描かれてない画像とUVも同梱してありますので好きなの作ってね M3D2 c…

44623:
2021-06-27 02:38

塗り分けが面倒なのと、実車と形状と構成が違うのが気になったので3Dプリントで作り直そうと思う・・・が、ここでボディを受ける構造になってる上、ミッション挟むように前に伸びてるフレームは別パーツという変に精度も要求するので悩みどころ。

44626:
2021-06-27 00:48

トピック、なるものを初めてフォローした。とりあえず「海」と「海洋生物」と「3Dプリント」あたりを

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