【コラム】DAOはメディアに革命をもたらすのか、それとも金持ちの遊び場を作るだけだろうか?

今回は「【コラム】DAOはメディアに革命をもたらすのか、それとも金持ちの遊び場を作るだけだろうか?」についてご紹介します。

関連ワード (安価、専任、納税義務等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、TechCrunch様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


2021年11月に、ConstitutionDAOという何千人もの暗号資産ファンを擁する仮想フラッシュモブが、米国憲法の初版の1つを購入するために約4500万ドル(約51億8000万円)をクラウドファンディングした。オークションには敗れたが、彼らはすでに、ニュースレター会社MorningBrewが配布した絵文字入りのスウェットシャツのラインを立ち上げていた。

The plan? Purchase the US Constitution. pic.twitter.com/SQHJhIN7Ka

— Andrew Reed (@andrew__reed) November 16, 2021

ソーシャルメディアに無数のミームを氾濫させ、クラウドファンドへの参加を呼びかけたこの動きは、今やベンチャーキャピタル界で大流行している自立型分散組織(DAO、Decentralized Autonomous Organization)の一例にすぎない。Bitcoin Core(ビットコイン・コア)のようなオープンソースプロジェクトと同様に、DAOプロジェクトには自発的な参加者と受動的なフォロワーの両方が含まれており、その多くは有償のコアコントリビューターによって管理されている。コントリビューターに報酬を支払うためにどのように資金が集められるかは、プロジェクトによって大きく異なる。

他にも、Andreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ)が支援するFriends with Benefits(FWB)など、複数のDAOプロジェクトが6億ドル(約692億円)を超える資産を運用している。DJやイベントコーディネーターの経験を持つFWBのリードオーガナイザーAlex Zhang(アレックス・ザング)氏は、2021年5月に収益性の高いDAOを統括しており、同クラブでは現在、奨学金プログラムを設けて四半期ごとに最大40人の奨学生を受け入れているという。このプログラムは最長3年間の資金提供を受けている(それ以外の場合はフルメンバーとして約8000ドル[約92万円]を要する)。

人々は、アイデアが即座に資金調達につながるか、立ち消えとなるかを確認する目的で自発的にDAOを開始することも多く、また暗号資産に関する試みを行うためのよりソーシャルな方法を含む、さまざまなネットワーキングの機会のためにDAOに参加することもある。ここで話を戻すと、これらのDAOの多くは、基本的に暗号資産を利用するメディア企業である。DAOと、The Informationのような(フィアットの)サブスクリプションファンドによる組織の間には、重複する部分も数多くあるが、主な違いは、FWBがジャーナリズムのイベントではなくパーティーを開くことだ。

手短にいえば、FWBは投資家の友人たちのグループで、2020年9月に資金をプールし、自分たちのクラブに入ってトークンを買いたいと望むEthereum(イーサリアム)ファンを募ったものだ。その後、マイアミ、パリ、ニューヨーク、ロサンゼルスでトークン保有者のための独占パーティーを開いた。ザング氏によると、FWBには現在、2000人の正会員に加えて、より安価な読み取り専用または地域限定のメンバーシップを持つ少数のファン集団が含まれているという。

「ZINE(個人やグループで制作する出版物)のようなマルチメディア資産を作成する編集・コンテンツチームを組織し、他の形式のコンテンツにも確実に移行しています。近々ラジオ局を立ち上げ、さまざまなDJをブックする予定です」とザング氏は語る。「私たちはサブスクリプション料金モデルから資産保有に移行しつつあります」。

特に有名なDAOとしては、ジャーナリストのDaisy Alioto(デイジー・アリオト)氏とKyle Chayka(カイル・チェイカ)氏が創設したニュースレターDAOプロジェクトDirt、Uniswap(ユニスワップ)のようなツールのユーザーのための暗号資産取引DAO、さらにFWBやPleasrDAOなどの暗号資産ソーシャルクラブが挙げられる。PleasrDAOのようなアートに特化したDAOは、JPEGからレアなアルバムまでのあらゆるものを含むアートコレクション収集のために数百万ドル(数億円)を集め、分配している。

PleasrDAOの共同創設者であり、2014年のEthereumトークンの最初の販売に参加したJamis Johnson(ジャミス・ジョンソン)氏は、次のように述べている。「DAOの会員総数は74人です。他のDAOと同様に、絶え間ない浮き沈みがあります。フルタイムの従業員として専任のオペレーターが在籍しており、約5人ほどになると思います。主なコミュニケーション手段はTelegram(テレグラム)です」。

