エネルギー卸取引マーケットプレイスeSquare運営のenechainが総額20億円調達、今後3年間で10倍以上の流動性増加を目指す
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本記事は、TechCrunch様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
様々なエネルギー商品を売買できる卸取引マーケットプレイス「eSquare」を運営するenechainは1月26日、シリーズAラウンドでの16億円の第三者割当増資および取引銀行からの融資により、総額で約20億円の資金調達を行なったことを発表した。引受先は、リードインベスターのDCM VenturesとMinerva Growth Partners。調達した資金により、eSquareの流動性を拡大させ、エネルギー業界全体のDXを推進させたいという。
enechainは「Building energy markets coloring your life」をミッションに掲げ、あらゆるユーザーがオンライン上のマーケットプレイスeSquareを通じ、電力やLNGといったエネルギー商品を自由に売買できる社会の実現を目指すスタートアップ。
2016年の電力自由化以降には数百社の小売事業者が電力事業に参入し、従来の電力会社よりも安価に電力の販売がされるといったメリットが生まれた。しかしその一方で、自由化当初には想定されていなかった、燃料市況や需給動向に応じた電力のスポット価格の乱高下といった課題も浮き彫りになっている。このような事業環境では、生産者にとっても小売企業にとっても価格変動に対して「収益を安定化するためのヘッジ取引」が必要となるものの、これまで日本のエネルギー業界には価格をヘッジするマーケットが存在していなかった。
そうした背景を受けenechainは、経済産業省の認可の元、法人ユーザー向けに電力やLNGなどエネルギー商品のヘッジ取引を行うマーケットプレイスを開設、取引のマッチングサービスを提供。創業から2年半で、ユーザーは電力会社やガス会社、新電力のほかにも欧米トレーダーなど120社を超えるまでに成長している。
今回調達した資金は、採用と組織拡大、コアプロダクトであるeSquareの開発およびユーザーへの導入の加速に充てる。今後3年間で、ソフトウェアエンジニアやコーポレート人材などを中心に社員数を150名と現状の3倍規模にまで増やす予定。ユーザー獲得の加速に向けた投資も積極的に行ない、eSquare上の流動性を10倍以上とすることを目指す。
enechainは、卸電力のヘッジマーケットプレイスでの取引を活性化させることで、発電・小売事業者の収益性を安定させ、エンドユーザー向けにより競争力のある条件での安定的な電力小売に寄与したいという。