AIでマウスのグルーミング(毛づくろい)を高精度で検出、動物の心と体の変化の把握が人の中枢性疾患の治療に貢献

今回は「AIでマウスのグルーミング(毛づくろい)を高精度で検出、動物の心と体の変化の把握が人の中枢性疾患の治療に貢献」についてご紹介します。

関連ワード (理解、適切、長時間等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、TechCrunch様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


東京大学は2月2日、マウスの動画からAIを用いてグルーミング(毛づくろい)行動を検出する方法を開発したと発表した。グルーミングは動物の心と体の状態を理解するうえでの重要な指標であるため、低コスト、長時間の自動判定が可能になれば、動物実験の効率が大幅に向上するという。

東京大学大学院農学生命科学研究科の坂本直観学部生らによる研究グループは、ケージの上部に設置したカメラで撮影したマウスの動画から、その行動を「グルーミングなし」「顔のグルーミング」「体のグルーミング」に分類してラベル付けを行った。そしてこれを脳の神経回路を模した数理モデルである折り畳みニューラルネットワークに学習させた。そして、折り畳みニューラルネットワークが間違えた画像パターンを解析し改善を試みたところ、かなりの高確率での識別が可能となった。また、グルーミング回数の評価では、人の観測と畳み込みニューラルネットワークの予測は同等だった。

健康な動物に比べて不健康な動物の毛並みが悪いのは、健康状態によってグルーミングの頻度や長さが変わるためだという。動物の心身の状態を詳しく観察することが動物実験では大切なのだが、そこでグルーミングが重要な指標となる。だが、目視による観察は研究者の負担が大きく、また観察者や環境によって判断が変わるといった客観性に欠ける部分もある。そこでこの方法が開発された。

現在、その治療法が強く求められている自閉症、認知症、統合失調症といった中枢性疾患には「ヒトの疾患の病態を適切に反映できる動物モデル」が必要なのだが、それが不足しているために治療法の開発が進んでいないと研究グループは言う。しかし今回確立された技術を用いて「動物の心の機微と体の変化を捉えることが可能となれば、ヒトの中枢性疾患の病態解明や治療方法の開発にも大いに役立つことが期待される」とのことだ。

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