これまでのところDAO参加者のほとんどは、さまざまなDAOにわたり、Ethereumの共同創設者Joe Lubin(ジョー・ルービン)氏のポートフォリオに属するMetaMask(メタマスク)、Gitcoin(ギトコイン)、Gnosis(グノーシス)、Infura(インフラ)といった企業に依存している。特にMetaMaskは現在、月間アクティブユーザー1000万人を擁しているという。また、Gitcoin DAOは6億4300万ドル(約741億円)を超える資産を持つと推定されている。

GitHubがスポンサーとなった調査によると、2021年時点で、DAO参加者422人のうち33%がFWBのようなDAOから月に1000〜3000ドル(約11万5000~約34万6000円)を受け取っている。回答者は主に、2020年以前からEthereumプロジェクトに深く関わっていた若い男性だった。現在のDAO参加者のほとんどが富裕層の暗号資産ファンだとしても、それはこのムーブメントのより広範なゴールではない。

FWBの投資家であり、The New York Times(ニューヨーク・タイムズ)がSubstack(サブスタック)やPatreon(パトレオン)、暗号ブログプラットフォームMirror(ミラー)といったクリエイターエコノミー企業の背後にいる「It Girl」投資家と呼ぶLi Jin(リー・ジン)氏の言葉を借りれば、DAOの目指すところは「暗号資産への新規参入者のためのフロントドア」になることだ。

その一方で、一部の機関はすでにDAOを受け入れており、ビジネスを行っている。ConstitutionDAOはSotheby’s(サザビーズ)に入札し、PleasrDAOは希少なWu-Tang Clan(ウー・タン・クラン)のアルバムをUnited States Department of Justice(米国司法省)から直接購入した。ワイオミング州は2022年に入り、DAOを州として初めて独自の法制度として認めている。ただし、申請手続きはまだ難しく、制約が課される可能性もある。

DAO MastersとFWBのメンバーであり、環境に焦点を当てたEcoDAOの創設者であるDavid Phelps(デイヴィッド・フェルプス)氏は、現時点で少なくともDAOムーブメントにより、人々の慈善活動への寄付が促されていると述べている。実際、このスペースには、奨学金プログラムやさまざまな慈善活動への数百万ドル(数億円)の寄付があふれている。

「ドルのエコトークンをリリースすれば、私たちはすべて問題なく支払いを受けることができるでしょう」とフェルプス氏は語り、自らのDAOの試みに言及した。先住民の土地改革と熱帯雨林の再生のための慈善事業に、これまでのところ3万7000ドル(約427万円)余りが集まっている。「ですが当面の目標は、アーティストたちが互いに支え合い、生涯にわたって収入を得られるような持続可能なエコノミーを作ることです」。

参加するには費用がかかり、困難がともなうかもしれないが、DAOムーブメントはすでに「ステータスを寄付に結びつけ、人々にパーティーの支払いを促し、意義のある大義にお金を再配分する」ことで価値を高めることを促進していると同氏は付け加えた。

しかし、このきらびやかな部屋の中の象は、Ethereumのベテランであっても、これらの数百万ドル規模の暗号資産クラブのメンバーがどのように税金を支払うかを誰も認識していないことを意味する。DAOムーブメントに関わっている中産階級の参加者たちの多くは、彼らが数千ドル(約数十万円)もの税金をため込んでいることに気づいていない。

「私たちは多くの請負業者や開発者、DAOのために働いている人々が税金申告の要件を知らないのを目の当たりにしてきました」と、Gordon Law(ゴードン・ロー)の税理士Andrew Gordon(アンドリュー・ゴードン)氏は話す。「通常、こうした事業者は1099(米国税庁の個人事業主向けの申請書)を発行する必要があります。社会保障番号なしでどうやって発行するのでしょうか?1099を提出しないと罰則が科せられます」。

さらにゴードン氏は、こうしたDAOの多くはフリーランスのコントリビューターやオペレーターに、ドルやその他の通貨ではなく独自のメンバーシップトークンで支払っていると付け加えた。これはトークンの「公正な市場価値を決定する責任は納税者に帰する」ことを意味する、とゴードン氏。DAOが自動的にNFT(非代替性トークン)をメンバーに贈与する場合、これは納税義務についての疑問を提起するかもしれない。2022年の納税シーズンが到来したとき、これらのデジタル資産の価格が急落すると、一部のDAOコントリビューターは支払い能力を超える税金を支払う義務を負う可能性がある。

