デジタルと縁遠く見える企業のDXの進め方とは–帝国データバンクの調査結果から読み解く
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ニューノーマル時代に向けて企業はデジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みが急がれているが、実態はどうなのか。企業規模や業界別に見た時の進み具合はどうか。帝国データバンクが先頃、こうした点についての調査結果を発表したので、その内容を基に考察したい。
帝国データバンクが発表した「DXに関する企業の意識調査」は2021年12月16日から2022年1月5日にかけて実施し、全国の1万769社から有効回答を得たものだ。全国地域や企業規模、業界も幅広く調査が行われており、偏りはほぼない印象だ。全体の内容は発表資料をご覧いただくとして、本稿では筆者が注目した図表を3つ挙げておきたい。
まず、図1は「DXについてどの程度理解し、取り組んでいるか」を尋ねた結果で、DXの「言葉の意味を理解し、取り組んでいる」企業は15.7%と、7社中1社の割合だった。「言葉の意味を理解し、取り組みたいと思っている」(25.7%)と合わせると、4割の企業がDXへの取り組みを前向きに捉えている。ただし、それ以外の半数を超える企業において、DXの取り組みが進んでいない状況にあることが明らかになった格好だ。
次に、図2はDXの「言葉の意味を理解し、取り組んでいる」企業の割合を、規模および業界別に集計した結果である。規模別では「大企業」が28.6%と全体(15.7%)を大きく上回った。一方で、「中小企業」は13.0%となり、DXへの取り組み状況は大企業との間で大きな差があることが分かった。さらに、中小企業のうち「小規模企業」は8.4%と1割を下回る結果だった。
また、業界別では、フィンテックの動きが活発になってきている「金融」(25.2%)や、ソフトウェア受託開発など企業のDXを支援する情報サービスを含む「サービス」(24.1%)が高い割合を示した。一方で、「建設」(11.4%)や「農・林・水産」(12.3%)といった業界では、DXに取り組んでいる企業は低い割合にとどまっていることが浮き彫りになった。