日本HP、新年度事業戦略を発表–Windows 11で「買い換えサイクル短縮を期待」
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日本HPは1月20日、新年度の事業戦略を披露する記者説明会を開催した。2021年11月に本社を東京都港区へ移転し、同月1日付けで同社代表取締役 社長執行役員に就任した岡戸伸樹氏は、「今年寅年は4回目の年男。『虎穴に入らずんば虎子を得ず』の気持ちを持ち、リスクを取った大胆な施策で果敢にチャレンジして、第二の創業という思いで新しい日本HPを作り上げていきたい」と意気込みを語った。
米本社の社内分析によれば、2024年までにPC市場は3.4%増で成長し、市場規模は64.4兆円に達すると予測している。この数値は同社がコロナ禍前の2019年に実施した分析結果の1.5倍におよぶ。
岡戸氏は「(われわれにとってPCは)売り上げの7割を占める市場。コロナ禍を経てPCは必需品となり、普及率の増加やWindows 11による買い換えサイクルの短縮が期待できる」とPC市場を捉えている。
同社は主にPCを扱うパーソナルシステムズ事業、3Dプリンターなどによるプリンティング事業、保守やセキュリティサービスが中心のサービス・ソリューション事業を主軸としている。新年度はプリンティング事業で「デジタルプレス」「3Dプリンティング」、パーソナルシステムズ事業では「ゲーミング」、サービス・ソリューション事業と連携した「ハイブリッドワーク」に注力する。
デジタルプレスは「HP Indigo」シリーズを中核に、商業印刷やラベル&パッケージ印刷など商業利用可能な製品群の拡充を図る。再生工程を経て認定されたIndigo認定中古機を販売する「Certified Pre-Owned(CPO)」について岡戸氏は「初期費用を最大半額程度に抑えた導入のしやすさが特徴」だと主張した。
印刷事業を手掛けるウイル・コーポレーション(石川県白山市)のデジタル輪転印刷機「HP PageWide Web Press」導入事例を披露しながら、岡戸氏は「昨年より掲げている成長と付加価値の戦略を継続する。成長の軸ではアナログからデジタル化の移行を推進し、付加価値の軸では持続可能社会への貢献を目指す」と概略を説明した。
また、複合現実(Mixed Reality:MR)ヘッドセット「Microsoft HoloLens 2」を用いた印刷業界向け保守サービス「HP xRServices」を2021年11月に発表したが、日本市場へは2020年5月から投入する。
3Dプリンティングは「HP Jet Fusion」シリーズが中核を担う。「HP Jet Fusion 5200」シリーズは、造形後のパーツ取り出しを自動化する「Automatic Unpacking Station」を供えることで製造工程の負荷を軽減。「造形後のパーツは粉に埋まっている。エアガンで吹き飛ばし、パーツ数など条件によって異なるが、大幅に造形時間を短縮できる」(岡戸氏)
3Dプリンティングの素材は多岐にわたるが、素材として金属を利用できる「HP Metal Jet」が注目を集めている。米本社では先行ベータテストを実施中だが、「(利用者の)意見を踏まえ、国内市場の需要に即した製品を提供するため、慎重に進めている」と日本HPの担当者は現状を説明した。
3Dプリンティングの需要は国内でも多く、3D CADや3Dプリンティングなどを手掛けるSOLIZE(東京都千代田区)と日産自動車はJet Fusionで生産終了となった車両の補修部品を造形し、日産自動車自身も新車種の形状確認や実験用モデル作成にJet Fusion 5200を用いている。