「受け取った暗号資産が、受け取った時点での公正な市場価値に基づいて課税されることを知らなかった人から、電話がかかってくることがよくあります」とゴードン氏は続ける。「NFTとの関係でさらに複雑化する点は、評価の問題【略】最低価格と平均市場価格のどちらがその価値になるのでしょうか」。

すでに多くの若者たち、前述のDAOに参加する余裕がない人たちが、これらの試みを模して独自のものをローンチしている。Shannon Li(シャノン・リー)氏のケースもそうだ。

同氏は2018年に大学を卒業した後、パンデミックの初期には嫌だった仕事を辞め、それ以来コーディングのブートキャンプに参加している。現在独自のDAOを作っているが、それは人気の高いDAOの会費を払う余裕がなく、自分が応募した無料のオポチュニティにも反応がなかったからだ。こうして同氏は、トークンなしで開始することで、法的リスクを巧みに軽減することに成功した。

「DAOの最大の懸念は、実際には合法性と弁護士費用です」とリー氏は言い、DAOトークンの中には証券として規制されるものもあるかもしれないと指摘した。「このことは、トークンの販売が流通市場で行われるサービスではなく、サービス・フォー・サービスのDAOを作成したいと思う大きな理由です」。

リー氏は、女性のための暗号資産教育コンテンツに焦点を当てた80人で構成されるDiscord(ディスコード)サーバー、WEKrypto DAOを立ち上げた。最終的には、DAOにトークンゲートのグループチャットとNFTのイベントチケットを導入する計画だ。今のところ、ブートストラップ段階では「暗号資産についてもっと学び、他の人たちも利用できるように公開し、願わくば共有学習のジャーニー上で関係を築いていく」ことに注力している。

このムーブメントが、ルービン氏やVitalik Buterin(ヴィタリック・ブテリン)氏のようなEthereumの創設者たちによって育まれ、サポートされた企業を超えて成長するにつれて、DAOのエコシステムがどのようになるかはまだわからない。(すでに一部の人たちは、Bitcoin[ビットコイン]やSolana[ソラナ]のようなブロックチェーンを使いながら、同様のDAOのコンセプトを実装し始めている。)明るい面としては、FWBやIndex CoopのようなDAOにより、このムーブメントの多様性を改善するための多くの取り組みが始まっていることだ。

「私たちのコミュニティは、参加できなかったアーティストやクリエイター、その他の人たちに報いるために、1万8000のトークンを使ったフェローシッププログラムを立ち上げました」とザング氏はFWBについて語っている。「私たちは、普遍的な基本的資産の所有権を提供しています。この世界で何かを創造しているのであれば、その価値の一部を手に入れることができるはずです」。

今日でも、DAOたちが使っているツールは実験的なものだという見方が依然として大勢を占めている。Awesome People Ventures(オーサム・ピープル・ベンチャーズ)の創設者で、PartyDAOを含む複数のDAOのメンバーであるJulia Lipton(ジュリア・リプトン) 氏は、広く使われているGnosis Safe(グノーシス・セーフ)ウォレットに数百万ドル相当のデジタル資産を保有することは依然として「リスクを感じ」、DAO実験の技術面を完成させるには「途方もない時間」を要することが多いと述べている。技術的な問題に加えて、中間層のユーザーにとっては取引手数料が法外に高い場合もあるという。

「先は長いです。税金や規制だけでなく、DAO全般に関しても、未知のものが山ほどあります。コミュニティの所有権という概念については、まだ完全には解明されていません。私たちはこれらのプロジェクトをすべてA/Bテストし、公の場で実験を行ってきました」とリプトン氏は語る。

リプトン氏がDAO Mastersの設立に協力したのはそのためである。何十万ドル(何千万円)もの資金をクラウドファンディングして、新規参入者がDAOに関わるオポチュニティ、スキル、リスクについて学べるように支援した。

「私が最も情熱を注いでいることの1つは、価値の創造が価値の帰属と分配に結びつくことです。うすればより公正で公平なシステムを作ることができるでしょうか?」とリプトン氏はいう。

最終的には、DAOムーブメントの主要なインサイトは、他の方法では難解なメタバースに属しているという感覚に対して、人々がどれだけのお金を払おうとしているかということかもしれない。DAOのメンバーは、受動的なオーディエンスではなく、トライブ(同じ志を持つ人々の集まり)である。そのため、彼らは自分たちが代表されていると感じるメディアや体験に対して(お金か労働力のどちらかで)喜んで支払う。

あらゆる暗号資産トレンドと同様に、この帰属意識は金持ちになるという希望によって増幅される。DAOの参加者の中には、表立ったコメントは控えたものの、参加者自身のスタートアップやDAOに投資する可能性のある投資家とネットワークを作りたいと考えてDAOに参加していることを強調する向きもあった。

それは、Andreessen Horowitzの投資家ネットワークで埋め尽くされたDAOに所属することの魅力の一部だ。ジン氏は自身もこの巨大ファームの出身であり「(FWBの創設者である)Trevor McFedries(トレヴァー・マクフェドリーズ)氏とは何年来の友人」であると語っている。またザング氏は、マクフェドリーズ氏がFWBに招かれるずっと前から個人的な友人だったという。DAOのメンバーは、彼らの友人を定期的に高額な雇用や投資のオポチュニティに招待する。これらの暗号クラブに参加することは、いくつかの点で、アイビーリーグの友愛会に匹敵する。

一方、FWBの投資家であるジン氏は、Twitter(ツイッター)やポッドキャストで、クリエイターがより直接的にユニバーサルベーシックインカム(UBI)の恩恵を受けられるようになることへの期待を率直に語っている。ニュースレターのDirt(ダート)やForefront(フォアフロント)のライターたちのプログラムのようなDAOのその他の実験は、DAOの将来の可能性を垣間見せてくれる。それは、お互いのベンチャー支援によるグループチャットに投資している裕福な友人たちだけにとどまらない。

Forefrontのライターへの支払い能力は1稿当たり400ドル(約4万6200円)ほどで、数百人のトークン保有者を抱えるコミュニティの成長に支えられているが、目につくものではない。税金の問題やEthereumの取引手数料を考慮しても、その価格は一部の主要な従来型の小売店が最近ライターに支払っている額と変わらない。DAOのアドボケートたちが、より公平で分散化されたメディアのエコシステムを目指していると信じていることは明らかだ。コンプライアンスモデルが出現して初めて、リスクと責任がこれらのネットワークにどのように分散されるかが明らかになる。

「DAOは潜在的に、労働市場が機能する新しい方法と新たな経済的インセンティブを解き放ちます」とリプトン氏は語る。「コミュニティのトークンが長期的にどうなるかはまだ結論が出ていませんが、コミュニティの所有権という概念は残るでしょう」。

情報開示・著者はKomorebi CollectiveとDes Femmes DAOの2つのDAOプロジェクトの創設メンバーである。

画像クレジット:Andrii Yalanskyi / Getty Images


【原文】

Over the past few weeks a virtual flash mob called the ConstitutionDAO, with thousands of cryptocurrency fans, crowdfunded almost $45 million to buy a copy of the U.S. Constitution. Although they lost the auction, they had already spun up a line of sweatshirts, emblazoned with emojis, distributed by the newsletter company MorningBrew.

This experiment, which flooded social media with countless memes and calls to join the crowdfund, is just one example of the type of decentralized autonomous organizations (DAOs) that are now all the rage in venture capital circles. Much like open source projects like Bitcoin Core, DAO projects involve both volunteer participants and passive followers, often shepherded by paid core contributors. How the project collects money to pay those contributors varies drastically, depending on the project.

Several other DAO projects, including the Andreessen Horowitz-backed Friends with Benefits (FWB) DAO, manage more than $600 million in assets. FWB lead organizer Alex Zhang, a former DJ and events coordinator, took the reins of the lucrative DAO in May 2021 and says the club now has a fellowship program that admits up to 40 scholarship members a quarter. The program is funded for up to three years. (It otherwise costs roughly $8,000 to become a full member.)

People often start DAOs spontaneously, to see if the idea quickly attracts fundraising or fizzles out, and join DAOs for a variety of networking opportunities, including more social ways to experiment with cryptocurrency. Stepping back: Many of these DAOs are essentially crypto-fueled media companies. There’s a ton of overlap between DAOs and (fiat) subscription-funded organizations like The Information, with the main difference being FWB throws parties instead of journalistic events.

In short, FWB is a group of investor friends who pooled funds in September 2020 and invited any Ethereum fan who wanted into their club to buy some tokens. Then they threw exclusive parties for token holders in Miami, Paris, New York and Los Angeles. FWB now includes 2,000 full members, according to Zhang, in addition to a small fleet of fans with cheaper read-only or local-city-only memberships.

“We have a whole editorial and content team that creates multimedia assets like zines and are definitely moving into other forms of content. We’re launching a radio station soon where we’ll book different DJs,” Zhang said. “We’re shifting away from the subscription-fee model and moving into asset holding.”

The most famous DAOs include the newsletter DAO project Dirt, founded by journalists Daisy Alioto and Kyle Chayka, crypto exchange DAOs for the users of tools like Uniswap, plus crypto social clubs like FWB and PleasrDAO. Art-focused DAOs like PleasrDAO collect and allocate millions of dollars for amassing art collections that include everything from JPEGs to rare albums.

“We’re writing the playbook as we go,” said PleasrDAO co-founder Jamis Johnson, who participated in the original Ethereum token sale in 2014. “Total membership is 74 people; as with any DAO, there’s perpetual ebb and flow. We have full-time employees now, dedicated operators. I’d say around five full time. Our primary form of communication is Telegram.”

So far most DAO participants, across different DAOs, rely on companies from Ethereum co-founder Joe Lubin’s portfolio, including MetaMask, Gitcoin, Gnosis and Infura. MetaMask, in particular, now claims to serve 10 million monthly active users. And the Gitcoin DAO is estimated to have a treasury worth more than $643 million.

As of 2021, a Gitcoin-sponsored study showed 33% of 422 surveyed DAO participants are earning $1,000-$3,000 a month from DAOs like FWB. Respondents were predominantly young men who were already heavily involved in Ethereum projects before 2020. Even if most DAO participants today appear to be wealthy cryptocurrency fans, that isn’t the movement’s broader goal.

According to FWB investor Li Jin, who The New York Times called the “It Girl” investor behind creator economy companies like Substack, Patreon and crypto blogging platform Mirror, the goal is for DAOs to become “the front door for many new folks coming into crypto.”

Meanwhile, some institutions are already embracing DAOs by doing business with them. The ConstitutionDAO is placing a bid with Sotheby’s, while PleasrDAO purchased its rare Wu-Tang Clan album directly from the United States Department of Justice. Wyoming became the first state to recognize DAOs as a unique legal structure earlier this year, although the application process is still difficult and potentially limiting.

So far, DAO Masters and FWB member David Phelps, founder of the environmentally focused EcoDAO, said that at least the DAO movement is getting people to donate to charitable causes. The space is indeed full of scholarship programs and multimillion-dollar donations to various charitable causes.

“If we release an $ECO token, then I’m sure we’ll all be paid out just fine,” Phelps said, referencing his own DAO experiment, which raised more than $37,000 for Indigenous land reform and rainforest reforestation charities so far. “But for the moment, the goal is to create a sustainable economy for artists to support each other and potentially earn lifelong income.”

He added that the DAO movement, as expensive and difficult as it may be to join, has already promoted uplifting values by “tying status to giving, getting people to pay for parties, then redistributing money to causes that are meaningful.”

But the elephant in this gilded room is that nobody, not even Ethereum veterans, knows how members of these multimillion-dollar crypto clubs will pay taxes. Many middle-class participants involved in the DAO movement don’t realize they are amassing thousands of dollars in tax liabilities.

“We’ve seen a lot of contractors or developers, people who work for DAOs, that are unaware of the tax reporting requirements,” said tax attorney Andrew Gordon of Gordon Law. “Typically, the business needs to issue a 1099. How do you do that without their Social Security number? There are penalties for not issuing 1099s.”

Plus, Gordon added, dozens of these DAOs pay freelance contributors and operators in their own membership tokens rather than in dollars or ether. Gordon said this means the “onus is on the taxpayer to determine the fair market value” of the tokens. In cases where DAOs automatically gift non-fungible tokens (NFTs) to their members, this may also raise questions about tax liabilities. When tax season rolls around in 2022, if the price of these digital assets plummets, some DAO contributors may be liable for more taxes than they can afford to pay.

“We get calls all the time from people who didn’t know the crypto they’ve received is taxable based on the fair market value at the time they received it,” Gordon said. “Where it becomes more complex with NFTs is again, the question of valuation … is the value the floor price or the average market price?”

There are already many young people who can’t afford to join the above-mentioned DAOs mimicking these experiments and launching their own. Such is the case with Shannon Li.

She graduated from college in 2018, left a job she hated early on in the pandemic and has been taking coding bootcamps online ever since. She’s now creating her own DAO because she couldn’t afford the membership fees for more popular DAOs, and the free opportunities she applied to never responded. So she is cleverly reducing legal risks by starting without tokens.

“The biggest concern for DAOs is actually legality and lawyer fees,” Li said, saying some DAO tokens may be regulated as securities. “That’s a big reason why I want to create a DAO that is service-for-service, instead of service for token-you-can-sell-on-secondary-market.”

Li created WECrypto DAO, an 80-person Discord server focused on crypto educational content for women. Eventually, her plan is for the DAO to include token-gated group chats and NFT event tickets. For now, in the bootstrapping phase, she’s focused on “learning more about crypto, publishing it for others to find use in, too, and hopefully building relationships over a shared learning journey.”

It remains to be seen what the DAO ecosystem will look like as the movement grows beyond the companies nurtured and supported by Ethereum founders like Lubin and Vitalik Buterin. (Some people are already starting to implement the same DAO concepts while using blockchains like Bitcoin and Solana.) On the bright side, there are already many efforts to improve the movement’s diversity by DAOs like FWB and the Index Coop.

“Our community launched a fellowship program with 18,000 tokens to reward artists and creatives and other people that couldn’t afford to join but can apply based on merit,” Zhang said of FWB. “We’re offering universal basic asset ownership. If you’re creating something in this world, you should be able to hold some of that value.”

Even today, the tools these DAOs use are still widely considered experimental. Awesome People Ventures founder Julia Lipton, a member of multiple DAOs including PartyDAO, said holding millions of dollars worth of digital assets in the widely used Gnosis Safe wallets still “feels risky” and it often takes a “stupid amount of time” to complete the technical side of DAO experiments. In addition to technical difficulties, she said transaction fees can sometimes be prohibitively expensive for middle-class users.

“We have really far to go. The bucket of unknowns is huge, not only for taxes and regulations but in terms of DAOs in general. Everything about that concept of community ownership is still being figured out. We’ve got all these projects A/B testing, experimenting in public,” Lipton said.

That’s why Lipton helped found DAO Masters, crowdfunding hundreds of thousands of dollars worth of ether to help newcomers learn about the opportunities, skills and risks involved with DAOs.

“One of the things I’m most passionate about is value creation being attached to value attribution and distribution.” Lipton said. “How do we create a more fair and equitable system?”

In the end, the alpha insight of this DAO movement may be how much people are willing to pay for a feeling of belonging in the otherwise esoteric metaverse. DAO members are a tribe not a passive audience. And as such, they are willing to pay (in either money or labor) for media and experiences where they feel represented.

As with any crypto trend, this feeling of belonging gets amplified by the hope of getting rich. Several DAO participants, who would only comment on background, emphasized that they were participating in DAOs hoping to network with investors who may someday invest in the participants’ own startup or DAO.

That’s part of the appeal of belonging to a DAO full of the Andreessen Horowitz investor network. Jin is herself an alum of the colossal firm and said she’s been “friends with [FWB founder] Trevor McFedries for years.” Zhang also said he was a personal friend of McFedries’ long before being invited to join FWB. DAO members routinely invite their friends to join lucrative employment and investment opportunities. Joining these crypto clubs is, in some ways, comparable to Ivy League fraternities.

On the other hand, FWB investor Jin has been outspoken on Twitter and her podcast about aspirations to see universal basic income (UBI) opportunities with more direct ownership by creators. Other DAO experiments like the newsletter Dirt and the Forefront writers’ program offer a glittering peek at the future potential of DAOs, which reaches beyond rich friends investing in each other’s venture-backed group chats.

Forefront’s ability to pay writers almost $400 per piece, thanks to a growing community with hundreds of paying token holders, is nothing to shake a stick at. Even with tax concerns and Ethereum transaction fees taken into account, that price is still comparable to what some mainstream, traditional outlets pay writers these days. It’s clear that DAO advocates believe they are working toward a more equitable and decentralized media ecosystem. Only time will tell, as compliance models emerge, how risk and responsibility will be distributed across those networks.

“DAOs potentially unlock new ways that the labor market can work and new economic incentives,” Lipton said. “The jury is out on what will happen to community tokens long term, but the concept of community ownership is here to stay.”

Disclosure note: The author is a founding member of two DAOs, the Komorebi Collective and the Des Femmes DAO project.

(文:Leigh Cuen、翻訳:Dragonfly)

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